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「時代に殺された“デートカー”」輝きはそのまま…なのに人々は見向きもしなかった~ホンダ4代目・5代目プレリュード【推し車】
最後の最後に過去の栄光よもう一度・5代目(1996年)
4代目で「スポーツ路線なんて無意味」とホンダは悟ったことでしょう、そこでモデル終了、あるいは海外専用車でよかった気もしますが、1996年に最後のモデルチェンジでなぜか2代目/3代目のデートカー路線へ回帰するのですから、もうワケがわかりません。
フロントマスクは大ヒットした2代目/3代目のリトラクタブルヘッドライトを、形はそのままに異型ライトへ変えたような見かけで、テールデザインも過去のイメージが色濃く、ガラスサンルーフも復活して、もう「プレリュードはこうでなきゃ」という執念を感じます。
スポーツグレードのH22Aエンジンはリッター100馬力の220馬力にパワーアップしましたし、後にレジェンドや2代目NSXへ採用したSH-AWDの原型となる、左右駆動力分配システム「ATTS」も話題になりました。
しかし根本的には、「もうこんなクルマを買うユーザーなんてそうそういないのに、今さらどうした?」という印象でしかありませんし、RVブームを否定するにしても、その頃にはオデッセイその他でホンダそのものがRVブームの新たな旗手になっています。
結局、ホンダ社内に「過去の栄光よもう一度…原点に帰ればまたデートカーとして売れるかもしれないじゃないか?」という人がいたのかもしれませんが、もちろんそんな事はなかったので、ただのマイナー車として2001年には消えていきました。
新車販売当時でも珍しく見かけると「まだ買う人がいたのか!」とビックリするようなクルマで、4代目以上にマイナーでしたが、これも「いいクルマではあるんだけどな…欲しがる人がいれば」という感じで、今ならむしろ乗ってみたいという人、案外いそうです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...