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【三菱デリカD:5 試乗記】唯一の“クロカンミニバン”を見直してみた

ド迫力のフロントマスクばかりが注目されがちな三菱デリカD:5。実は中身はしっかりと進化していたのです。世界中探しても本格的なオフロードに対応できるミニバンは他にはありません。

フロントマスクはかく語りき

2019年2月にビッグマイナーチェンジを受けたデリカ D:5。発表と同時に大きく変わったフロントマスクに賛否両論、SNSでも大いに話題となってから早くもあと3ヶ月で丸1年が経過します。街でもちらほら見かけるようになりました。

今回の試乗車は、この三菱デリカD:5です。改めてこの車を見直していきたいと思います。

ドライブ中、歩行者からの視線を感じることは否めませんでしたが、少し離れてみるとそれほど強烈な印象はなくなるのではないでしょうか。

引きで撮影してみました。

いかがですか?

テレビCMやインターネット広告などは寄りで撮影されるため、メディアを介してみるとその独特な迫力の印象は強くなりがちですが。

この四隅がX字状のデザインは三菱自動車の「ダイナミックシールド」という名称がつけられ、他のモデルにも採用されています。

デリカD:5を全方位からもご覧ください。

試乗車は、最上級グレードの「P」。ボディカラーはエメラルドブラックパール×アイガーグレーメタリック。光の当たり方でエメラルド色の部分をうっすらと感じることができます。

試乗車の新車車両価格は、4,216,320円(税込/メーカー希望小売価格)。エメラルドブラックパール×アイガーグレーメタリックは有料色で43,200円(同)。

ボディサイズは、

全長:4,800mm
全幅:1,795mm
全高:1,875mm
ホイールベース:2,850mm

となっています。

でかいボディですが、最小回転半径は5.6m。日本の標準車をトヨタ プリウスとするなら、この最小回転半径は5.4m。比較すると見た目と裏腹な小回りの効き方をしますので、狭い駐車場でも取り回しの難しさを強く感じませんでした。

2018年11月のビッグマイナーチェンジでは、車の型式やエンジン形式が変更のないものですが、実質的な中身はフルモデルチェンジと同等レベル。このあたり、きちんとご存知なかった方も多いかと思い、変更点をダイジェストでお伝えします。

・エンジン大幅改良
 エンジンの主要構成物(ピストン、コンロッド、クランクシャフトなど)は新設計。実質的に新エンジンと言って過言ではない。軽量化され、排ガス浄化装置も現在の主流「アドブルー」へ。

トランスミッションを変更
 6速AT(ジヤトコ製)から8速AT(アイシンAW製)へ。

・電動パワステへ変更
 油圧パワステから電動パワステへ変更、三菱初採用のデュアルピニオン式と呼ばれる運転感覚に優れる方式へ。

・シャシーとサスペンションの見直し
 乗り心地の向上と走行安定性の向上へ。

改めてフロントデザインに注目

こうした荒れたところでは結構しっくりきませんか?

上部の細めのLEDライトは、ヘッドライトではありません。

ヘッドライトはこちらの下側になります。現代版「縦目へッドライト」です。昔のクルマにはイカした縦目がありました。気になった方は下記の記事をご覧ください。

ヘッドライトの点灯パターンについては後述します。

迫力があり「切れ味」抜群のフロントマスクですが、実はヘッドライト周りの開発は相当苦労したそう。

取り沙汰されたフロントデザインの陰に隠れてしまったような感は否めませんが、クルマとしての基本的な部分はしっかりと良くなりました。

『きちんと中身も見てね』とデリカD:5はかく語りき。

内装も良くなりました。

インパネのデザインが変わり、大画面のディスプレイが採用されました。試乗車の三菱 デリカD:5には、新採用されたベージュ色のファブリックシートが。座面と背面にダイヤモンド様式のキルティングが施され、ウッドパネルと相まって全体に高級感が演出されています。

多数の画像でご確認ください。

3列目シートはしっかりしている

ミニバンでありがちなお粗末な3列目シート。三菱 デリカD:5は、しっかりと作られています。後席シートのスライド量が十分にあり、人を優先させるか荷物を優先させるか、どちらにきちんと寄せることができます。

