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パドルシフトの効果的な使い方3点と2つの意外な盲点【いまさら訊けない】

パドルシフトはAT車の変速タイミングを任意にコントロールできる便利な装備。しかし、効果的な使い方を知らないと、その恩恵を受けることはできません。パドルシフトのメリットを活かすための使い方を解説します。

パドルシフトとは?

ステアリング裏の両側に設置された、耳のようなレバーがパドルシフトレバー。右のレバーを引くとシフトアップ。左のレバーを引くとシフトダウンを行い、AT車でもMT車のようなシフトチェンジをすることができる変速コントローラーです。MTのように変速操作ができるAT車であるため、AT限定免許でも運転可能です。

元来パドルシフトは、レーシングカーの操作を効率的に行なうために開発された機構。そのため、スポーツタイプのAT車や、CVT搭載車の上級グレードに装備されることが多く、スポーツイメージをアピールするためにも一役買っています。

ほかにも、ハイブリッドカーの回生ブレーキのかかり具合をコントロールするための操作スイッチとしてパドルシフトを採用する例もあります。

【効果的な使い方①】エンジンブレーキ

パドルシフトにより、任意のギアを変更できることで、エンジンブレーキを効果的に使うことができるようになります。AT車の変速プログラムは、車体が不安定にならないようにエンジンブレーキが効きにくいのが一般的。

パドルシフトでの瞬時のシフトダウンは、ドライバーの意思どおりのエンジンブレーキが可能です。長い下り坂や、峠道の下り坂でもエンジンブレーキを効率的に使うことができるようになるため、ブレーキへの負担を軽減し安全に貢献します。

【効果的な使い方②】スポーツ走行を愉しむ

任意のギアに変速できることは、スポーツ走行の醍醐味の一つです。しかし、AT車のDモード変速は燃費性能を重視して設定されるため、アクセルを全開にしたときにしか高回転領域は使いません。
パドルシフトによる変速なら、しっかりとレブリミット直前まで回して走行することが可能です。しかも、ステアリングから手を離さずにシフトチェンジができるため、正確なステアリング操作をしながら、キビキビと車を走らせることができます。

【効果的な使い方③】燃費を向上させる

低回転時の燃費性能が極めて高いエンジンが多い現在。巡航時に高めのギアで走行することがパドルシフトでは可能なので燃費に貢献します。
また、長い上り坂などでは、ATがギアの選択に迷うことがあります。こういったムダな変速動作も燃費には悪影響です。パドルシフトを使えば、あらかじめ低いギアにシフトし、ひとつのギアで上ることを選択できます。パドルシフトは使う場所と使い方によって燃費の改善を図ることができます。

【パドルシフトの意外な盲点①】CVTでは逆効果になることが

CVTは無段階変速が可能なトランスミッション。エンジンのもっとも効率のよい回転数を維持したまま、トランスミッション単体でリニアな速度変更を可能とし、燃費向上に貢献する優れたトランスミッションです。

CVTをパドルシフトで変速してしまうと、CVTによる燃費向上の恩恵が失われてしまいます。CVTにパドルシフトが搭載されるのは、人間の感覚と一致しづらいCVTの特性と、ラバーバンドフィールと呼ばれるアクセルに対する反応遅れに対処するもの。アップダウンやコーナーの続く峠道以外では、使用するメリットは薄いといえるでしょう。

【パドルシフトの意外な盲点②】直線では逆に遅くなる場合がある

AT車の変速プログラムは、シフトアップしたときの回転数の落ち込みをあらかじめ加味し、もっとも効率よく加速できる回転数で変速を実行するように設定されています。つまり、人間がパドルシフトで下手に介入すると、直線加速ではかえって遅くなってしまう場合があるのです。

【結論】パドルシフトの効果的な使い方

パドルシフトは、AT車をMTのように操れるメリットがある反面、使い方によってはATのメリットを潰してしまいます。つまり、パドルシフトは使いどころが肝心です。

パドルシフトを使うことで、ステアリング操作に集中しながら、車のポテンシャルを使い切った操る楽しみが味わえます。また、AT車が苦手とするエンジンブレーキを併用した、安全でスポーティなドライビングも可能になります。ただし、パドルシフトによる変速は燃費重視の自動変速ではなくなるため、燃費は悪化しがちです。

つまり、街乗りやロングクルージングではATの利点を活かした自動変速で走り、山岳道路や峠道ではパドルシフトを積極的に使ったアグレッシブなドライビングを楽しむのが、パドルシフトの効果的な使い方です。

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