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ホンダ シビック歴代モデルを画像で解説!新型11代目タイプRまで完全網羅
目次
ホンダ・シビックとは
シビックは、ホンダが生産・販売を行っている乗用車であり、欧州の乗用車分類ではCセグメントに入ります。
同じCセグメントの車は、フォルクスワーゲン・ゴルフ、フォード・フォーカス、トヨタ・オーリス、マツダ・アクセラなどであり、強力なライバル車が存在するカテゴリーですが、その中で先頭に立つネームバリューと販売台数を誇っています。
1972年に発売が開始されたシビックは、現在に至るまで累計販売台数2700万台を突破。ホンダのロングセラーモデルとして、世界中にファンを持つ車となっています。
車名の由来
シビックという名前の由来は、CIVICが英語で「市民の」という意味で、大衆車向けに作ったことを意味しています。
なお、2代目から7代目には「○○シビック」というニックネームが名付けられ、広告などでも広く使われていました。
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ホンダ・シビックの歴史
シビックは1972年に発売が開始されたシビックはモデルチェンジを繰り返し、現在は10代目のシビックが販売されています。
デビュー当初はハッチバックのみでしたが、後にセダンやステーションワゴン、クーペなど様々なボディタイプが登場しました。1997年には、スポーツタイプの「タイプR」が初めて設定され、その高い運動性能に多くのファンが虜となりました。
はじめは小型車として扱われていた小さなボディサイズも、モデルチェンジのたびに徐々に大型化。2005年に登場した8代目シビックではじめて3ナンバーのボディサイズが与えられています。
8代目シビックでは日本仕様のボディタイプがセダンのみとなりましたが、セダン人気の低迷からこの代をもって日本の市場からは一旦姿を消すことになりました。
その後、2015年に登場した10代目シビックから日本市場での販売を再開。2021年には11代目となる新型シビック発売しました。新型モデルの詳細は記事末にてお伝えしています。
名車シビックを生み出したホンダの歴史についてはこちら
初代(1972年~1979年)
初代シビックが発売されたのは1972年7月で2ドアモデルと3ドアモデルのハッチバックタイプをメインに、他にも4ドア・5ドアハッチバックがありました。
1973年にアメリカで施行された大気浄化法(通称:マスキー法)が制定され当時の自動車開発技術ではクリアするのは不可能とまでされた世界一厳しい排ガス規制でした。
そんな中で排ガス規制をクリアするためにエンジンを水冷化し無段変速CVCCを搭載したシビックでマスキー法をクリアし、ユーティリティの高さと乗りやすさが認められ、日米で大ヒット。
1972年から1974年まで3年連続でモーターファン誌 カー・オブ・ザ・イヤー受賞とCVCC開発において科学技術庁長官賞を受賞しました。発売から4年で生産累計100万台を突破しています。
2代目(1979年~1983年):スーパーシビック
2代目シビックは、1979年7月18日に発売され、エンジン型式EJの排気量1.5リッター直列4気筒SOHCエンジンと型式EMの1.3リッター直列4気筒SOHCエンジン搭載車が用意されました。
初代シビックを超えるため2代目シビックは、通称「スーパーシビック」と呼ばれていました。
2代目モデルで注目されたのは、速度計と回転計を同軸に統合し、メーターの回転軸部分の上に各種警告灯を並べた「集中ターゲットメーター」で、ダイヤル選局式AMラジオはロータリー・チャンネル式ラジオと呼ばれ、スーパーシビック専用形状で、他の車との差別化が図られました。
1980年1月22日に発売された「シビックカントリー」はホンダで初めてのステーションワゴンです。また、このモデルからワンメイクレースの「シビックレース」が開催され、レースでの活躍が目立つようになりました。
3代目(1983年~1987年):ワンダーシビック
3代目シビックは、1983年9月22日に発売され、通称「ワンダーシビック」と呼ばれました。
「マン・マキシマム・メカ・ミニマム」を開発コンセプトとして、エンジンやサスペンションなどのメカニズムをコンパクトにまとめ、人間のためのスペースを最大限に広くしようとしました。
3代目シビックでは、1984年度グッドデザイン賞を受賞し、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。グッドデザイン賞は自動車で初めての受賞で、日本カー・オブ・ザ・イヤーはホンダにとって初の受賞でした。
また、シビックでは初めてDOHCを搭載した「Si」が追加され、全日本ツーリングカー選手権 (JTC) などのレースにおいても用いられ、走りのよさから若者や走行性を重視する層の支持を得ました。
