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「あのスバルが一度だけ作った最初で最後のリッターカー」今や忘却の特異点・スバル ジャスティ【推し車】

名車というより忘却の彼方?スバルの特異点、初代ジャスティ

スバルらしい「4WD」を売りにしてデビューしたリッターカー、初代ジャスティ

MOBY編集部がAIに聞いた、「30〜50代のクルマ好きが興味を持つ過去の名車」シリーズには時々、「ん?ホントか?」と言いたくなるクルマが登場しますが、今回紹介する初代スバル ジャスティもその1台。

ひと言でいえば「でっかいレックス」であり、1リッター、後に1.2リッター化される直列3気筒エンジンなど「ホントにスバル車?」と言いたくなる特徴にあふれたクルマではありますが、マニア心をくすぐる何かがあったかと言えば…思いつきません。

むしろ該当する年代の読者も含めて忘れがちな、初代「ジャスティ」を、今回は振り返ってみましょう。

最新「ジャスティ」中古車情報
本日の在庫数 71台
平均価格 130万円
支払総額 75~234万円

ジャスティ以前の国内向けコンパクトカーはスバル450のみ!

ジャスティはこの2代目レックスを拡大、輸出用2気筒エンジンを3気筒化してリッターカーとした

軽自動車のスバル360(1958年)で4輪車に参入、FFで水平対向4気筒エンジンを積むスバル1000(1966年)で現在のスバル車の原型を確立して小型車へ参入、初代レオーネ(1971年)でスバルらしい4WD乗用車を確立し、初代レガシィ(1989年)で近代化。

スバル車の略歴を簡単にまとめると、だいたいこんな感じですが、軽自動車とカローラ級の小型車の間を埋める国内向けコンパクトカーは、ほとんど作っていません。

初期に数少ない例外として、スバル360の排気量をちょっとだけ上げた(423cc)「スバル450」を1960年に発売し、1963年の第1回日本グランプリにも出場させていますが(結果はトヨタのパブリカに惨敗)、それっきり。

軽自動車よりちょっと排気量が大きくパワーがある程度で車体は同じ、税金も車両価格も高いのは購入するユーザーもないのは当然で、主に「マイア」の名で輸出用でした。

その後もレックスやサンバーに665cc直列2気筒エンジン(EK42)や、758cc直列4気筒エンジン(EN08)を積む輸出仕様はありましたが、もちろん日本国内では販売されていません。

リッターカーブームに乗り遅れるな!

見るからに「でっかいレックス」だったが、後のマイナーチェンジで顔が変わると、レックスのイメージは薄れる

しかし、1980年代に入ろうかという時期になると、スバル1000以来少しずつ車格アップ、1.3~1.8リッター級になっていたレオーネ(当時だと2代目)と、軽自動車の間を埋める車種がなく、現在のように提携他社からOEM供給というのも容易ではありません。

一方で他社はダイハツ シャレード(初代1977年)をはじめ、日産はマーチ(1982年)、スズキはカルタス(1983年)とリッターカーの開発情報が続々で、このままではスバル軽自動車から他社リッタカーへユーザーが流れ、そのまま帰ってこないという懸念が。

そこでスバルでも本腰を入れてリッターカーを開発しますが、その手法は2代目(1981年)からFF化されたレックスを拡大し、レックスの輸出用エンジンEK42(667cc)とボア×ストロークは同じまま1気筒追加したような997ccエンジン「EF10」を搭載。

後にダイハツやスズキも多用する方法で軽自動車ベースのリッターカーを開発し、「ジャスティ」として1984年に発売しました。

4WDはお手のもの、ECVTも初搭載するが…

ごく当たり前の実用ハッチバック車だったが、プレミアム路線に転じた後のスバルで軽自動車以外にこの種の後継車を独自開発する余力はなかった

当時のリッターカーとしては最後発になったジャスティですが、スペース効率と経済性重視でFFのみだったライバルに対し、当初から4WD(パートタイム式)を採用したのが特徴で、ベースのレックスが採用していたメカニズムをそのまま使えたのが強み。

4輪ストラット独立懸架サスもレックス4WDゆずりで、コーナリング性能にも期待を持てそうですが、実際のところはどうだったのか、筆者自身はジャスティを運転した事がないので、定かではありません。

動力性能は1リッターのEF10で47馬力、1.2リッターツインキャブのEF12で66馬力と大したものではなかったので、攻めた走りには非力なエンジンをギャイーン!と唸らせる必要があったはずです。

問題はレックスからの拡大時にフロアやサイドシルなどに適切な補強がなされていたかどうかで、後の軽自動車ベースコンパクトカーに剛性不足が目立つのを考えると、ジャスティにも同種の悩みがあったかもしれません。

1987年にはスバル自慢の無段変速機ECVTを初搭載、翌1988年にはビッグマイナーチェンジによるフェイスリフトで近代的なフロントマスクになって、「でかいレックス」の域を脱しますが、それでジャスティとしての進化はほぼ止まってしまいました。

ライバルがモデルチェンジする一方、初代レガシィの成功からプレミアム路線へと舵を切ったスバルには、たとえ軽自動車ベースでもジャスティ後継車を開発する余力はなく、当時提携していた日産との共同開発も実らなかったため、1994年で生産を終えています。

ヴィヴィオベースで拡大し、DOHC化したEF12にスーパーチャージャーを組んだ「ジャスティRX-R」でもあれば面白かったかもしれませんが、しょせんスバルの規模では無理な話だったのでしょう。

その後の「ジャスティ」がこちら

現在のジャスティはダイハツ トールのOEMで、2020年9月のマイナーチェンジ以降はグレード整理で1リッター3気筒自然吸気エンジンのみの設定となって、ある意味では初代ジャスティに近い形で先祖返りしている

初代の販売終了後も海外では「ジャスティ」を名乗るスバル車の販売が続きましたが、いずれもスズキやトヨタからOEM供給を受けたもので、2016年から販売している5代目(国内では通算2代目として復活)はダイハツ トールのOEMです。

スバル車としては比較的古く、中断期間はあっても長く続いている車名ですが、スバル純血としては初代のみ。

特に軽自動車の独自生産が終わってからは、スバル独自モデルとして復活する可能性は皆無だったものの、今後のEV時代にスバルが生き残っていく過程で、プレミアムコンパクトEVなど「スバル独自のジャスティ」が将来的に復活する可能性は、ゼロではありません。

もっともスバル自身、水平対向エンジンへの執着を原因として新時代の自動車メーカーとして存亡の窮地にあり、それを乗り切ることができれば、という但し書きつきになりますが。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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