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トランスミッションの意味と仕組み全種類まとめ!AT・MT・CVT・DCT・AMTとは?

トランスミッションとは?

トランスミッションは、様々な大きさの歯車や軸などで構成され、エンジンから出力される駆動力(エネルギー)を車輪へと伝える装置のことです。変速機とも言われています。

トランスミッションにはギアと呼ばれる機構があり、自動車の走行状況に応じてギアを段階的に変更することで必要な駆動力を作り出します。

MT車では画像のようなレバーを手動で操作することで、ギアを変速させる。

ギアには1速、2速など段階があり、低いほど回転数が少なくなり力が強く、高いほど回転数が多くなり力が弱くなります。走り出しや低速走行時には低いギア、高速走行時には高いギアを使用します。車は走行のためにギアを変速し、状況ごとに駆動力を調節します。

ギアの役割の例

一般的なMT車とAT車で比較した表です。車種によってはギアの名称や数が異なる場合があります。

MTAT役割
1速L(ロー)坂道などを登る時
MT車の場合は走り出し時も
2速2または
S(セカンド)
坂道などを登る時
3速D(ドライブ)通常走行時
4速
5速高速走行時
6速
N(ニュートラル)N(ニュートラル)緊急時など
P(パーキング)駐車時
R(リバース)R(リバース)バック走行時

MTとATのギアは、それぞれ上記表のように対応しています。ATは1速・2速も含め、すべてDでカバーしているため、平地を走行する際はLと2(またはS)を使用することはありません。

Lや2を使用するのは、坂道などを走行したり、エンジンブレーキを効かせたい時です。

各レンジの詳細に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

シフトノブの交換方法&人気ランキング|シフトレバーの各レンジの意味は?

【それぞれの意味】AT・MT・CVT・DCT・AMTとは?

ATオートマクラッチペダルがなく、
アクセルとブレーキのみで
操作する車。
またはそのトランスミッション
MTマニュアルギアチェンジのときに、
ドライバーがクラッチペダルを
踏んで操作する車。
またはそのトランスミッション
CVT無段変速ATの機構方式の一種。
クラッチの代わりに、
プーリーとベルトなどが
連続的にシフトを可変させる
DCTデュアルクラッチATの機構方式の一種。
2つあるクラッチの操作が
電子制御により自動で行われる
AMTセミオートマMTの機構方式の一種。
MT車のシフトチェンジを
自動化したもの

トランスミッションによる音の違いを聞いてみよう

動画では以下の順番でトランスミッションの音を確認できます。

  1. 6DCT
  2. CVT
  3. 4AT
  4. 5MT
  5. CVT(Prius1)
  6. CVT(Prius3)
  7. 1AT(EV)

【免許の条件】AT・MT・CVT・DCT・AMTはAT限定免許で乗れる?

AT限定免許での運転クラッチの有無クラッチペダル
操作の有無
AT×
MT×
CVT××
DCT×
AMT×

MT車以外は全てAT限定免許で運転できる!DCTもAMTもOK

日本においては、手動でのクラッチ操作(=クラッチペダル)がない車はAT限定免許で運転可能なため、「MT」車以外は全てAT限定免許で運転できます。

仕組み上はトルコン式のAT車や、DCT、AMTはクラッチがある変速機ですが、クラッチ操作は電子制御で自動化されているため、AT限定免許で乗ることができるというわけです。

AT(オートマチック・トランスミッション)とは?

オートマチックトランスミッションの車
© Wilson. P/stock.adobe.com

オートマチックトランスミッションとは、ギアチェンジを自動で行う機構を採用した変速機のこと。

一般に、アクセルとブレーキのみで操作する車は、クラッチの有無に関わらず「AT車(オートマ車)」と呼ばれますが、後述するDCTやAMTを採用する車でも、ドライバーがクラッチ操作を行わないことからAT車と認識されています。

ATはいくつかの機構方式に分類され、後述するDCTやCVTもそのひとつに含まれます。現在、自動車の開発や販売用のカタログにおいては、トルクコンバーター式のトランスミッションを採用する車に「●速AT」という表記が用いられます。

トルクコンバーター式ATの仕組み

トルクコンバーターはオイルの流れを利用したクラッチの機構で、流体式クラッチとも呼ばれます。MT車のクラッチに相当する部分が、封入されたオイル(オートマチックフルード)になっている機構です。

