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自動ブレーキ(衝突軽減ブレーキ)とは?国産車の自動ブレーキ比較まとめ|2022年最新情報

前走車の急ブレーキや、歩行者の飛び出しなどの緊急時に効果を発揮する自動運転レベル1相当の技術である自動ブレーキ 。衝突被害軽減ブレーキ認定制度によって一定以上の性能が担保されているものの、メーカーによって性能が異なります。各メーカーによる自動ブレーキの特徴や性能の違いなどについて解説します。

自動ブレーキとは?

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自動ブレーキとは、車や障害物に対する衝突時の被害を軽減するために警告やブレーキアシストを行い減速を促す装置です。勝手にブレーキをかけてくれる車やシステムであると誤解されがちですが、正式名称は「衝突被害軽減ブレーキ」。

衝突が避けられないとシステム上で判断された場合には、自動でブレーキを作動させるものの、あくまで緊急用のものです。

※この記事では「自動ブレーキ」という通称に統一して解説します

自動ブレーキの性能の違い

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センサーによる性能の違い

自動ブレーキのセンサーとして用いられるのは、カメラ・レーザー・レーダー・ソナーの4種類です。

それぞれのセンサーには得意・不得意があり、検知できる対象や環境が異なります。そのためメーカーは必要に応じて複数のセンサーを組み合わせることで性能を補い、対象の認識精度を高めています。

もちろんメーカーによって使用するセンサーも異なります。各センサーには以下のような特徴があります。

カメラ

カメラは可視光による画像認識で対象物の形状を正確に検知することができます。カメラを2つ搭載するステレオカメラやデュアルカメラと呼ばれるものは、人間の目のように距離を把握することができます。

赤外線レーザー

不可視の赤外線を用いるレーザーは、短距離の正確な距離計測に適します。複数のレーザーを照射することである程度の形状を把握することもできます。

ミリ波レーダー

レーダーは電波を照射し、広い範囲のおおまかな距離と形状を把握できるセンサーです。天候の影響を受けにくいというメリットもあります。

ソナー

超音波で短距離の障害物を検知するのがソナーです。ソナーは透明なガラスも検知し、おもに緊急停止時やペダル踏み間違い防止装置のセンサーとして使用されます。

検知対象・検知環境の違い

同じセンサーを組み合わせた車だとしても、制御ソフトウェアはメーカーによって異なります。検知可能の対象や環境、対応する速度域や作動タイミングなどの性能にも違いがあります。

明るい昼間は車と人を識別・検知しやすいためどのメーカーでも安定して作動します。しかし、光源が少ない夜間は作動が不安定になりがちで、メーカーによる性能の違いが出やすくなります。

また、フロントガラスやセンサー部の汚れや曇りに加え、大雨・雪・霧・暗闇・逆光などの悪天候時にも性能の違いが出やすく、場合によっては誤作動の恐れもあります。

サポカーとサポカーSの違い

自動ブレーキを搭載した車は「サポカー」と呼ばれます。それに対し「サポカーS」とは、自動ブレーキ機能に加えて、誤発進抑制装置や車線逸脱警告機能などを追加した車のことを指します。つまりサポカーとサポカーSの間で自動ブレーキの性能自体に違いはありません。

誤発進抑制機能との違い

誤発進抑制装置とは、いわゆるペダルの踏み間違い事故防止のための装置であり、障害物に衝突する危険がある場合に停止状態から発進できなくするものです。おもにエンジン側を制御するため、自動ブレーキの仕組みとは異なります。

メーカー・車種・グレード・年式による違い

自動ブレーキの性能は、政府が定める衝突被害軽減ブレーキ認定制度によって一定の安全基準以上に保たれています。しかしその性能はメーカーや車種、グレードによって異なります。

使用しているセンサーや制御によって作動速度帯や検知対象、警告タイミングやブレーキ作動条件などの細部が異なります。また、自動ブレーキシステムの改善により、同じ車種でも年式やマイナーチェンジ前後で自動ブレーキの性能が異なる場合があります。

乗員人数・タイヤ・路面状態による違い

自動ブレーキの作動条件が同じだとしても、停止するまでの距離は、車の乗員人数・ブレーキ性能・タイヤの銘柄や状態・路面状態などによって変動します。

自動ブレーキは、あくまで一定条件下でブレーキを決められたプロセスどおりに自動制御されるだけでのものであり、車の状態によっては安全に停止できない場合があります。

衝突被害軽減ブレーキ認定制度とは?

