更新
「日常使いの手頃な小さい車」なら軽自動車とコンパクトカーどちらを買うべき?“車販売のプロ”の回答が「そうだったのか!」
衝突安全性で比べると…
最後に話を聞いたのは、関東県内で板金塗装工場を営むオーナーです。20年以上この業界に身を置いているとのことですが、軽とコンパクトの違いをどのように考えているのでしょうか。
「軽の外装に使われる鋼板の薄さを見ていると、ちょっとためらう気持ちはありますね。もちろん、車体の骨格部分は強度が確保されていますし、実際に私自身も足用に軽を使ってはいるんですけど。
ただやっぱり、ドアやルーフなんかのアウターパネルはコンパクトと比べても薄い車がほとんどなので、気になるといえば気になりますよね。まぁ実際、わずかな違いではありますが。
あとは対応している衝突安全性基準も、軽とコンパクトは違ったりするじゃないですか。軽は日本独自の規格ですから、衝突安全性も基本的に国内の基準だけに合わせています。一方のコンパクトカーは、多くの車種が海外展開もされているので、欧米の基準も念頭に置いて作られていますよね。
もちろん軽のなかにも、メーカーが独自の基準で安全性を高めている車種はありますし、実際に事故に遭った際『軽だと助からず、コンパクトなら助かる』というケースはそうそうないとは思いますが……それでも予算的に可能なら、強度の高い車を選ぶに越したことはないのかな、と」(板金塗装工場オーナー、勤務歴23年)
こちらのお話にもあるように、国内外には自動車の安全性を評価するさまざまな試験があります。
日本においては国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構が実施する「自動車アセスメント(JNCAP)」が知られていますが、ヨーロッパにおいてはEuro NCAP、アメリカ合衆国においてはUS NCAPや米国道路安全保険協会の実施するIIHSなど、それぞれの道路事情を考慮したうえで異なる試験方法が採用されています。
「どれが一番厳しい基準か」は一概にはいえないものの、一般に「多数の地域で展開されている車種は、それだけさまざまな安全性試験への適合が求められる」という傾向は指摘できるかもしれません。
そのような点をふまえると、海外展開の多いコンパクトカーの方が、安全性について「安心できる材料が多い」という考え方もあるでしょう。
このように、利便性やコスト以外にも、「軽かコンパクトか」を選ぶ際の観点はさまざまです。購入の際は生活環境や用途などをふまえ、「何を優先するか」をしっかり見定めておきたいですね。
→その他の車にまつわる面白&モヤッとエピソードはコチラ!
ジャンル問わずエピソードを募集中!
面白かった、ヒヤッとした、イライラした、感動したなど、ジャンルを問わずエピソードの投稿をお待ちしております!
※スマートニュースなどで閲覧されている場合、フォームが表示されませんので、お手数ですが本体サイトにアクセスの上、フォームより投稿してください。
お役所仕事で日本車メーカーが衰退?近い将来、軽自動車が消えちゃうかも
普段やりがちな“ある行為”が愛車の寿命を縮めてるかも?
「やっぱりアレにしておけばよかった」車の購入後に後悔したエピソード
- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...