トルコンとも略され、MT車が主流でAT車が少なかった1980年代~90年前半頃まではAT車も「トルコン」と呼ばれていました。

トルコンはエンジン(動力)とギア(変速機)の間に組まれており、エンジンの動力をオイルの流れによって変速機へ伝えます。扇風機を向かい合わせに置いて、一方の電源をONにして向かい側の扇風機の羽を回すようなイメージです。

「オートマチック」と呼ばれるゆえんは、エンジンの回転数に合わせてトルコンがギアチェンジを連続的に行ってくれるため。ドライバーのアクセル操作にトランスミッションが自動的に合わせてくれる仕組みになっているからです。

トルクコンバータとは?トルコンの構造・仕組みやメリットまで

トルコンATのメリットとデメリット

メリット

  • 発進がスムーズ
  • 変速がスムーズ

デメリット

  • 伝達効率が悪く燃費がやや悪い
  • MTのようなダイレクト感がない

多段化が進むAT。高級車を中心にまた主流になってきた

かつてトルコン式ATのギア数は「4速AT」「6速AT」などが主流でした。しかし近年は「8速AT」「10速AT」といった多段式トルコンを採用するメーカーが増えてきています。

もともとCVTは滑らかな変速が得意な一方で、キビキビした走りを好むユーザーには物足りないという側面がありました。とはいえ後述するDCTは自動クラッチ操作によるギクシャク感があり、乗り心地も重視したいユーザーにはあまり響きません。

そこで、ギアチェンジが滑らかで乗り心地もよいトルコン式ATを多段化し、キビキビした走りをも可能にした新型車が登場してきました。

多段式トルコンATのメリットは前述のとおりですが、機構が複雑化し開発コスト、部品代がかさむことや、トランスミッション自体が大きくなるためコンパクトカーへの搭載は不向き。

そのため、ある程度ゆとりのあるボディサイズを持ったラグジュアリーカーやプレミアムカーへの導入が基本です。

MT(マニュアル・トランスミッション)とは?

マニュアルトランスミッションの車
©Wilson. P/stock.adobe.com

マニュアルトランスミッションとは、ドライバーが手動でギアチェンジを行う必要がある変速機のこと。MTを採用した車は「MT車(マニュアル車)」のほか「ミッション車」とも呼ばれています。MTの歴史はATよりも古く、かつては多くの車に採用されていましたが、現在では新車に採用するメーカーが少なくなっています。

MT車はエンジンの回転数に合わせて、ギアを自分で変更する必要があります。ギアの変更はシフトノブとクラッチペダルで行います。現在のMT車は、ギアチェンジのとき1回クラッチを踏むだけの「フルシンクロメッシュ・マニュアルトランスミッション」という機構を採用しています。

MTのメリットとデメリット

メリット

  • 燃費が良い
  • ダイレクトな運転フィール

デメリット

  • 操作が複雑
  • DCTには変速スピードが劣る

マニュアル車(MT車)の運転方法・出発手順を復習【動画付き】

ダブルクラッチの意味とやり方!マニュアル車のノークラッチシフトチェンジとは?

CVT(無段変速機)とは?

トヨタのCVTエンジン

CVT(Continuously Variable Transmission:連続可変トランスミッション)とはATの機構方式の一種です。クラッチ(歯車)自体を用いず、プーリーとベルト(またはチェーン)により連続的に変速を行うため、「無段変速機」とも呼ばれています。もちろん、運転席にはクラッチペダルがありません。

エンジン側とタイヤ側それぞれにプーリーがあり、プーリーがベルトを挟み込む力を調節してプーリーの外径を変化させます。また、プーリーとベルトの摩擦抵抗を利用してクラッチと同じ機能を持たせています。

トルコン式のATと比較してパワーロスが少ないため、高い運動効率と高い燃費性能がメリットです。現在、日本のAT車はCVTを採用する車種が主流となっています。

CVTのメリットとデメリット

メリット

  • 燃費が良い
  • ギアがないため変速ショックがない

デメリット

  • 高回転域、大トルクの車に採用できない
  • サイズが大きく重量がある

日本車にCVTが多いのは道路事情に合っているから?