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政府が定める衝突被害軽減ブレーキ認定制度とは、自動ブレーキの性能に一定基準を設けることで安定した安全性を保つとともに、自動ブレーキ搭載車の促進のために設けられた制度です。

2020年にはさらなる基準強化が図られ、対歩行者と前後ペダル踏み間違い急発進抑制装置の搭載が盛り込まれたうえ、貨物車も対象となりました。認定を受けた車は衝突被害軽減ブレーキを意味する「AEBS」および「AEBS2」のロゴの使用が許可されます。

AEBS2の最低要件は以下のとおりです。

  • 静止障害物に対して50km/hで接近しても衝突しない、または衝突速度が20km/h以下に保たれること。
  • 20km/hで走行する障害物に対して50km/hで接近した際に衝突しないこと。
  • 自動ブレーキが作動する最低0.8秒前に、衝突回避を促す警報が作動すること。
  • 前方を横断する障害物に対して20km/hで接近した際に衝突しないこと。また動作する前に衝突回避を促す警報が作動すること。

自動ブレーキ搭載が義務化される?

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2021年11月1日以降に販売される新型乗用車には、自動ブレーキの搭載が義務化されました。それに応じて、対象車種における自動ブレーキの安全基準も国際基準レベルにまで引き上げられます。

とはいえ、日本は一部のスポーツカーやMT車を除き、ほとんどの車に高い安全レベルの自動ブレーキ装置が搭載されているため、義務化されても購入する側に大きな影響はないといえるでしょう。

また、対象は新車に限られるため、現在乗っている車に自動ブレーキが付いていない場合でも、乗り換える必要もありません。

これに続き、継続生産車は2025年12月以降、軽トラックは2027年9月以降に自動ブレーキが義務化される予定です。

サポカー限定免許が誕生?

自動ブレーキ搭載車の拡充にともない、高齢ドライバーによる事故の予防として、2022年の5月13日以降にサポカー限定免許の創設が決定されています。

サポカー限定免許とは、運転技術に不安を持つ高齢ドライバーを対象としたものです。安全性の高い自動ブレーキ搭載車のみに限定して運転を許可する免許です。

限定免許で乗れるサポカーの具体的な車種や型式は、5月の施行までに警察庁ウェブサイトで発表される予定です。

【国産メーカー別】自動ブレーキの特徴

【トヨタ】Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)

名称プリクラッシュセーフティ
使用センサー単眼カメラ+ミリ波レーダー
検知可能対象・環境自転車運転者(昼夜)歩行者(昼夜)自転車・自動二輪車(昼)
作動速度帯車・自動二輪車:5km/h〜 歩行者:5〜80km/h

ひとつのカメラとレーダーを組み合わせたスタンダードな組み合わせながら、広い検知範囲と認識区別を持つのがプリクラッシュセーフティの特徴です。

歩行者・障害物と自転車・自動二輪車を区別できる数少ない自動ブレーキシステムでもあります。レクサス車にも同様のシステムが搭載されています。

【ダイハツ】スマートアシスト

名称衝突回避支援ブレーキ機能
使用センサーステレオカメラ
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼夜)
作動速度帯車・自動二輪車:4〜80km/h 歩行者:4〜50km/h

ダイハツは、夜間でも車と歩行者を検知可能な高感度小型カメラを2つ搭載することで、高い識別性能を実現しています。

レーダー式に比べてやや車間距離精度に劣るものの、コンパクトかつ軽自動車として十分な性能を低コストで実現した自動ブレーキシステムです。

【スバル】EyeSight(アイサイト)

