クルマの窓開けタバコは「ながら運転」で違反行為に？警察関係者の回答は？

近年、スマートフォンなどの「ながら運転」が問題視されており、令和元年には運転中の携帯電話使用等の罰則が強化されました。

一般的に「ながら運転」とはスマートフォンや携帯電話の使用を指します。『ながら運転は禁止！』という言葉をよく耳にするようになりましたが、では、運転中にタバコを吸うことはどうでしょうか。

実際タバコを手にしながら運転する人を目にすることはよくあります。運転中の喫煙は、「ながら運転」に該当したりするのでしょうか？

運転中の喫煙は違反にはならない？

運転中にタバコを吸うこと自体は違反ではなく、その行為に対しての罰則も特にありません。

そもそも車種によっては灰皿が装備されていることもあり、ディーラーなどでも灰皿が販売されています。運転中のタバコは飲食と同様、大目にみられているというのが現状です。

とはいえ、必ず違反にならないというわけではなく、運転に支障が出ると判断された場合は検挙される可能性もあります。

警察関係者によると「運転中の喫煙自体は違反ではないが、喫煙によって脇見運転などをしている場合は安全運転義務違反に該当する可能性がある」とのこと。

道路交通法第70条では「ハンドルやブレーキを確実に操作し、道路・交通・車両状況を判断して他人に危害を加えない速度や方法で運転すること（安全運転の義務）」が規定されています。

つまり、喫煙によって前方不注意や安全不確認と判断されれば、検挙される可能性もゼロではないということです。

タバコのポイ捨ては違法行為

タバコを吸うこと自体は違反ではありませんが、吸い殻を窓からポイ捨てすることは違反となります。

道路交通法はもちろんのこと、軽犯罪法や廃棄物処理法にも抵触する行為です。いまだに吸い殻を窓からポイ捨てする人がいますが、法律違反であることを認識すべきといえます。

また、タバコを持った手を窓の外に出し、灰を落としている人もいますが、これは周囲へ迷惑をかける行為です。

飛んできた灰が車に当たることがありますし、こちらも窓を開けていれば煙が車内に侵入してくることもあります。これはタバコが嫌いな人にとっては非常に不愉快なものです。

歩行者や自転車からしてみても危険な行為であり、火傷のおそれなどもあるため、窓から火のついたタバコを出すことはやめましょう。

運転中の喫煙は違反でなくとも危険性はある

現段階では、運転中の喫煙自体が禁じられているわけではないため、喫煙によって検挙されることはほぼないでしょう。運転中の喫煙を取り締まることになれば、飲食なども取り締まりの対象になることが考えられるため、実際にはなかなか難しいかもしれません。

とはいえ、一定のリスクがあることは認識すべきです。紙タバコであれば「タバコを取り出す→タバコをくわえる→火をつけて吸う」という行為の間に、よそ見をする瞬間があります。

例えば、車の速度が40km/hの場合は1秒間に約11m、60km/hであれば約17m進むとされています。”たった1秒”の間にこれだけの距離を進むため、『少しだから大丈夫』『直線道路だから大丈夫』などという考えで、よそ見をすることは危険です。こういったところでの認識の甘さが、事故につながる可能性もあります。

現状では「ながら運転」には該当しないようですが、運転中の喫煙を禁止している国もあるため、いずれは日本でも禁止されることがあるかもしれません。

そもそも「灰を外に落とす」「ポイ捨てする」など、マナーの悪い喫煙者がいることが、『運転中の喫煙も禁止すべき』という声が上がる一因になっているようにも感じます。

一部のマナーの悪い喫煙者によって、喫煙者全体の肩身はさらに狭くなっていきます。タバコを吸うのであれば安全であることを確認し、周囲に配慮するなど、モラルのある行動が必要です。

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