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ホワイトレタータイヤの自作・塗装・お手入れ方法は?SUVやハイエース、クロカンにおすすめ
目次
ホワイトレタータイヤとは?
街を行き交う車の中には、タイヤ側面のメーカーやタイヤ名などのロゴが白く浮き出たタイヤを時々見かけます。
その名も「ホワイトレタータイヤ」。
「お?ウチのタイヤは黒いままなのに、自分で塗ったのかな?」と思った人もいるかもしれず、実際に自作しているユーザーもいるのですが、タイヤメーカーが最初からホワイトレタータイヤとして販売している、れっきとした正規品も。
今回はホワイトレタータイヤの各種知識やオススメについてご紹介しましょう。
昔のホワイトリボンタイヤなどとは別
一部が白くなっているタイヤというと、タイヤ側面がグルっと円状に白くなっている「ホワイトリボンタイヤ」(ホワイトウォールタイヤ)の方を思い浮かべる人もいるかもしれません。
そもそも現在では常識な「タイヤの黒」は、ゴムの強度を高めるためのカーボンブラックを配合してからの姿で、100年ほど前のタイヤはゴムの原色そのままな白や飴色。
黒いタイヤになってからも、今でいうレトロブームのごとく、周期的に側面だけでも白いホワイトリボンタイヤが流行るため、「昔の車が履いていたホワイトリボンタイヤ」の印象が強いのですが、あくまでホワイトウォールタイヤはロゴのみが白です。
ホワイトレタータイヤにまつわる疑問3つ
ホワイトレターの白は何の色?
タイヤメーカーが販売している正規品のホワイトレタータイヤは、ロゴ(レター)部分へ白いゴムを貼り付けたもので、着色ではありません。
自作の場合はペンで塗ったり、ホワイトレターにするため市販されているステッカー類を貼りますが、正規品が分厚いゴムなのに対し、普通に刻印された上に薄い塗装やステッカーを施すだけの自作品ではロゴ部分が薄く、見分けるのは容易です。
白い部分は劣化しないの?
製造工程で白いゴムを貼り付けた正規品の場合、タイヤゴムの内側から外へにじみ出す油分によって次第に茶色くなってくるのは避けられません。
黒い部分にもにじみ出てはいますが、ホワイトレターのゴムは白いだけ目立つのが問題なものの、基本的には表面ににじみ出た油でしかないため、普通の汚れとどもども洗い落とす事ができるため、「劣化」とはちょっと違います。
その点、塗ったり貼ったりの自作品は耐久性が劣るものの、剥がれたらまた塗ればいいと割り切れるため、正規品がいいか自作品がいいかは、あくまで好みです。
組み換え(裏表の交換)はできる?
ホワイトレタータイヤのホワイト部分は基本的に外側のみの片面ホワイトで、内側は普通のタイヤと変わりません。
そのため、タイヤの摩耗によって左右を組み替えるローテーションをしてしまうと、「ホワイトレター部分が内側で見えない」という事になります。
ただ、その場合も外側になった部分を自作でホワイトレターにしてしまえばいいので、性能上、表裏が決まっているタイヤでなければローテーションは可能です。
ホワイトレタータイヤが似合うジャンルは?
タイヤの黒地に白の文字が映えるホワイトレターは、黒一色のタイヤサイドウォールをファッショナブルに飾れる注目のカスタムではあるものの、不思議と似合う車と似合わない車があります。ホワイトレタータイヤが似合うのはどのような車でしょうか。
やっぱりSUV!