現在の日本車の多くのトランスミッションにはCVTが採用されています。

自動車の歴史はMT車から始まりましたが、さまざまなトランスミッションが開発されるなか、市街地走行が中心で信号での停止&再スタートが多い日本の道路では、MT車のドライバーや乗員に負担が大きいと判断されるようになりました。

対してアクセルとブレーキのみで操作できるCVTは、変速のスムーズさはあるもののキビキビさが今ひとつということで、道が広く長距離走行の多い欧州では定着しませんでした。

現在、CVTは日本の道路状況に合っているだけでなく、低コストや燃費性能を両立しているため、多くのメーカーの多くの車種に採用されているというわけです。

CVTとは?仕組みと構造からメリット&デメリットまで

DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)とは?

デュアルクラッチトランスミッション

DCT(Dual Clutch Transmission)とは、ATの機構方式の一種です。奇数ギアと偶数ギアとでクラッチが1つずつ、合計2つのクラッチを備えています。クラッチ操作は電子制御により自動で行われるため、運転席にはクラッチペダルがありません。

2つのクラッチのうち一方を次の段で接続状態にしておけるため、トルコン式ATやクラッチが1つのMTと比べて素早い変速ができることがメリットです。そのため、シフトチェンジのタイムラグが少なくなり、スムーズで振動の少ない加減速を可能にしています。

DCT搭載車は、ブレーキを離しただけでゆっくり加速する、AT車特有の「クリープ現象」がない車のが基本です。(※最近は疑似的にクリープ現象を再現したDCT車も多くなっているので、以前よりはATからの乗り換えでも自然な運転ができるようになっています)

DCTのメリットとデメリット

メリット

  • 燃費が良い
  • 瞬時に変速が可能

デメリット

  • 発進時にギクシャクしやすい
  • 部品点数が多くなりコストが高い

DCTは登場当初クルマ好きを唸らせたが、多段ATの台頭で下火気味に

DCTは、ダウンサイジングターボを搭載したキビキビした走りと高い燃費性能がウリの、フォルクスワーゲンやアウディなどの欧州コンパクトカーに採用されたことで一躍注目を集めたトランスミッションです。

トルコン式のATよりも変速を素早く行えるうえ、ダウンサイジングターボターボラグを少なくできるDCTは登場当初、ホットハッチやコンパクトスポーツモデルを好むクルマ好きの注目を集めました。

しかし、クラッチ操作特有のギクシャク感や、通常のMT車やトルコン式ATに比べて部品数が多くコストがかさむことなどのデメリットもあり、一般ユーザーへの認知・浸透はイマイチと言ってよいでしょう。現在は後述の多段トルコン式ATも登場したことで、メインの機構方式からは遠ざかっています。

DCTとは?仕組みと構造からメリット&デメリットまで

AMT(セミオートマ・トランスミッション)とは?

AMT(Automated Manual Transmission)とは、ATの機構方式の一種です。英語の直訳は「自動化されたMT」ですが、日本では「セミオートマ」という名称で広く知られています。

基本的な機構はMTと同じですが、クラッチ操作とシフトチェンジを電子制御、自動化したものです。

DCTと同じくAMT搭載車は、ブレーキを離しただけでゆっくり加速する、AT車特有の「クリープ現象」がないのが基本です。(※最近は疑似的にクリープ現象を再現したDCT車も多くなっているので、以前よりはATからの乗り換えでも自然な運転ができるようになっています)

シーケンシャルミッションとは?構造とメリット・デメリットを解説!市販車はある?

AMTではスズキの「AGS」が有名

日本車においてはスズキの「AGS(オートギアシフト)」がAMT採用例として有名です。AGSはコンパクトな車体との相性がよいため、軽量で低燃費なAT車を低コストで開発できるのです。

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日本車の主流はCVTだが、今後は多段式ATも増えそう

クラッチペダル操作がない車は、原則どんなトランスミッション形式であってもAT限定免許で運転することができます。

現在の日本のAT車のトランスミッションの主流はCVTですが、トルコンの開発が進み、従来よりも優れたATが登場してきています。

コストや燃費の面ではコンパクトカーのトランスミッションは従来通りCVTがまだまだ根強く残りそうですが、高級車を中心にCVTから多段式ATへとシフトする流れが見られます。

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MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
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