また、2代目シビックから派生したバラードのスポーツモデルCR-Xも登場し、ショートホイールベース化、ワイドトレッド化、軽量ボディによりシビックよりもよりスポーティなモデルとしてこちらも人気を集めました。
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4代目(1987年~1991年):グランドシビック
4代目シビックは、1987年9月9日に発売され、通称「グランドシビック」と呼ばれました。
ボディデザインは、3代目よりもホイールベースを120mm、全幅を50mm拡大し、全高は5mm低くしている、ヒラメをモチーフにしたと言われています。
サスペンションは、全車に4輪ダブルウイッシュボーンを採用。エンジンは1.3~1.6Lまで5タイプが用意されているが、すべてを4バルブ化。
燃料供給系は1.6Lの2タイプがPGM-FI、1.5Lと1.3Lには電子制御キャブを採用しました。また、セダンにもリアルタイム4WDがラインアップされました。
1989のマイナーチェンジから、ホンダエンジンの代名詞ともいえるVTECエンジンが搭載され、排気量1.6リッター直列4気筒DOHC4バルブとなりました。
高い運動性能を得たシビックは多くのアマチュアレーサーに愛されました。特にワンダーシビック、グランドシビックは、大阪の阪神高速道路1号環状線を走行する違法競走型暴走族「ルーレット族」に絶大な人気がありました。
大阪環状線を走っていた走り屋「環状族」たちを描いた漫画『ナニワトモアレ』の中でも、ワンダーシビック、グランドシビックは登場しています。
5代目(1991年~1995年):スポーツシビック
5代目シビックは、1991年9月10日に発売され、通称「スポーツシビック」と呼ばれました。外観はブラジルのサンバをイメージしたと言われてて、4代目シビックより丸みを帯びて、車高が低くめられています。
搭載される新開発のエンジンは、VTEC-E(リーンバーンエンジン)を搭載した低燃費指向のD15B型エンジンで、10モード燃費20.5km/Lという超低燃費を実現しています。
一方、もっともハイスペックな排気量1.6リッター直列4気筒DOHC・VTECエンジンは、170馬力を発揮し、日本のみならずアメリカの若者から大人気でした。
6代目(1995年~2000年):ミラクルシビック
6代目シビックは、1995年9月4日、通称「ミラクルシビック」と呼ばれていました。オートマチックトランスミッションは、ホンダマルチマチック(HMM)と呼称されるCVTが搭載されました。
ボディサイズは、5代目モデルより拡大され、ホイールベースを拡長することで、後席の居住性を改良しています。
1997年8月22日、「TYPE-R」が追加され、同時に「SiR Ⅱ」グレードは「SiR」に変更。1998年9月3日、マイナーチェンジにより新規排ガス規制に対応し、ボディデザインなどが変更されました。ファミリーカーとしての機能を備えた一方で、ハイスポーツモデルのTYPE-Rも6代目から登場しました。
そして、このモデルが多くレースで優勝を重ね、十勝24時間耐久レースで日産スカイラインGT-Rを破りシビックTYPE Rが総合優勝する快挙もありました。さらに、3度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞し、6代目は革命的な変更があったモデルでもあります。
ちなみに6代目シビックのTVCMのキャストはとても豪華で、レオナルド・ディカプリオやレイ・チャールズ、松雪泰子さんらが出演しました。
7代目(2000年~2005年):スマートシビック
7代目は、2000年9月13日に発売され、通称「スマートシビック」と呼ばれていました。
「最大限の室内空間」「優れた経済性と爽快な走り」「乗員と歩行者の安全性」「クリーンな環境対応」をテーマに掲げ、インパネシフト、フラットフロア、ウォークスルーを採用し、5ドアが標準となってミニバンに近い広大な室内空間になりました。
エンジンは、前期モデルが排気量1.5リッターのD15B型でしたが、後期モデルからさらに大きい1.7リッターのD17B型に変更され、この時から小型車の印象が強かったシビックが徐々に大きくなり、ファミリーカーとしてのシビックへと変わっていきます。
また、7代目シビックが発売されると同時に、シビック初となるハイブリッドモデルも登場しました。
そして、シビックは4度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、3モデル連続で受賞するのは今までシビックのみでした。しかし、ホンダ・フィットが登場し、販売台数は徐々にフィットに奪われていきます。
3ドアボディを持つTYPE Rがイギリスのホンダ・オブ・UKで生産され、少数ながら日本には輸入車として販売されました。7代目の時期からホンダを代表するスポーツエンジン「K20A」が開発され、採用され始めました。