ホワイトレターはSUVの定番ドレスアップとなっており、現在はメーカーもわざわざコストをかけてオフロードタイヤにホワイトレター仕様を用意しているほどの人気ぶりです。SUVが履く高扁平タイヤは白文字がとくに目立つうえ、ブランド志向が強いオフロードタイヤの銘柄を強調できる点もSUVでホワイトレタータイヤが好まれる理由のひとつです。
ランクルやジムニーはもちろん、ランドローバー ディフェンダーやメルセデス・ベンツ Gクラスゲレンデヴァーゲン、ジープ ラングラーなど国産・輸入車を問わず、本格オフローダーにはホワイトレタータイヤが大人気。RAV4やエクストレイルなどのやや無骨なクロスオーバーSUVにもホワイトレタータイヤはよくマッチします。
同様に、高扁平のオフロードタイヤが似合うピックアップトラックや、和製小型ピックアップトラックともいえる軽トラにもホワイトレタータイヤが好んで装着されます。
アウトドア向きなクロスオーバーモデル
大径タイヤまで履かなくとも、通常のハッチバック車やステーションワゴンに設定、あるいはカスタマイズしたクロスオーバーモデルへホワイトレタータイヤを履かせても似合います。
最近ですと、トヨタのプロボックス/サクシードをリフトアップしたクロスオーバーカスタム車へ履かせたり、安価にオフローダーらしい雰囲気を出すのにも一役買っているようです。
頼れる相棒ハイエースにも
ホワイトレタータイヤはカスタムハイエースにも大人気。またハイエースだけでなく、スクエアボディを採用するバンやミニバンほど似合う傾向にあるため、スズキ エブリイや日産 キャラバン、トヨタ プロボックスなどのごく普通の商用車もホワイトレタータイヤを装着するだけでオシャレに見せられます。
ドレスアップの観点では嫌われがちな高扁平タイヤも、ホワイトレター化するだけでそれが魅力に変わるほか、車高を上げてSUVテイストを追加したリフトアップカスタムの足元を強調するのにもおすすめです。
当然ながら、SUVとのクロスオーバー1BOXカーである三菱 デリカD:5や、車高を上げたステーションワゴンであるスバル レガシィアウトバックなどにもホワイトレタータイヤがよく似合います。
ピックアップトラックや軽トラ
ホワイトリボンタイヤ同様、ホワイトレタータイヤもアメリカンスタイルのカスタムに合わせる事が多く、ハイラックスなどピックアップトラック、あるいはリフトアップしていない軽トラでもスポーツトラック的なカスタマイズをしていればOK。
最近の日本では規制も厳しくなってあまり見かけない、超大径タイヤのピックアップトラックなど、ロゴが大きい分だけホワイトレターが目立ちます。
走りのスポーツカーだって似合う
目立つホワイトレタータイヤは、スポンサーロゴのアピールにも最適であることから、古くからF-1マシンやWRCラリーカー、GTマシンなどのレーシングカーでもよく見られます。そのためホワイトレタータイヤはスポーツカーにもよく似合います。
レーシングカーを模した1970年代のレーサーレプリカでは、ホワイトレタータイヤが大流行しました。国産チューニングカーやサーキットマシンはもちろん、アメリカの国民的レースNASCAR(ナスカー)の影響か、新旧問わずアメリカンスポーツカーにもホワイトレタータイヤがよく映えます。
また、スポーツカーのホワイトレターは、ミシュランやピレリ、ブリヂストンなどの高性能タイヤをアピールするのにも一役買います。
ホワイトレタータイヤにドレスアップする方法
ホワイトレタータイヤを買う
まずもっとも無難なのが「正規品の購入」で、オフロード系タイヤをラインナップしているタイヤメーカーなら、ホワイトレタータイヤも販売している事が多いため、耐久性に優れた製品が欲しい、使い込みヤレていく姿も含めて楽しみたい、というなら正規品が一番です。
ホワイトレタータイヤを自作する
希望するブランドや製品、あるいはタイヤサイズにホワイトレタータイヤの設定がないという場合も話は簡単、耐久性を考えないなら白い水性ペン1本(あと塗り損ねの修正用に黒1本)あればホワイトレタータイヤは自作できます。
