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ホイールベースとは?長い場合や短い場合のメリット&デメリットは?
ホイールベースとは
トヨタ・パッソのホイールベース


上の画像は2016年に発売された新型のトヨタ・パッソのホイールベースを表したものです。
前輪と後輪の中心の寸法として、「ホイールベース:2,490mm」と表示されている個所がありますが、これがホイールベースです。
トヨタ・パッソは、「トヨタ最小5人乗り」という先代と同じボディサイズを守りながらも、先代よりも広い室内空間を実現するために、ホイールベースを先代のパッソと比べて50mm長く設計されています。
ホイールベースとは何を指しているのか
ホイールベースとは、車を真横から見た時、前輪の中心から後輪の中心までの長さを指し、日本語では「最遠軸距」や「軸距」と表現されます。
ホイールベースは車によって異なり、その長短によって運転性能や室内空間など、車の特性を出すことができます。
ホイールベースの最近の主流
最近の車、特に国産車は「操縦安定性」・「居住性」等を重視する設計が主流になっています。
ホイールベースを可能な限り長く設計し、オーバーハング(前輪の車軸中心線から車両最前部、後輪の車軸中心線から最後部までの距離)を切り詰め、前後のタイヤが車体の隅に近い所にレイアウトされている車が多くなっています。
これによって、例えば軽自動車であっても、大人4人がゆったりと乗れるほどの室内空間の確保が可能になっています。
先述のトヨタパッソも、ホイールベースを長く取り、車内空間を確保しています。
ホイールベースを伸ばし、室内の設計を新しくすることで、1,830mmだった先代のパッソの室内長を145mm伸ばし、新型パッソは室内長を1,975mmとしました。
これにより、モデルチェンジであってもボディサイズは変わらず、しかし広い室内を確保しています。
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ホイールベースが長い車の特性とメリット・デメリット

「ホイールベースが長い車」というと、映画などでお金持ちが乗っているリムジンなどがわかりやすいと思いますが、ホイールベースが長いことによってどのような特性やメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ホイールベースの長さと運転性能
車がどれだけ小さく回れるかを示す数字として、最小回転半径というものがあります。
ハンドルを右または左にいっぱいに回して低速で旋回したとき、一番外側を通るタイヤが描く円の半径です。
この旋回の大きさは、全長・ハンドル切れ角度・トレッド幅(タイヤの左右の幅)の同じ車両で比較した場合、ホイールベースによって、最小回転半径に差ができます。
ホイールベースの長い車はこの最小回転半径が大きくなります。
最少回転半径が大きいことから、小回りが苦手なことが挙げられます。
そのため、ホイールベースが長い車は対策として、オーバーハングを切り詰め車が曲がる際に前後の接触をなくすようにしたり、ハンドルの切れ角度をつけ向きを変えやすくするなどして、より曲がりやすくなるように対策が取られています。
ホイールベースの長さと直進安定性
ホイールベースの長い車は、直進安定性に優れています。
直進安定性とは、車を直進走行させようとしたとき、様々な影響下において直進を維持する性能や走りやすさを指したものです。
一般的にホイールベースの長い車は、ホイールベースの短い車に比べて車の全長が長くなります。
よって、ホイールベースの長い車は回転半径が大きくなり、小回りが効かず、走行中にハンドルを切ってもすぐに車が向きを変える回頭性は高くないことがデメリットになります。
しかしそれは、ハンドルを持っていかれても左右に車体が振られにくい、つまり安定してまっすぐ走り続けられるということ。ホイールベースの長い車は、メリットとして直進安定性に優れているということが言えます。
ホイールベースの長さと路面からの情報
路面の段差を乗り上げた時でも、ホイールベースの長い車は車内に伝わる振動が少なくなります。
段差などに乗り上げた際、タイヤと搭乗者の距離が長い事、ホイールベースが長いことによって車の上下運動が少ないことから、安定した乗り心地が実現できます。
しかし、上下運動が少ないということは、車高が変化しないとも言えます。
これはメリットである段差を乗り上げた際の上下運動が少ないことの裏返しで、段差と車体底面の隙間の変動が少ないということです。
そのため、車体底面を刷らないように注意が必要になる場合があることがデメリットになります。
特に、ホイールベースの長い車で車高を落としている車などは要注意です。
ホイールベースの長さと室内空間
ホイールベースが長い車は、その分大きな室内空間を確保できます。
最近の軽自動車もホイールベースを長く取る設計がなされているため、大人4人が乗ってもゆったりと乗ることができます。
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ホイールベースが短い車のメリット・デメリット

ホイールベースの長いことに多くのメリットを感じますが、ホイールベースの短い車にも当然メリットはあります。
基本的には、ホイールベースの長い車のデメリットがメリットになりますが、それぞれを同じ項目で考えてみます。
ホイールベースの短さと運転性能
ホイールベースの長い車の最小回転半径が大きくなるのと反対で、ホイールベースの短い車は最小回転半径が小さくなります。
簡単に言えばホイールベースが短いほうが小回りが利きやすくなります。
このことから、狭い路地などでその力を発揮するだけでなく、駐車場などでも駐車しやすいことがメリットです。
ホイールベースの短さと直進安定性
ホイールベースが短いことでの直進安定性へのメリットはありません。
車が振られやすく、安定しにくいためです。
そのため、車によってはトレッド幅を広げて車体を安定するように設計するなどの対策を取っています。
ホイールベースの短さと路面からの情報
ホイールベースが短いことで、段差によって車体が傾きやすく、路面の情報をキャッチしやすかったり、段差によって車体底面を擦りにくいという、日常使いでの使いやすさがメリットです。
その反面、車体が段差によって振られやすく、乗り心地は少し悪くなります。
ホイールベースの短さと室内空間
ホイールベースが短くなると、その分車内空間が制限されてしまいます。
室内が狭くなりますが、2シーターやあまり荷物を載せないといった、室内が広くなくてもよいと割り切れる車であれば、大きなデメリットにはならない場合もあります。
車を選ぶデメリットとも言えます。
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ホイールベースの測り方

車の種類に応じて、ホイールベースの測り方は異なります。
車は左右にタイヤを装着しているため、車を真横から見た場合のタイヤ1輪のことを1軸と言います。
この軸の数によってホイールベースの測り方は異なります。
乗用車のホイールベース
車を真横から見た場合、前後1軸の乗用車や大型車のホイールベースの測り方は、前後のタイヤの中心の距離を測ります。
車のカタログの「諸元表」等に記載されているホイールベースはこの計算方法を使用しています。
前1軸後ろ2軸のホイールベース

大型のトラックや観光バスなどで、前は1軸で後ろは2軸の車があります。
大きな積載量に耐えられるよう、後ろ2軸がそれぞれ片側2本ずつのタイヤを使用し、車全体で10本のタイヤを使用しているトラックなどの場合、ホイールベースは前1軸の中心から車体後方の3軸目の中心を図ります。
尚、トラックはホイールベースと積載量に決まりがあります。
ホイールベースは車の特性

ホイールベースの長い車、短い車それぞれのメリットやデメリット、測り方などをお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
ホイールベースは運転だけでなく、車内空間や乗り心地などにも大きな影響を及ぼします。
車を選ぶときなどは、このホイールベースやそれによって生まれる最小回転半径にも目を向けてみてください。
車選びの視野が広がることと思います。
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