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ビュイック リーガルセダン・リーガルワゴンまとめ|燃費や中古車価格など
目次
ビュイック・リーガルってどんな車?
3代目リーガル・エステートワゴン(日本仕様)
ビュイック・リーガルとは、米国のゼネラルモータース(以下、GM)がビュイック・ブランドで販売しているインターミディエイト(中級車)です。
のちに「エステートワゴン」とGMが呼称するステーションワゴンを追加するなど、次第にファミリーカーへとシフトして行きました。
GMのビュイックブランドは日本への正規輸入が終了していますが、3代目ビュイック・リーガル・ステーションワゴンなどの一部車種は現在でも高い人気を誇ります。
ビュイックってどんなブランドなの?
ビュイック・リーガルを生産していたビュイックはGMの乗用車ブランドのひとつで、戦前から続く、キャデラック、ビュイック、オールズモビル(2004年に廃止)、ポンティアック(10年に廃止)、シボレーの5つのディビジョンのうち、かつてはオールズモビルと対をなす高級車ブランドでした。
1960年代までは同じ高級車ブランドでも、オールズモビルが「控え目なお金持ちの乗るクルマ」とされていたのに対して、ビュイックは「上昇志向の高いエグゼクティブが乗るクルマ」という定評がありました。
そのため、オールズモビルに比べてスタイリングは贅沢かつ華美で、きらびやかな内装を持っていたことが特徴でした。
日本へは戦前から輸入されており、終戦直後に総理大臣を務めた吉田茂が愛用したことでも知られています。
しかし、70年代のオイルショック以降は、ビュイック・リーガルのようにGM内でプラットフォームの共用化やバッジエンジニアリングが進んだこともあり、こうしたヒエラルキーは次第に薄れ去って行きました。
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ビュイック・リーガルの歴史を知ろう!
初代ビュイック・リーガルクーペ
先ほど「ビュイック・リーガルは中級車」と書きましたが、初代モデルは全長5,425mm×全幅2,000mm×全高1,360mm、ホイールベースは2,900mmとフルサイズに匹敵するサイズを誇りました。
初代ビュイック・リーガルはミドルクラスのパーソナルカーとして企画されました。
もともとこのクラスにGMは、オールズモビル・ブランドではカトラス・シュープリームを、ポンティアック・ブランドではグランプリを、シボレー・ブランドではモンテカルロを持っていました。
その社内対抗馬としてビュイック・リーガルは誕生したのです。
2代目ビュイック・リーガル・グランドナショナル
1978年に登場した2代目ビュイック・リーガルは、オイルショック後の時代の要請を受けて、全長5,080mm×全幅1,780mm×全高1,380mm、ホイールベースは2,750mmと、大幅なダウンサイジングしました。
当初はパーソナルカーとしての性格を強くするために、クーペのみの設定となりました(のちにセダンとステーションワゴンが追加されました)。
それに合わせて搭載するパワーユニットは3.2L(後期は3.8L)のV6となり、V8はオプション扱いになりました。
このモデルでのトピックスは、81年のマイナーチェンジでエアロダイナミクスを採用したフロントマスクにフェイスリフトされたことでしょう。
シリーズ最強の5,000ccV8を搭載するリーガル・グランドナショナルは、NASCAR(米国のストックカーレース)のベース車に選ばれ、リチャード・ペティのドライブにより、デイトナ500をはじめとして、81〜82年の主要なレースで優勝し、NASCARマニュファクチャラータイトルを獲得しました。
3代目ビュイック・リーガル(北米仕様)
1988年に登場した3代目ビュイック・リーガルは、Wプラットフォームを採用した初めてのFF車になりました。
当初はクーペのみの展開でしたが、のちにセダンも追加されています。
ボディサイズはさらに縮小されて、全長4,940mm×全幅1,800mm×全高1,380mm、ホイールベースは2,730mm(セダン)となり、日欧のライバルとサイズ的な差は縮まりました。
また、搭載されるパワーユニットも2,800ccのV6(デビュー翌年に3,100ccになります)が標準となり、先代まであったV8やV6ターボは落とされました。
