更新
国産車メーカー国内乗用車販売台数ランキング|2021年上半期最新情報
目次
国産車メーカー各社が激しく争う、アジアの自動車王国!
ヨーロッパやアメリカと並ぶ強力な、あるいは個性的な自動車メーカーが乱立するアジアの自動車王国ニッポンですが、国内乗用車市場は今やバブルの面影もなく、停滞気味です。
「自動車離れ」というより、単に所得に対して高価になってしまった自動車を、気軽に買えるユーザーが減ってしまっただけですが、それでも手が届く軽自動車やコンパクトカーを中心にヒット作は出ていますし、メーカーにより浮き沈みもありました。
今回はそんな日本の乗用車市場で、国産車メーカーの2021年上半期販売台数から、メーカーごとのランキングを紹介します。
9位:レクサス(3万350台)
最初はトヨタの高級車ブランド「レクサス」です。
安価な大衆車も軽乗用車もラインナップしておらず、コンパクトカーと言えるのはハッチバック車のCTとSUVのUXくらいで小型車(5ナンバー車)はゼロ。
しかもCTは2011年の発売から10年以上が経っているかなりの古参ですから、むしろ「高級車ばかり半年で3万台以上も売ってたの?」と驚くかもしれません。
売れ筋はハイブリッドSUVのUX250h(4,711台)で、2021年秋発売予定の新型NXも注目です。
8位:三菱(3万8,860台)
1960年代までの「戦後復興期」から生き残っている、国産乗用車メーカー主要8社で最下位となったのは三菱自動車。
大型トラックやバスから軽自動車までのフルラインナップ・メーカーだった時代も今は昔、トラックとバス部門は「三菱ふそうトラック・バス」として分社独立、ドイツのダイムラー・グループ傘下入りしていますし、軽商用車やライトバンも自社生産をやめました。
日本国内市場では実質的にSUVと軽自動車専門メーカーのようになっており、売れ筋は軽乗用車のeKシリーズ(1万9,139台)と、個性的なSUVミニバン、デリカD:5(8,378台)です。
7位:スバル(5万3,518台)
2012年に軽自動車の独自生産から完全撤退(ダイハツから供給を受けて販売は継続中)、登録車専門メーカーとなったスバルは、水平対向エンジンや優れた4WDシステム、運転支援システム「アイサイト」など優れた独自技術を武器としています。
昔から主要市場の北米に大きく依存する体質のため、国内での販売規模は小さく7位にとどまり、レガシィやアセントなど海外専売車種も増えてきましたが、今後も電動化やEV化で、個性的なプレミアム/スポーツカーメーカーとして生き残りを図るようです。
売れ筋はステーションワゴンのレヴォーグ(1万7,564台)や、セダン/ハッチバックのインプレッサ(1万5,723台)など。
6位:マツダ(8万3,482台)
FRオープンスポーツ「ロードスター」や、MT設定車種の多さなど「走りのマツダ」らしいラインナップを維持しており、近年はEVや電動化にも熱心なマツダは6位と堅調です。
販売店のイメージ刷新や、デミオを「MAZDA2」、アクセラを「MAZDA3」、アテンザを「MAZDA6」へと、国内専用車名を廃止して国際名へ改名するなど、トヨタグループのプレミアムカー部門へと変化しつつあります。
昔からのファンは、「マツダのお家芸」ロータリーエンジンの復活を望むものの、当面はレンジクステンダーEV用発電機としての役割が期待される程度で、少々寂しいかもしれません。
売れ筋はコンパクトカーのMAZDA2(1万2,750台)です。
5位:日産(20万6,127台)
5位の日産からは一気に20万台オーバーで、売れ筋車種は軽乗用車のルークス(5万55台)、コンパクトなハイブリッドカーのノート(4万6,879台)など。
軽自動車の販売で上位にあると思われがちですが、意外にも乗用車に占める軽自動車率は約40.7%と少なく、登録車だけなら今でもトヨタ、ホンダに次ぐ3位、さらに商用車まで含めた登録車ならトヨタに次ぐ2位で、古参の名門メーカーらしく今も侮りがたい存在です。
ただし日産で気になるのは輸入車率が飛び抜けて高いことで(2万6,141台、約12.7%)、タイで生産するキックスやマーチへの依存度が強く、イメージ的にも国内生産率を上げた方がよいかもしれません。
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...