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レガシィB4

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「4ドアセダンだってこうすりゃ売れる!」国産5ナンバープレミアムセダンの傑作・3代目スバル レガシィB4【推し車】

おそらく国産唯一であろう5ナンバープレミアムセダン

5ナンバーの小型車登録でありながら、しっかりプレミアムセダンとしてのブランディングに成功した「小さな高級車」、3代目レガシィ「B4」

「もう4ドアセダンなんて売れない」…1990年代RVブームでSUVミニバン、トールワゴン、ステーションワゴン(これもミニバンにとって代わられましたが)が新世代の乗用車として認知されてすっかり衰退したセダンですが、やりようによってはまだ売れました。

それがクーペ同様に思い切った趣味車への転換…つまりスポーツセダン化と、高速・長距離移動を快適にするプレミアムセダン化でしたが、その双方を充実させつつ、5ナンバーサイズに留まり、それでいて安全性も快適性も満たしたのが3代目レガシィの「B4」。

おそらく、真の意味で「小さな高級車」を完璧に実現した唯一の国産セダンだと思われますが、2代目までの廉価グレードを廃止するなど、思い切ったラインナップの整理でブランディングにも成功しています。

MOBY編集部がAIに聞いた、「30〜50代のクルマ好きが気になる名車」にノミネートされるのも、当然でしょう。

パッとしなかった2代目から、上澄みだけをすくったセダン

STi(当時)チューンの高性能コンプリートカー、S401もあった。©STI

スバル レガシィといえば、まず思いつくのは初代からレガシィツーリングワゴンが「ステーションワゴンブームの火付け・牽引役」であり、次に初代セダンのRSは「WRCに初めて本格参戦したグループAラリーマシン」としても有名です。

しかしラリーマシンとしての役目をインプレッサWRXに譲った2代目レガシィのセダンといえば地味そのもので、シーケンシャルツインターボでインプレッサと差別化した2代目レガシィRSなど、街で見かけることすら稀な話。

それもRVブームでセダンが売れないから仕方ない…かといえば、順調に売れているインプレッサWRXは何なのだという事になりますし、レガシィも1.8リッターの廉価グレードなどやめて、プレミアム感のあるグレードだけ残そう、というのは正常な判断でしょう。

そもそも安いビジネスセダンならインプレッサの廉価グレードでいいわけで、3代目レガシィセダンは2リッター水平対向エンジンEJ20のDOHC自然吸気版「RS」と、同シーケンシャルターボの「RSK」のみにグレード整理。

存在感が大きいツーリングワゴンに対し、レガシィセダンでは地味過ぎる…と考えたか、「レガシィB4(※)」と車名からプレミアム感を前面に打ち出し、1998年10月にワゴンのモデルチェンジから半年遅れで再出発したのです。

(※B4はBoxer4…水平対向4気筒と、イタリア語でベルリネッタの4ドア…4ドアセダンという2つの意味をかけている。)

ワゴン同様にポルシェデザイン監修の「ブリッツェン」も設定

B4が先行した特別仕様車「ブリッツェン」は、デザインや装備もさることながら、塗装次第で高級感が上がる事を教えてくれた

B4というサブネームを与え、上級グレードのみ残すことで「人気があるワゴンのベースモデルではなく、ワゴンと同格」として扱い、ユーザーにも受け入れられたレガシィB4。

驚くべきことにボディサイズは5ナンバーサイズを堅持しており、エンジンは2リッターでしたから当然5ナンバー登録、それでいながら内外装の質は高く、高速長距離巡航での快適性も高いプレミアムセダンでした。

3ナンバー車が当たり前になって以降の国産5ナンバーセダンではおそらく唯一の、「小さな高級車」を実現したレガシィB4ですが、それだけに留まりません。

自動車メーカーとして名車を輩出しつつ、チューナーやデザインスタジオとしての顔も持つポルシェAGから独立したデザイン部門、「ポルシェデザイン」が監修したエアロカスタム「ブリッツェン」が、2000年2月にB4RSKの特別仕様車として発売されたのです。

後にツーリングワゴンも加えて毎年のように設定された「ブリッツェン」ですが、最初はB4専用だったところに、当時のスバルがいかにレガシィB4のブランドイメージを高めようと努力していたかが伺えます。

単にエアロパーツを組むだけでなく、軽量アルミボンネットやMT車のフロントにはヘリカルLSDを装備、塗装も通常モデルより厚く塗られており、特に専用カラーでは独特の深みがある色合いがプレミアム感を増していたものです。

3リッターフラット6のRS30も追加!

3リッターフラット6を積む5ナンバーボディのセダンなんて、今考えれば超贅沢の極み!3代目レガシィB4 RS30。

当初はツーリングワゴンと異なり2リッター車のみで、5ナンバープレミアムセダンである事にこだわっているように見えたレガシィB4ですが、2001年5月にはワゴンに元から設定されていた2.5リッター自然吸気エンジン車を追加(もちろん3ナンバー車)。

さらに2002年1月には、1996年に廃止されたアルシオーネSVX以来となる水平対向6気筒エンジン、3リッターDOHC24バルブのEZ30を積む「RS30」を追加(ワゴンにも「GT30」として追加)。

同11月にはB4RSKベースでEJ20ターボの最高出力を293馬力に引き上げるなど、STi(現・STI)チューンのコンプリートカー「S401 STiバージョン」も400台限定で発売しています。

1990年代末から2000年代はじめといえば、トヨタですら一連の「セダンイノベーション」に失敗、いよいよ4ドアセダンなんてもう大型の高級車か、安いビジネス仕様くらいしか売れないぞ…という頃ですが、レガシィB4は力技でその定説を覆しました。

2003年にモデルチェンジした4代目以降、B4も含めレガシィは主要市場である北米からの要請で代を追うごとに大型・高価格化が進み、次第に日本では大きすぎるクルマになりますが、それだけに3代目レガシィB4には「小さな高級車」としての魅力が凝縮されています。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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