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WLTCモードとは?JC08モードとの違い&2030年度新燃費基準はどうなる?

燃費基準値を表すときに使われる「JC08モード」「WLTCモード」について、違いを解説します。そもそも燃費基準値とは何?実燃費とどれくらい違う?といった疑問も解決。2030年度の新燃費基準についても。

燃費測定方法の変遷

モード名採用年測定モード実燃費との近さ
10・15モード1991年1つ
JC08モード2011年4月1つ
WLTCモード2017年夏3つ+その平均1つ

JC08やWLTCは燃費の測定方法

自動車メーカーは新型車を開発し一般に販売する前に、国が定めた「型式指定審査」を受けなければなりません。その際、衝突性能や安全性能、灯火類の状態などと一緒に、燃費性能(燃費消費率試験における走行抵抗値)も審査対象となります。

車の燃費の測定条件はメーカーごとに統一されています。その条件が「JC08モード」「WLTCモード」です。

基本的な燃費計測方法・走行パターン

燃費の測定にあたっては、市街地や郊外の走行を想定し、一定のパターンで車を走らせます。そのときの燃料の消費量から1Lあたりの走行距離(燃費)を算出します。

試験場にあるシャシダイナモメータ(測定器のローラー)に車を載せて、タイヤを回転させ、燃費を測定します。ただ、このまま燃費測定をすると実際の走行や車種による違いが出てしまうので、事前にテストコースで計測した「走行抵抗値」を元に、シャシダイナモメータに負荷設定してから測定します。

一般的に、実際の運転に近くなるよう、コールドスタート(エンジンが冷えた状態からスタートする)で測定が始まります。複雑な加減速を繰り返しますが、エアコンはオフ、ハンドル操作もありません。

JC08モード燃費とは?

2011年4月以降、型式認定を受ける自動車にJC08モードの燃費値表示が義務付けられました。

それまでは「10・15(じゅうじゅうご)モード」で測定されていましたが、測定方法が実際の使用条件と離れていることや、実際走行したときの差が大きくなることが指摘されていました。

そこで、実際の走行パターンに近い測定法である「JC08モード」が取り入れられたのです。

JC08モード燃費は実燃費との差が大きい?

車の燃費は気象条件・渋滞・運転方法など、様々な影響を受けます。 そのため、実際の走行と比べると「燃費が違う!」ということがどうしても起こってしまいます。

10・15モードからJC08モードに切り替わったのは、そもそも実燃費数値との乖離が指摘されたためですが、JC08モードでも実燃費はその70~80%程度といわれているため、やはり差は大きいと感じてしまいます。

WLTCモード燃費とは?

WLTCとは「Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle=世界的に調整された自動車の試験方法」を指します。WLTCモード燃費とは、その試験法に基づいて算出した燃費数値です。日本においてはJC08モードに代わる、新たな燃費基準です。

2017年夏から、WLTCモード燃費を算定した自動車から順次切り替えが行われています。2018年10月以降に日本国内で発売される車からは義務付けされる予定であり、2020年9月以降はWLTCモード燃費のみ表示される予定です(それまではJC08モード燃費を併記の予定)。

WLTCモード燃費が導入された背景

日本は国連における乗用車などの国際調和排出ガス・燃費試験法の策定に向けた議論を主導し、2014年において「WLTP」が世界統一技術規則として成立しました。

その後の2016年には、燃費に関する大きな事件が発生しました。大手自動車メーカーの「三菱自動車」や「スズキ」などにおいて、燃費に関する不正が発覚したのです。

また、以前から「カタログ表記の燃費と実際の燃費性能に乖離があるように感じる」という意見が多かったこともあり、燃費基準は見直されるべきであるという考えが強くなったのです。

WLTCモードとJC08モード燃費の違いは?

