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「“スケベノブ”こそデートカーの本質?」「王座を奪われた3代目」男の欲望とロマンが詰まったホンダ プレリュード【推し車】

2ドアクーペがデートカーとして人気だった時代の定番車種

男もクルマも「夜にしか見せない顔」に女はドキドキ…という時代が40年前にはありまして

男女平等、LGBT、行き過ぎとしか思えない性表現狩りなど、真面目な人から愉快犯まで、はたまた利権争いまで絡みそうな物議をかもす男女の問題ですが、それでも男が女をデートに誘うならこんなクルマ…という話題は尽きません。

今だと外車やSUVが一番人気という事になりそうですが、かつてはスポーティな2ドアクーペがデートカーとして人気という時代もあったものです。

今回はMOBY編集部がAIに聞いてみた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」の中から、2代にわたる人気で1980年代を代表するデートカーといえる、2代目/3代目のホンダ プレリュードを、あくまでデートカーとしての視点を中心に紹介します。

最新「プレリュード」中古車情報
本日の在庫数 20台
平均価格 212万円
支払総額 60~425万円

「スケベノブ」こそ本質!2代目プレリュード(1982年)

走りや豪華装備はさておき、スマートさと程遠かった2代目から一転、ロー&ワイドの軟派なデートカーになったプレリュード

ホンダが初のFFスペシャリティクーペとして開発、日本ではスポーティ路線の新販売系列として1978年に誕生した「ベルノ店」のフラッグシップモデルとして、同年に発売された初代プレリュード。

FF車としては優れたハンドリングや、サンルーフ、高級内装などで歴史的名車とされる事もありますし、海外では人気だったものの、国内市場ではハッキリ言って泣かず飛ばず。

時期的にクサビ型の「ウェッジシェイプ」や、車体表面を平滑化する「フラッシュサーフェス」といったデザイン手法が使えなかったとはいえ、シビックやアコードを引き伸ばしただけに見えなくもないデザインは、日本人ウケしませんでした。

しかし2代目にモデルチェンジした1982年、新しいデザイン手法が使えるようになっていていましたからプレリュードは思い切ってボンネットを低く下げ、リトラクタブルヘッドライトを備えた「カックィ~!!」と言わせるクーペに大変身!

DOHCだ、ターボだと他社が気合を入れているのを横目に、エンジンは平々凡々な1.8リッターCVCCのデュアルキャブエンジンでしたが、別にレースやラリーでテッペンを狙うでなし、カッコよければ何でもいいのです。

昼は鋭く空気を切り裂き、夜にはパカッと開いてにらみつける、リトラクタブルヘッドライトによるフロントマスクの「昼と夜の二面性」は、デートカーの演出にも一役買いました。

そして、夜に人目のつかない場所で停められたプレリュードの車内では、運転席の男性が、運転席側についているレバーで、デートのお相手を載せた助手席をパタンとリクライニング…ああ、これ以上は書けませんね?

そりゃ4輪ABS(当時のホンダでは「ALB」と呼んだ)や、後期型の2リッターB20Bエンジン、プレイベーターによるツーリングカーレースといった、ハイテクだのスポーティだのといった話題はあります。

しかし2代目プレリュードに求められた役割、そして大ヒットした最大の理由といえば、世のカップルにとって無粋や野暮になりがちな操作から開放した通称「スケベノブ」による、「男と女のロマン」にほかならないでしょう。

国も少子高齢化対策を本気で進めたいなら、スケベノブの標準装備くらい考慮すべきでは?

ナントカの同意書も、コネクテッドカー時代なら車内で一発送信できそうですし。

クールな「アートフォース」に敗れた男のロマン、3代目プレリュード(1987年)

スタイリッシュな姿にリファインされつつ、「誰が見てもプレリュード」とわかるデザインで大ヒットし、それゆえにS13シルビアに敗れた3代目プレリュード‥今ならFF車でこんな低いボンネットは無理!

1987年にモデルチェンジした3代目プレリュードは見ての通り超キープコンセプト!

量産乗用車では世界初の機械式4WSなんて、当時流行の最新装備、どうせ使ったところで大した恩恵なぞありゃしませんが、それでハクがつくなら何でもありというだけです。

やはり本質はデートカー、それも「人気のプレリュードの最新モデル」ですから、2代目より3代目でナンぱした方がはかどるというものでして…ちなみに発売当時の筆者はまだ13歳でしたから、世の中にはそれよりもっと大事なことがある!などと夢見がちですが。

どのみち5年もたてば大事なコトとは男と女の話(実際には5年もかかりませんでしたが)、筆者より年配な50代の読者の青春時代ならば、なおさらでしょう。

4輪ダブルウィッシュボーン独立懸架サスは、走りというより滑らかな走りと乗り心地の良さを、エンジンを傾けてまで先代よりさらに低く下げたボンネットは、より「デキる男」のイメージを(こういうのは理屈じゃないので…)。

かくして2代目がドン臭く見えるほどカッコよくなった3代目プレリュードも大ヒットしましたが、その栄光は長続きしませんでした。

1年1ヶ月ほど遅れた1988年5月にモデルチェンジした5代目S13系の日産 シルビアが、「アートフォース」をキャッチコピーに大人の恋愛を描いたCMで若い男女のハートをつかむと、もうプレリュードなんて古臭くてたまりません。

2代目からの正常進化、超キープコンセプトがアダとなり、新しい美しさに自分たちの未来を見た若者は殺到、これまたFRレイアウトのスポーツカー、HICASによる運動性といった面とは全く関係なく人気となったシルビアに、デートカーの玉座を奪われました。

ちょうどバブル時代真っ盛りになろうという頃で、オモチャみたいなギミックよりは、なまめかしく、クールなデザインが大人の恋愛には必要とされたのでしょう。

その後のプレリュードは、4代目でアメリカンスポーツスタイル、5代目で3代目に回帰したようなスタイルと試行錯誤するも、二度とスターダムに復帰することはなく、ある年代にとって青春時代の1ページを飾るのみのクルマになったのでした…。

それだけでも、スゴイことなんですけどね。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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