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フェラーリデザイナーのピニンファリーナがデザインした車21選

12.ランチア ラリー(1982年)

開発コードから通称「ラリー037」などと呼ばれるランチア ラリーは、4WD時代が到来したWRCで、ストラトス以来の実績があるMR(ミッドシップ・後輪駆動)レイアウトの信頼性を武器に堅実な勝利を収めるべく開発されたマシン。

ベータモンテカルロをベースとしており、同車に引き続きピニンファリーナがデザイン担当、中身はキャビンのみモノコックとして前後はパイプフレームで、エンジンもスーパーチャージャーでパワーアップと、アバルトにより徹底チューンされました。

2WD時代末期のWRCで期待通りに活躍したランチア ラリーは、美しいラリーマシンとしても知られている人気のマシンです。

11.初代ホンダ シティカブリオレ(AA型・1984年)

ピニンファリーナは車全体のデザイン以外に、既存車のカブリオレなど派生型の開発も得意としており、ホンダの初代シティ派生オープンモデル、シティカブリオレにも関わりました。

発売時プレスリリースでは、ボディの基本構造、ソフトトップのスタイリング及びレイアウトを「イタリアの著名なスペシャルメーカー(カロッツェリア)、ピニンファリナ社に依頼し」と解説しており、同車の付加価値向上に一役買っています。

前年発売したブルドック(シティターボII)をベースに、ソフトトップ(幌)や開放時のオーバーヘッド・バーに至るまで、切った貼った感なくよくまとめられたデザインは、当時のハッチバック派生カブリオレの中でも秀逸でした。

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本日の在庫数 19台
平均価格 153万円
支払総額 87~290万円

13.フェラーリ F40(1987年)

ピニンファリーナがデザインした一連のフェラーリの中でも、見た目も特性も含め、もっとも過激なジャジャ馬だったのが創業40周年モデルのF40で、478馬力の3リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、公称最高速は324km/h。

そのままレースに出場可能なレベルの、公道を走るレーシングカーとも言える車で、スペックよりもエアコンが装備されているなど信じられぬほど素っ気ない内装、電子制御どころかパワーアシストの類すらない運転装置などまさにスパルタン。

全体的に美しいラインでまとめられたボディデザインも市販車というよりレーシングカーじみたもので、迫力あるテールデザインは追従車を威嚇するがごとくでした。

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14.プジョー 306カブリオレ(1994年)

プジョー版ゴルフと言えるFFハッチバック小型車の傑作、205のカブリオレをデザインして高く評価されたピニンファリーナは、続いて306では最初から全体のデザインへ関与し、もちろん306カブリオレもピニンファリーナです。

幌を閉めた時はもちろん、畳んだ幌が全体のデザインを崩さないバランスはピニンファリーナの得意とするところで、前作205カブリオレに続く成功を収め、306全体では2度にわたるデザイン変更を経て、2002年までのロングセラーとなりました。

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本日の在庫数 1台
平均価格 123万円
支払総額 123~123万円

15.フェラーリ F50(1995年)

F40に続くフェラーリ創業50周年モデルとしてデビューしたF50も当然ピニンファリーナのデザインで、10年の歳月を経てより空力的にリファイン、曲線美が魅力的でエレガントな2ドアスポーツに見えますが、コンセプトは不変。

何しろリヤミッドシップに搭載された4.7リッターV12エンジンは、F1用3.5リッターエンジンの排気量拡大&ロードカー向けデチューン版で、カーボンモノコックへ直結して構造の一部としたエンジンなど「公道を走る市販車の皮を被ったF1」に近いものです。

それでいてスペック一辺倒の性能重視モデルではないとされましたが、いずれにせよ第一印象で油断するとケガをする、スパルタンなジャジャ馬でした。

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16.プジョー 406クーペ(1997年)

フェラーリとともにピニンファリーナ・デザインの多大な恩恵を受けたプジョーですが、中でも極めつけにエレガントでなめらか、車名を確かめなければベース車が何なのか忘れそうになるほど美しいのが、406クーペです。

確かに全体的な印象やサイズは406のセダンやブレーク(ワゴン)と似ているものの、実際の共通点はプジョーのアイコンとして前後に配されるブルーライオンのエンブレムくらいで、それ以外はまさに、ピニンファリーナが好きなように磨き上げた宝石のよう。

デビュー当時は「これのどこが406なのだ?そもそもプジョーの車なのか?」と思いましたが、現在に至るまでプジョーでも屈指の、美しいクーペなのは間違いありません。

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17.三菱 パジェロイオ ソレント(1998年)

ピニンファリーナと縁が薄いように見える日本車メーカーの中でも、割と新しい時代に関係を持っていたのが三菱で、パジェロミニ、パジェロジュニアに続くパジェロシリーズSUV、パジェロイオのヨーロッパ仕様はピニンファリーナが生産しました。