WLTCモードは、「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」という3つの異なるモードで構成されています。これに、3つのモードの平均値となる数値を加え、合計4つの数値を示したものがWLTCモード燃費数値です。

燃費数値の表記が1つしかないJC08モード燃費よりも、様々な走行シーンを想定して計測されたWLTCモード燃費は、実燃費にさらに近づきます。

WLTC 各モードの概要

WLTCモード

「市街地」「郊外」「高速道路」の3つのモードを平均的な仕様時間配分で構成した国際的な走行モード

市街地モード

信号や渋滞などの影響を受ける比較的低速な走行を想定

郊外モード

信号や渋滞などの影響をあまり受けない走行を想定

高速道路モード

高速道路などでの走行(最高速度は100km/h)を想定

WLTCモード燃費の表示例

WLTCモード:0.4km/L 市街地モード:15.2km/L
郊外モード:21.4km/L
高速道路モード:23.2km/L

WLTCモードはこのように、日常的に自動車を運用しうる3つの場面ごとの燃費の目安を明確にすることにより、各購入者がよく利用する場面に即した燃費を知ることができます。

ちなみに国際的には、高速道路モードよりも最高時速が速い「超高速モード」があるのですが、日本にはこのモードに該当する「アウトバーン」のような道路が存在しないため除外されています。

JC08モード燃費からの変更点

1. 試験車両の重量の違い

WLTCモードでは、JC08モードで想定している運転者の体重にプラスして積載可能な重量の一部を上乗せして試験をすることになっています。

具体的な数字としては、JC08モードでは+110kg(2名乗車を想定)であったのに対して、WLTCモード燃費では100kg(1名乗車+荷物を想定)にプラスして、その自動車の積載可能重量の15%をプラスして審査を行います。

そのため、JC08モードと比べるとWLTCモードの方が自動車の重量が重い状態で試験することになります。

2. ホットスタートが考慮されない

ホットスタートとは、自動車のエンジンが温まった状態で試験を行うこと。これとは逆に、エンジンが冷えた状態から試験をスタートすることを「コールドスタート」と言います。

日本ではJC08モード以前の燃費基準であった10・15モードにおいて、ホットスタートのみが、JC08モードではホットスタート:コールドスタート=75%:25%の比率が採用されていました。

しかしWLTCモードではホットスタートは考慮せず、コールドスタート100%で燃費を算出します。

3. アイドリング時間が減少

WLTCモードではアイドリング時間が減少するため、アイドリングストップ搭載車の燃費値が悪くなります。また、試験時の車速の平均が高くなるので、ハイブリッドシステム車および軽自動車の燃費も悪く算出されることになります。その他にも、(高速道路モードを除き)加速がより急であるという違いも挙げられます。

WLTCモードは実際の利用場面に近い条件で算出

WLTCモードは車両重量やコールドスタートに配慮しているため、実際の利用場面により即した算出基準といえます。

また、JC08モードと比較するとWLTCモードの試験は全体的にガソリン消費が多くなる傾向にあり、燃費は低めに算出されるのが実情です。

しかし結果的に、ユーザーにとってはより実用向けの燃費値を知ることができるということでもあります。

WLTCモード/JC08モード燃費と実燃費との違いは?

WLTCモードの燃費はJC08モードの燃費と比べて低めに算出されることを説明しました。では、実際にどれくらい燃費の数値が違うのかを、ある車種を例にして解説します。

国内で最初にWLTCモードを採用した「マツダ CX-3」で比較

マツダ CX-3

参考にするのは、国内で最初にWLTCモードを採用した「マツダ CX-3」です。それぞれのモードにおける燃費は以下のとおりです(参考は2018年7月時点でのガソリンエンジン搭載型)。

 2WD4WD
JC08モード17.0km/L16.6km/L
WLTCモード16.0~16.2km/L15.2km/L
市街地モード12.4~12.9km/L11.9~12.0km/L
郊外モード16.7~16.9km/L15.9km/L
高速道路モード18.0~18.2km/L17.0~17.2km/L

この表を見ればわかるように、従来の燃費基準であるJC08モードと比較して、新しい基準であるWLTCモードの燃費は低い値になりました。

また、WLTCモードの中でもそれぞれの走行場面において燃費が大きく違っています。特にJC08モード燃費と市街地モードの燃費は乖離が大きく、都心や信号の密集している地域を走行するドライバーにとっては、「実燃費はJC08モード燃費の7~8割」と感じるのも頷けます。

また、平均的な値となるWLTCモード燃費についても、JC08モード燃費より低い数値が算出されています。特定のシーンのみ利用するドラーバーではないとしても、JC08モード燃費と比較して利用実態により近い燃費を知ることができるのです。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
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