もっともスポーティなグランスポーツには高性能な3,800ccV6が用意されました。
4代目ビュイック・リーガル
1996年に登場した4代目ビュイック・リーガルは、姉妹車のセンチュリーの上級モデルとして誕生しました。
この時代のGMがインターミディエイト車に採用していた改良型Wプラットフォームが採用され、ボディは4ドアのみの展開となりました。
エンジンは贅沢な上級モデルということで、姉妹車のビュイック・リーガルよりも大きな3,800ccV6を搭載。最高出力240psのスーパーチャージャー付きエンジンも用意されています。
このモデルからは上海GMの手で中国での生産も始まりましたが、搭載エンジンは2,800cc直4と2,500ccV6の2種類で北米仕様とは異なるものでした。
なお2004年(中国では08年)、モデルでリーガルシリーズはいったんブランドが休止となり、ビュイック・ラクロスが後継車種となりました。
5代目ビュイック・リーガル
2008年に復活した5代目ビュイック・リーガルは、オペルのDセグメントセダン・イグニシアの姉妹車になりました。
ボディサイズは全長4,831mm×全幅1,857mm×全高1,483mm、ホイールベースは2,730mm(セダン)となり、米国の中級車がボディサイズをますます縮小するいっぽうで、欧州Dセグ車がボディサイズを拡大したため、世界戦略車種としてちょうど適したサイズになったと言えます。
当初搭載されるエンジンは2,400ccと2,000ccターボの2種類の直4のみでしたが、のちに2,000ccと1,600ccターボが追加されています。
生産はドイツで行われていましたが、11年から北米向け車両はカナダ・オンタリオ州で生産されるようになりました。
なお、18年には6代目となる後継車種が登場する予定です。
3代目ビュイック・リーガルが中古市場の主役
現在、日本国内の中古車市場に流通しているのは、
もっぱら90年代にヤナセが輸入したステーションワゴンです。
それ以前のモデルはクルマとしての寿命を迎えてほぼ淘汰されていますし、それ以降のモデルはごくわずかな台数が並行輸入されたに留まり、市場を形成するほどの流通がありません。
写真をご覧になればお分かりになるように、じつは北米向けの車両と日本に輸入されたクルマはまったく別物なのです。
じつは日本では商標の都合から米国で売られているビュイック・センチュリーがビュイック・リーガルの名称で販売されることになり、本来のビュイック・リーガルは輸入が途絶えてしまいました。
これは日本国内でトヨタがセンチュリーの商標権を持っていたためで、GMは戦前から続く伝統ある車名を使えなかったわけです。
そこで日本市場に適している(とGMが考えた)ビュイック・センチュリーを苦肉の作としてビュイック・リーガルの名称で販売することにしたのでしょう。
ただし、ビュイック・センチュリーにクーペの設定がなかったことから、北米で売られているビュイック・リーガルクーペだけは、そのままの名称で日本でも販売されることになりました。
3代目ビュイック・リーガルクーペ
ビュイック・リーガルが日本で人気を博したのは、90年代前半のことでした。ボディサイズは全長4,930mm×全幅1,770mm×全高1,465mmで、ホイールベースは2,665mmと米国車の中では比較的コンパクトで、道路環境や駐車場事情に制約が多い日本でも比較的扱いやすいサイズだったことが人気の理由だったのでしょう。
ビュイック・リーガルのスタイリングはステーションワゴン、セダン、クーペのいずれもまとまりの良いエアロルックなのが特徴で、ライバルのフォード・トーラスが欧州志向だったのに対し、ビュイック・リーガルは古典的なアメ車のスタイリングを昇華させたスタイリングを採用しています。
そのことを体現しているのが、ステーションワゴンに設定があったフェイク・ウッドパネルの外装で、新しさの中にも古き良き時代の米国車の伝統を引き継いだスタイルとなっていました。
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ビュイック・リーガルワゴンの実用性とアメ車らしさ
3代目ビュイック・リーガル・ステーションワゴン(日本仕様)
ビュイック・リーガルに搭載されるパワーユニットは、米国では2.2L直4やディーゼルの設定もありましたが、日本向けはV6のみで排気量は初期モデルが3.3Lで、1993年からは新開発の3.1LのV6に切り替わりました(最高出力はともに160ps)。
