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フラッグシップとは?意味と各自動車メーカーの最新フラッグシップモデルを紹介
フラッグシップとは?
「フラッグシップ」とは元来、海洋艦隊における指揮官が乗る船を指す言葉であり「flag ship(旗を掲げた船)」の和訳どおり、その意味は「もっとも象徴的な船」です。それになぞらえ、マーケティング等ではもっとも代表的な商品や店舗などに「フラッグシップ」という言葉が使われます。
自動車においては、販売台数や人気に関わらずメーカー単位もしくはボディタイプ単位でもっとも大型で高額な車種が「フラッグシップモデル」と呼ばれます。
以前は、もっとも高額な大型セダンがフラッグシップモデルの中核として認知される傾向にありましたが、現在はセダンを販売していないメーカーも多いため、もはや大型セダン=フラッグシップモデルの図式は成り立っていないです。
セダンが減った代わりに他のボディタイプでのラインナップが増え、現在ではそれらの階級表現として「フラッグシップSUV」「フラッグシップミニバン」という言葉もよく聞かれるようになりました。
フラッグシップとハイエンドの違い
フラッグシップに似た言葉として「ハイエンド(high end)」が挙げられます。日本語で「上端」を意味するとおり、車における「ハイエンドモデル」とは最上級車種や最高性能車種を指します。
「ハイエンド」と「フラッグシップ」は意味が重複する部分があるものの、フラッグシップモデルは象徴としての存在感を高めるために高性能が与えられた車であるのに対し、ハイエンドはあくまで特定の性能そのものを引き合いにした場合の最上級車です。
そのため、自動車におけるハイエンドモデルは、高い走行性能を誇るスーパースポーツカーや、クオリティを追求した超高額のラクジュアリーカーなどによく用いられます。
ただし、ハイエンドモデルはボディサイズとの関連はないため、すべてのハイエンドモデルがフラッグシップモデルに該当するとは限りません。
メーカーの象徴的な存在感と、車種としての実利的な性能のどちらに焦点をあてるかが、フラッグシップとハイエンドのもっとも大きな違いといえるでしょう。
各メーカーの最新フラッグシップモデルの車
トヨタ クラウン
あくまで大衆向け自動車メーカーであるトヨタを象徴するのは、新車価格2,000万円以上のショーファードリブンであるセンチュリーではなく、1955年に登場した初代から実用性を備えた高級車として製作されているクラウンといえるでしょう。
2022年7月に登場した現行16代目クラウンには複数のバリエーションが用意され、その第1弾として登場したのはセダンとSUVを融合させたクラウン クロスオーバーです。フラッグシップの大本命といえる新型クラウン セダンが登場するまではクラウン クロスオーバーをフラッグシップモデルに据えるのが妥当といえます。
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本日の在庫数 147台 平均価格 382万円 支払総額 38~903万円
日産 アリア
長年フラッグシップとして君臨し続けたシーマやフーガが生産修了した現在、日産のフラッグシップモデルはボディサイズの繰り上がりでスカイラインになるのが妥当といえるでしょう。
しかし、電動パワートレイン開発にも注力してきた今の日産を象徴するフラッグシップモデルはクロスオーバーEVのアリアが相応です。
2020年7月に発表されたアリアのボディサイズは全長4,595×全幅1,850×全高1,665mm。やや小柄ではあるものの、車全体の上質感とモータードライブによる静粛性は、日産のフラッグシップモデルとして十二分に高いレベルにあります。
ホンダ シビック
ホンダ レジェンドやNSXに加え、アコードまでが国内での販売を修了した現在のホンダのフラッグシップモデルを強いて挙げるとすればシビックになります。
フラッグシップの是非はともかく、ホンダの象徴という意味では最長寿モデルであるシビックおよびシビック タイプRがホンダブランドをもっとも体現しているモデルであるのは疑いようがありません。
2022年11月に北米でフルモデルチェンジした11代目アコードが日本へ導入されれば、アコードがそのままフラッグシップセダンの座に収まることになるでしょう。
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本日の在庫数 573台 平均価格 266万円 支払総額 48~1,082万円
三菱 アウトランダー(PHEV)
1990年代の三菱は、ギャランやデボネア、ディアマンテなどの大型セダンをフラッグシップモデルに据えていましたが、現在は5〜7人乗りのミドルサイズSUVであるアウトランダーが三菱のフラッグシップモデルに該当します。
アウトランダーは、2021年と2022年連続でPHEV国内販売台数No.1の座を獲得しており、プラグインハイブリッド市場を牽引してきたモデルです。2021年12月にフルモデルチェンジし3代目となったアウトランダーはPHEVモデルのみに1本化され、現在の三菱オフロードスポーツとPHEVの両方のイメージリーダーとなっています。