名称プリクラッシュブレーキ
使用センサーステレオカメラ
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼夜)自動二輪車※ブレーキランプ
作動速度帯車・歩行者:1〜160km/h

世界初となるステレオカメラの画像認識だけで昼夜の車と歩行者の区別に成功したのがスバルのアイサイト。車種によってはステアリングアシストと連携させて、ハンドル回避もできるように調整されています。

テールランプを認識するため夜間の自動二輪車も検知可能であり、最新のアイサイトXでは4つのレーダーを追加。全周囲を安全を監視します。

【マツダ】i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)

名称アドバンスドSCBS
使用センサー単眼カメラ+レーダー
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼夜)
作動速度帯車:4〜80km/h 歩行者:10〜80lkm/h

マツダの自動ブレーキシステムは、アドバンスド・スマート・シティ・ブレーキ・サポート。旧来型と同じ単眼カメラとレーダーの構成で、夜間動作にも対応しています。作動速度域を大幅に向上させることに成功しました。ロードスターのMTモデルにも自動ブレーキが搭載されています。

【ホンダ】Honda SENSING(ホンダセンシング)

名称衝突軽減ブレーキ(CMBS)
使用センサー単眼カメラ+レーダー
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼夜)自転車(昼)
作動速度帯車・歩行者:5〜100km/h

ホンダセンシングに組み込まれるCMBSは、旧来のミリ波レーダーに、広角カメラを追加したことで大幅に性能を向上。昼夜の車・歩行者の識別に加えて昼の自転車の検知も可能となり、トヨタに並ぶ高い認識性能を備えた自動ブレーキシステムに進化しました。

【日産】インテリジェント エマージェンシーブレーキ

名称インテリジェント エマージェンシーブレーキ
使用センサー単眼カメラ+レーダー
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼)
作動速度帯車:10〜80km/h 歩行者:10〜60km/h未満

高速道路上でのハンズオフや車線変更追い越し支援など、高い性能を発揮する自動運転技術「プロパイロット」の基幹となる日産の自動ブレーキシステムは。単眼カメラと高速走行時に強いミリ波レーダーによって実現しています。

【スズキ】Safety Sport(セーフティサポート)

名称デュアルカメラブレーキサポート
使用センサーステレオカメラ
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼夜)
作動作速度帯車:5〜100km/h 歩行者:5〜60km/h未満
名称デュアルセンサーブレーキサポート
使用センサー単眼カメラ+赤外線レーザー
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼夜)
作動速度帯車:5〜100km/h 歩行者:5〜60km/h未満

他メーカーがシステムの統一化を図るなか、スズキは複数のシステムを車種の価格や用途に応じて使い分けています。

ジムニー、ジムニーシエラ、スイフト、ワゴンRは高速度や悪天候にも強いデュアルセンサー式。アルト、スペーシア、ハスラー、エブリイ、キャリイには市街地で安定した識別性能を発揮するデュアルカメラ式が搭載されます。

【三菱】e-Assist(e-アシスト)

名称衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)
使用センサー単眼カメラ+赤外線レーザー
検知可能対象・環境車(昼夜)歩行者(昼夜)
作動速度帯車:5〜80km/h 歩行者:5〜65km/h未満

三菱のFCMは、単眼カメラ+赤外線レーザーによるスタンダードな構成です。アダプティブクルーズコントロール搭載車にはレーダーも追加され、5〜180km/hまで作動速度域が拡大されます。

自動ブレーキは後付けできる?

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自動ブレーキに必要となるセンサーや車両制御装置の搭載は、大規模な車の改修が必要となるため、メーカーが新車に搭載するような衝突被害軽減ブレーキは後付けできません。

ただし、ペダルの踏み間違いを防止する簡易的な装置であれば後付けすることができます。

後付け可能な自動ブレーキ装置は、安価かつ簡単に取付けできるうえ、運転ミス防止に効果を発揮します。

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執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...
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