もうちょっと耐久性が欲しいというユーザー向けのホワイトレタータイヤ自作用製品も販売されていますし、そもそも自作は「落ちたり剥がれたりしたら、また自分でやればいい」と割り切れるのも魅力。
正規品を表裏組み換え、ホワイトレター部分が内側になってしまった場合など、自作方法は知っておいて損はありません。
ホワイトレタータイヤを買う時の見分け方
メーカー正規品のホワイトレタータイヤを購入する場合ですが、各メーカーごとにホワイトレターの方式が違ったり、公式HPでの案内方法が異なります。
「どのサイズにホワイトレタータイヤがあるかわかりにくい」という声もあり、代表的なタイヤメーカーから、いくつか例を出してみましょう。
なお、今回紹介する各社は全てホワイトレターを「アウトラインホワイトレター」と呼んでおり、メーカーごと、あるいは製品によって文字通りアウトライン(輪郭)のみ白い文字と、全面白文字のタイプがあります。
ブリヂストン「DUELER M/T 674」
BRIDGESTONE(ブリヂストン) サマータイヤ DUELER (デューラー) M/T 674.OWL 215/75R15 6PR 100/97Q 15インチ
輪郭のみ白文字タイプで、公式HPのサイズ表では「注記」欄の「□(白い四角)」が該当。
ヨコハマタイヤ「GEOLANDAR A/T G015」
全面白文字タイプで、サイズ表の該当サイズ脇に「■(黒い四角)」が該当。
ダンロップ「GRANDTREK AT5」
輪郭のみ白文字タイプで、タイヤサイズ欄に「OWL(アウトラインホワイトレターの略)」とあるのが該当。
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY R/T」
全面白文字タイプで、タイヤサイズ欄の「注B」に「◆(青い菱形)」が該当。
なお、「OPEN COUNTRY A/T EX」のように、ホワイトレター専用タイヤもあります。
BFグッドリッチ「ALL TERRAIN T/A KO2」
BF・GOODRICH (BFグッドリッチ) All-Terrain T/A KO2 (オールテレーンT/A KO2) LT325/65R18 127/124R LRE RW…
全面白文字タイプで、サイズリストの各サイズ末尾に「RWL」とついているのが「ホワイトレタータイプ」に該当。
グッドイヤー「WRANGLER AT SilentTrac」
GOODYEAR(グッドイヤー) サマータイヤ WRANGLER AT SILENTTRAC 265/70R17 116H XL 1本
輪郭のみ白文字タイプで、タイヤサイズの頭に「*」印のついているのが該当。
なお、「EAGLE #1 NASCAR」のように全面白文字タイプのホワイトレター専用タイヤもあります。
買ったらブルーレター?まずは洗おう
なお、正規品は購入時にホワイトレターの上に青い保護剤が塗られている場合も多く、「ホワイトレタータイヤを買ったつもりがブルーレターだ!」と面食らうかもしれません。
もちろん保護剤を落とせばちゃんと白くなりますが、その過程で傷がついてしまう可能性も高く、ユーザー任せにしているタイヤショップが多いため、購入したらまずは洗って保護剤を落としましょう。
ホワイトレタータイヤの青い保護剤とは?落とし方は?
新品のホワイトレタータイヤは文字部が青く着色されていますが、これは正常です。間違ってブルーレタータイヤを購入したわけでもありません。タイヤメーカーでは出荷に際してレター部分を保護するための青い薬剤を塗布しています。
この保護材は、ぬるま湯をかけてスポンジで軽く擦るだけで落とせます。もし、お湯で落ちなければスポンジに中性洗剤をつけて擦り落としましょう。強く擦るとレター部に傷が付いてしまうため力の入れすぎに注意してください。
店頭で組み付けてもらったタイヤでもレター部の保護の観点から、保護材落としをユーザー任せにしている業者が多いようです。この保護材は水性であり、放置しておくと雨で溶け出した保護材が垂れ落ちてタイヤやホイールを汚してしまうため、タイヤの組み付け後は早めに保護材を落としましょう。
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...