8代目(2005年~2010年)
8代目シビックは、2005年9月22日に発売され、この時からシビックにつけられていた通称名が無くなりました。
今まで全幅が5ナンバー枠から3ナンバーへと拡大し、「シビック=コンパクト」の図式を見事に打ち砕いたのが8代目シビックでした。
ラインナップは4ドアセダンのみに縮小。理由としては7代目シビックの販売不振や、フィットが5ドアコンパクトカーの主体になったためです。
エンジンは、新開発のR18A型・排気量1.8リッターの直列4気筒SOHC・i-VTECエンジンとK20A型・排気量2リッター直列4気筒DOHCのi-VTECエンジンへとなりました。
また新しいシビックハイブリッドも登場し、前モデルより運動性能、燃費とも向上しシビックのハイブリッドモデルが徐々に市場で浸透していきました。
そしてスポーツモデル「タイプR」も販売され、前モデルはイギリスで製造された輸入車でしたが、3代目から再び日本で製造・販売されました。
しかし、シビックは8代目で日本市場での販売を終了し、9代目以降は海外のみでの生産・販売へとなりました。
9代目(2011年~2015年)
9代目モデルから海外モデルとなったシビックは、先代モデルからボディサイズが若干変わりましたが、大きくなることはなく、空気がクリーンで流れるような「ワンモーション」、「モノフォーム」デザインで、エアロダイナミックで空気抵抗削減し洗練されたスタイルへとなりました。
北米仕様では排気量1.8リッターエンジンと2.4リッターエンジンの2種類を用意し、欧州仕様では1.4リッターから2.2リッターまでの5種類のエンジンが用意されました。
4代目シビックタイプRはFF最速
そして4代目シビックタイプRはFIAワールドツーリングカーチャンピオンシップでホンダワークスチームが使用するマシンであり、搭載される2リッターターボエンジンは、310馬力も発揮し、ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで今までのFF車両最速ラップタイムを更新する7分50秒63で走行しました。
このシビックタイプRは750台限定で販売され、750とはニュルブルクリンクでのラップタイム7分50秒を意味します。
10代目(2017年~2021年)
2017年7月に日本市場での復活が正式に発表され、同年9月にハッチバック、セダン、タイプRの3種類が発売しました。
ロー&ワイドを基本に機能美を追求した造形が特徴で、室内空間を拡大し、街中での乗りやすさや居住性、快適性などが向上。
先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」も標準装備しています。
この代のタイプRは、ベース車からのチューンアップではなく、開発当初よりタイプRとして目指す理想の姿をゼロから思い描き追求したことで、大幅にスポーツ性能を向上させています。
ハッチバックとセダンに関してもタイプRで培ったノウハウによってスポーティーな運動性能を実現しています。
せっかく復活した10代目シビックですが、セダン人気の低迷を受け、2020年8月にシビックセダンが日本市場での販売を終了。ハッチバックとタイプRのみのラインナップとなりました。満を持しての復活だっただけに、ファンからは再度ラインナップが欠けてしまったことに対する悲しみの声があがりました。
11代目(2021年~)
2021年9月に日本での発売を開始した11代目シビック。「爽快シビック」というコンセプトが掲げられていて、今後のホンダ車に導入される新世代コモンアーキテクチャー戦略「ホンダ アーキテクチャー」の第1弾となります。
11代目シビックには「セダン」「ハッチバック」「Si」「タイプR」の4種類が存在し、このなかで日本で発売されるのはハッチバックとタイプRの2種類です。
当初はガソリンモデルのみだったハッチバックですが、2022年6月にはハイブリッド仕様の「e:HEV」も追加設定されました。
最強モデルのタイプRは2022年7月に世界初公開され、同年9月に日本発売しました。
発売前に実施した鈴鹿サーキットでのタイムアタックでは、先代タイプRが残した最速タイムを更新するなど、性能面も進化していることが分かります。
セダン系は引き続き海外専売モデルに
11代目としては最初に登場したセダンタイプ。10代目でセダンが廃止されたまま、海外専売モデルになったままです。日本ではセダン人気が低迷しているため、再度発売する可能性は限りなく低いでしょう。
SiはタイプRの次に位置するスポーツコンパクトセダンです。スポーツモデルらしく、よりアグレッシブなデザインになっているほか、1.5L直4ガソリンエンジン「VTECターボ」を搭載。ベースよりも最大出力と最大トルクともに向上しています。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...