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本日の在庫数 690台 平均価格 367万円 支払総額 90~596万円
スバル レガシィ アウトバック
4WDの礎を築いたスバル レオーネを承継するレガシィが長年続くスバルのフラッグシップモデルです。ただし日本では、セダンが6代目を最後に販売されていないため、クロスオーバーSUVのレガシィ アウトバックが現スバルのフラッグシップを担っています。
6代目以降のレガシィは大型化によりフラッグシップモデルとしての風格もアップ。レガシィは、初代から水平対向エンジンとシンメトリカルAWDでスバルのラインナップを強力に牽引してきたモデルであり、「先代から受け継がれるもの」を意味する車名がそれを物語ります。
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本日の在庫数 461台 平均価格 208万円 支払総額 31~489万円
マツダ MAZDA6
豊富なSUVのラインナップに隠れがちではあるものの、アッパーミドルセダンのMAZDA6が正真正銘マツダのフラッグシップモデルです。
フラッグシップセダンの座は1993年に登場したユーノス 800(マツダ ミレーニア)の生産修了以降、ミドルサイズセダンのアテンザへと引き継がれ、2019年7月からMAZDA6と車名を変えて現在も販売されています。
2022年12月のマイナーチェンジで、2.5Lガソリンターボモデルやマニュアルトランスミッションが廃止となってしまったものの、走行性能の向上や運転支援機能、快適装備などのアップデートはフラッグシップモデルらしく、しっかりと行われています。
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本日の在庫数 35台 平均価格 262万円 支払総額 178~399万円
スズキ エスクード
ミドルセダンであるスズキ キザシが2015年10月に生産修了してからは、コンパクトSUVであるエスクードが事実上のフラッグシップを担っています。
現行型エスクードのボディサイズは全長4,175×全幅1,775×全高1,610mm。ボディサイズではミニバンのスズキ ランディの方が大きいものの、他社のOEMであるためスズキの象徴とは呼ぶのはためらわれます。
国内小型車市場での高い知名度はもとより、インドでの業績も好調なスズキを象徴する車は、逆輸入車であるエスクードが現状もっとも相応しいといえるでしょう。
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本日の在庫数 227台 平均価格 205万円 支払総額 59~375万円
ダイハツ ロッキー
車格で決めるならダイハツのフラッグシップモデルは、トヨタ カムリのOEMであるダイハツ アルティスになりますが、軽自動車のトップシェアを誇るダイハツの象徴にもっとも相応しい車はダイハツ タントです。しかし、軽自動車のタントではフラッグシップモデルとしての権威性に欠けるといわざるをえません。
そのため、ダイハツのフラッグシップモデルはロッキーを据えるべきでしょう。ロッキーはトヨタとの共同開発車両とはいえ、その主導はダイハツです。軽自動車づくりのノウハウを活かし、全長4m以下、全幅1.7m以下のサイズに留めながら大人5人がしっかり乗れるロッキーの優れたパッケージングは、ダイハツの省スペース技術の賜物といえます。
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本日の在庫数 1045台 平均価格 205万円 支払総額 104~315万円
レクサス LS
LSは、名実ともにレクサスのフラッグシップモデルであり、同時にハイエンドモデルと呼んでも差し支えない性能と上質感が与えられています。その代わり、メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズなど欧州メーカーのフラッグシップセダンへの対抗馬として、車両価格も1,000万円以上と非常に高額です。
2017年10月に登場した5代目は、旧来のV8からV6エンジンへ変更されたものの動力性能は十分。全長5,235×全幅1,900×全高1,450の堂々たるボディサイズや、金沢プラチナ箔や京都西陣による日本の伝統芸能を取り入れた内装など、その一切が妥協なく仕上げられています。
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本日の在庫数 1226台 平均価格 345万円 支払総額 50~1,611万円
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- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
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- 鈴木 ケンイチ
- 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...