その関係でヨーロッパでの車名が「パジェロピニン」や「ショーグンピニン」となっている国もあるほか、日本でもピニンファリーナのデザインによる5ドア車の最上級グレード「ソレント」が2004年まで販売されています。

パジェロ一族のオフローダーである通常のイオに対し、ソレントだけはメッキグリルにスタイリッシュなバンパーなど、一風変わったイタリア風味のSUVでした。

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本日の在庫数 17台
平均価格 90万円
支払総額 38~141万円

18.フェラーリ エンツォ(2002年)

かつてカリスマ創業者同士が意気投合した盟友・フェラーリの創業40周年(F40)、50周年(F50)モデルを手掛けたピニンファリーナが、1988年に世を去ったエンツォ・フェラーリの名を冠した創業55周年モデルもデザイン。

ピニンファリーナに当時在籍していたデザイナー、ケン・オクヤマ(奥山 清行)のデザインと、日本にも縁があります。高く掲げた当時のF1風ハイノーズとフロントウイングに、バタフライドアなど「F1とスーパーカーデザインの融合」が特徴。

リヤミッドシップの6リッターV12エンジンは660馬力を発揮、最高速350km/hを誇りますが、さすがに21世紀のフェラーリらしく電子制御で安定性は確保されました。

19.三菱 コルトCZC(2006年・日本未発売)

派手ではないものの、値段も手軽で使いやすいコンパクトカーとして、かつてロングセラーを誇った三菱のコルトですが、残念ながら日本で発売されなかったクーペカブリオレ「コルトCZC」がヨーロッパでは販売されていました。

コルトそのものの基本デザインは、三菱エンブレムを貼った富士山型グリル(いわゆる「ブーレイ顔」が特徴の、オリビエ・ブーレイによるもの。

ただしコルトCZ3(日本未発売の3ドア車)をベースにしたコルトCZCは、ピニンファリーナ在籍時代のケン・オクヤマがクーペカブリオレ化を担当、原型に存在しない電動ハードトップ化をソツなくまとめ、オープン時の魅力あるスタイルへつなげています。

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本日の在庫数 133台
平均価格 79万円
支払総額 16~282万円

20.マセラティ グラントゥーリズモ(2007年)

1950年代以降、あまり縁がなかったマセラティですが、1997年からフェラーリ傘下だった時代にピニンファリーナのデザインを受け入れます。

ケン・オクヤマが手掛けた4ドアセダンのクアトロポルテ(2004年)に続き、ジェイソン・カストリオタのデザインで2007年にデビューした2ドアクーペがグラントゥーリズモで、2009年にはソフトトップ・オープン版のグランカブリオも発売されました。

ピニンファリーナ・デザインやエンジンなどフェラーリ由来のため、同時期のフェラーリFR車と雰囲気が似た部分もありますが、アイコンである三叉エンブレムとフロントグリルによって、マセラティ車としての自己主張に成功しています。

最新「グラントゥーリズモ」中古車情報
本日の在庫数 96台
平均価格 848万円
支払総額 258~2,775万円

21.フェラーリ F12ベルリネッタ(2012年)

長い蜜月時代が続いたフェラーリで、ピニンファリーナがデザインに関わった最終モデルが、550マラネロから続くV12FR2シータースポーツ、F12ベルリネッタ。

740馬力を発揮する6.3リッターV12エンジンにより最高速は340km/hと、特別なモデルでなくともかつてのF40やF50などと肩を並べる性能が当たり前になりました。

既にこのモデルはフェラーリの社内デザイン部門がピニンファリーナと共同でまとめており、以降のフェラーリはフラビオ・マンツォーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターがデザインしています。

近年のフェラーリにかつてと違う印象を受けるとしたら、デザインも原因のひとつかもしれません。

最新「F12ベルリネッタ」中古車情報
本日の在庫数 17台
平均価格 3,212万円
支払総額 2,552~3,756万円

自動車でもそれ以外でも、生き続けるピニンファリーナデザイン

長く続いたフェラーリ御用達カロッツェリアとしての役目は終えましたが、現在も世界中の自動車メーカー、工業メーカー、あるいはスポーツ、ファッション、文具など、およそデザインが求められそうな全て分野で、ピニンファリーナのデザインが求められています。

公式HPのパートナー企業には、中国や韓国などの新興メーカーも含まれており、ブランドとして飛躍するためにピニンファリーナのデザインを必要とするメーカー、ブランドは、今後も増えそうです。

車のみならず、あなたの身の回りの思わぬ物にも、ピニンファリーナのデザインは生きているかもしれません。

ピニンファリーナ氏発祥の地・イタリア車についてはこちら

ピニンファリーナ氏が多くのデザイン残したフェラーリの歴史はこちら

その他の有名デザイナーのデザインした車についてはこちら

執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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