マイナーチェンジは86年、89年、91年、93年の4回ですが、日本に導入されたのは2回目以降の横長の異系ヘッドランプになったモデルからのようです。
3回目のマイチェンで内装が一新され、最後のマイチェンで前述の通り、エンジンが変更されています。
90年代のワゴンブームもあり、ビュイック・リーガルの日本での販売の中心はステーションワゴンとなりました。当時は物品税が廃止され、3ナンバーの自動車税が排気量に応じて段階的に課税されるようになり、普通車が買いやすくなったことも人気を支えた理由でしょう。
また、当時の急速な円高もあって販売価格は段階的に引き下げられてゆき、導入当初、438万円(ステーションワゴン)だった販売価格は、95年には335万円(同。なぜかセダンのほうが20万円ほど高かった)になり、最終的には307万円まで引き下げられました。
ビュイック・リーガルセダンは今では稀少車
3代目リーガル・セダン(日本仕様)
ビュイック・リーガルセダンは新車時の販売台数が少なく、現在では滅多に見かけることがない稀少車になっています。
ワゴンが人気を博している中、あえてフォーマルなセダンを選ぶユーザーは、長年アメ車を乗り継いだベテランユーザーが多かったようです。
ビュイック・リーガルの中古車価格は?
中古車情報サイトを見ると、最終モデルでも登録から20年が経過しているにもかかわらず、ビュイック・リーガルは常時10〜20台程度の中古車が売りに出されているようです。
たしかに数は少ないですが、どんなに探しても見つからない・・・というレベルではありません。
相場はまちまちのようで、下は20万円台から上は100万円を超えるものまであります。
やはり、市場に多いのがステーションワゴンで、セダンは1〜2台しかありません。
クーペは販売台数が少なかったこともあり、今では滅多に見つからない幻のクルマとなっているようです。
ここまで流通台数が少なくなると、販売価格とコンディションは必ずしもリンクしなくなります。
同じようなコンディションのクルマでも、希少性から販売価格を高めに設定する中古車店もあれば、単に古いクルマとして安く売り出す店もあるわけです。
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- 最新「ビュイックリーガル」中古車情報
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本日の在庫数 12台 平均価格 200万円 支払総額 89~330万円
ビュイック・リーガルの燃費はどれくらい?
ビュック・リーガルの燃費は街乗りで7〜8km/L、高速で9km/L以上。
低回転域のトルクが太いクルマですから、アクセルを無駄に踏まずに燃費運転に徹すれば、街乗りでも10km/L近く生きます。
今日の基準では決して特筆すべき燃費性能ではありませんが、3L級のセダン/ステーションワゴンとしてはそんなに悪いほうではありません。
しかも、ビュイック・リーガルはレギュラーガソリンで走るのでお財布にも優しいです。
古くてもオススメなビュイック・リーガルワゴン
3代目ビュイック・リーガル(日本仕様)の内装
1980〜90年代中盤までの小型車〜中級車のアメ車は、正直なところ不出来なクルマが多く、今さら買う価値などほとんど見出せないのですが、そんな中でビュイック・リーガルは今でも買う価値がある数少ない例外です。
アメ車らしいゆったりとした乗り味がジャストサイズで楽しめるのは、ビュイック・リーガルならではの魅力でしょう。
基本的にビュイック・リーガルは丈夫なクルマで、トラブルも少なく、古くなっても安心して購入できる1台です。
パーツの供給状態も悪くはありません。
魅力のあせないビュイック・センチュリー
ビュイック・センチュリーセダン(前期型)
ビュイック・リーガルについてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか?
同車はアメ車らしいゆったりとした乗り味がジャストサイズで楽しめる貴重な存在のクルマなのです。
GMのビュイックブランドから販売されるリーガル。上質感あふれるデザインや内装は未だにファンが多く、中古車としても人気が高いです。
燃費もアメ車に利てはそれほど悪くはなく、丈夫な性能を持っているので、中古アメ車の中でもおすすめです。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...