全シートのつくりはしっかりとしており、座り心地は上々。広さも十分。

国産ミニバン唯一のディーゼルエンジン

三菱デリカD:5は国産ミニバンでは唯一となるディーゼルエンジンを採用したモデルとなります。

排気量は2.2L(正確には2,267cc)、最高出力は107Kw(145ps)、最大トルクは380N・m(38.7kgf・m)を発生するクリーンディーゼルインタークーラー付きターボです。最高出力は3,500回転、最大トルクは2,000回転と低めのスペックとなっており、大柄な車体は登り坂でもグィグィと引っ張っていきました。

燃費は約2トン(試乗車の車両重量は1,960kg)というヘビー級でありながら、試乗時の郊外走行で13km/L前後、高速道路で16km/L前後と比較良好。高速道路で80~100km/hの速度域で丁寧に走れたときは18km/Lを記録しました。これは、WLTCモードの高速道路モードの数値、14.2km/Lを上回った結果となりました。対して都心の厳しい状況では10km/Lを切ることもあり、車重が災いした結果に。ただ、総じてカタログのWLTCモード燃費よりも良好な数値です。

乗り心地は重厚、しっかりとゆったりと衝撃をたっぷりと吸収してくれる印象を持ちました。

カタログスペック上の最低地上高は、マイナーチェンジ前の210mmから185mmへと変更となっていますが、三菱自動車担当の話によると、測り方の違いのためで、実質の最低地上高は変わっていない、マイナーチェンジ後はアンダーカバーが固定方式に変わりその分の数値を引いたため、とのことでした。


2WDと4WDの切り替えダイヤル

4WDシステムも改良、コーナリング時にカーブの外側へ走行ラインが膨らまないようにする制御が追加されています。

走行性能に刮目せよ!

以下の画像は、2019年1月に開催された、東京オートサロンで三菱自動車がデリカD:5の走行性能を来場者に体感してもらうためのブースで撮影。

三菱デリカD:5の高い走行性能に注目してください。

最後の2枚の画像、車は対角線上の2輪で接地している状態となり、その2輪を軸に大きく左右に揺れていました。しかし、デリカD:5はボディ剛性が高く、室内はミシリともいいません。

ミニバンでこのような芸当ができるのはデリカD:5とのこと。他のミニバンではやってはいけない、と現地にいた担当者が語っていました。

先進安全装備もしっかりと整っています。

衝突軽減ブレーキシステム、車線逸脱警報システム、先行車に追従できるレーダークルーズコントロールシステムといった令和時代の車にはもはやデフォルトとなった先進装備、安全装備はしっかりとデリカD:5に採用されています。

また、AWC(All Wheel Control …4輪のグリップを制御して舗装路はもとより雪道、ダートなどのさまざまな路面状況で高い操縦安定性をもたらす)、ASC(アクティブスタビリティコントロール…4輪のブレーキ、エンジン、4WDシステムを統合的に制御してスリップなど車の不安定な動きを制御)も装備されています。

この記事冒頭で撮影した河原では、なんら不安なく走行、しっかりと制御された感がありました。


キー(左)と、スライドドア開閉などのリモコン(右)

ライト点灯パターン


ロービーム。外側が点灯。


ハイビームは内側が点灯。


ウインカー。ハザードランプ点灯状態で撮影。

世界で唯一。三菱らしいクロカン・ミニバン

悪路走破性を重視した高い最低地上高をデフォルトで有する四輪駆動で居住性の高いミニバンをつくっているのは、三菱自動車だけ。

無骨なデザイン、良い意味で無骨なエンジンこれは三菱らしい「クロカン・ミニバン」ですね。

2019年1月~6月の新車登録台数は11,924台(自販連の統計による)。車種別順位では36位となり、国産車全体で160車種ほどあることを考えると、高い人気があると言えます。

なぜその人気があるのか、この記事を通じて新たな発見をすることができた試乗でした。

デリカD:5の息子さん、ekクロスにも試乗しました。下記の記事もご覧ください。

撮影・文:MOBY編集部 宇野 智

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