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【高級ミニバンvs高級セダン】快適さやコストで徹底比較!おすすめはどっち?
目次
高級ミニバンと高級セダン、おすすめは?
積載性能と快適性を両立させたファミリーユースに大人気のミニバンと、すべての車の基本として古くから根強い人気をもつセダンは、その形状の違いから必然的に美点と弱点が存在します。
そのなかでも、快適な移動に特化した高級ミニバンと高級セダンではどちらがより優れた乗り物であるかを比較します。
長所と短所を知って「自分が車に求めているもの」を見つけよう!
本記事の主旨は、高級ミニバンと高級セダンの長所と短所を、自分の使い方や運転に照らし合わせることで「自分が車に求めているものは何なのか」を見つけることです。
比較対象となる高級ミニバンとは、普通のミニバンとは明確に差別化がはかられた豪華なミニバンを指します。対する高級セダンは所有し運転する目的のものを指しますので、いわゆる運転手つきの車である「ショーファードリブン」は含まないものとします。
両車とも、単純な乗り心地や快適性や実用性の比較だけではなく、コストパフォーマンスからリセールバリューまで含め、どちらが日常生活のなかで総合的な性能に優れているかを分析し徹底比較します。
高級ミニバンと高級セダン、快適さを徹底比較!
車の快適さとは、具体的には移動の際に感じる肉体疲労と精神疲労を抑えること意味します。
まずは、高級ミニバンと高級セダンの重要な要素である快適性を比較します。
運転しやすさは街乗りなら高級ミニバン、遠出なら高級セダン
運動性能という意味では、機動性に優れるセダンの方が断然優れています。
その違いは、交差点を曲がる際やワインディングロードを走れば歴然とした差として感じられるでしょう。
一般的に、車重が増加するミニバンでは、ステアリング操作に対する反応やアクセル操作に対する加速レスポンスがセダンのそれに劣る傾向にあります。操作に対する反応遅れはドライバーに瞬間的な先読み運転を要求するため、それは精神疲労の一原因となってしまいます。
しかし着座位置が高いミニバンは、高い視点により周囲の交通状況を把握しやすいため、狭い道や狭い駐車場、都市部の移動ではミニバンの見切りのよさが利点になります。
セダンは、機動性が要求されるワインディングロードや郊外道路に適した遠出向き。対して、穏やかな特性のミニバンは、速度域の低い街乗り向きといえます。
乗り心地では高級セダン
車の乗り心地に大きな影響を与えるのがサスペンションの硬さ。一般的に車重が軽いほど、重心が低いほどサスペンションを柔らかくすることができるので、乗り心地はセダンの方が圧倒的に優れることになります。
対するミニバンは、高い重心による横転を防ぐためにサスペンション硬く締め上げざるをえないうえ、車の高い位置に座るため、車が揺れる度に身体が横にゆすられがち。
その点、低重心のセダンは運動性能と乗り心地を高レベルで両立できる理想的な形なのです。
車内の静かさでは高級セダン
車内の静粛性でもセダンの方が優れます。
車内に侵入する騒音には「エンジンノイズ」「ロードノイズ」「風切音」がありますが、キャビンからエンジンが離れた位置にあるセダンは、エンジンノイズが聞こえにくいのが特徴です。
また、ロードノイズの大きな侵入経路である前後のアッパーマウントは、キャビンから隔離されるとともに強靭なボディフロア剛性がロードノイズの低減に作用します。
セダンの低くなだらかなボディ形状は空気抵抗による風切音を防止します。
対するミニバンは、広い室内空間を実現するためにエンジンとキャビンが近く設計されるため、車内にエンジンノイズが響きやすい構造。
また、リアサスペンションのアッパーマウントが車内にあるためロードノイズが侵入しやすい構造であるうえ、前方投影面積が大きな背高ボディの形状は空気抵抗により風切音の発生原因となります。
その対策として高級ミニバンでは、大量の遮音材追加により静粛性を確保していますが、同質量の遮音材を使った場合では、セダンの方が静粛性に優れる結果になります。
長時間ドライブは高級セダン
コントロール性や乗り心地、静粛性の3点で優れる高級セダンの方が、身体的・精神的疲労が抑えられた長時間ドライブ向きの車両であるといえます。
とはいえ、高級ミニバンが長時間のドライブに向かない車であるとはいいきれません。
ミニバンの高い頭上空間は移動時の圧迫感を減少させ、リビングにいるようにくつろげる開放感が魅力。高級ミニバンは、実用性重視のミニバンに、豪華な内装と快適に走行可能なサスペンションを与え、乗員全員が移動しながらのリラクゼーションを満喫できます。
乗り降りのしやすさは高級ミニバン
乗降性は広いドア開口部とスライドドアを備え、座面が高めの位置にあるミニバンが圧倒的に優れます。
しかし高齢者となると、乗り込みやすさでは座面の低いセダンの方が楽に乗車することができます。
ミニバンの高い床面と座面は、体力の落ちた高齢者が上るには一苦労でdす。しかし、ミニバンは余裕のある室内空間を活かして、乗降用のサイドステップや電動サイドリフトアップチルトシートなどの介護装備を増設できるため、総合的な乗降性ではやはりミニバンが優れるといえます。
居住空間の快適さは高級ミニバン
実質的にセダンのおよそ2倍の室内空間をもつ高級ミニバンでは、快適性もセダンにくらべて2倍ほどに感じられるでしょう。室内空間が広く取られている大型高級セダンとはいえ、車内の圧迫感は完全に消し去ることはできません。
大容量の居住空間を備え、とくに頭上空間に余裕のある高級ミニバンの車内は、リビングにいるかのように快適。シートを畳めばさらに広い空間の確保が可能であり、車を移動の道具に限定しない拡張性の高さがミニバン最大の魅力です。
シートのクオリティはどちらも高い
シートの自体のクオリティは、高級ミニバン、セダンともに座り心地のよいシートが備えられます。
シート生地には上質で肌触りのよい素材が使われますが、人気なのはやはり本革。たっぷりとしたサイズとクッション性に加え、硬すぎず、柔らかすぎない適度に調節されたシートクオリティは、高級車を構成する上で重要な部品の一つです。
高級ミニバンのシートの特徴は、好みのリクライニング角度に細かに調整可能で、好みの姿勢に合わせやすいのがメリットです。
高級セダンの中にもリクライニング可能なシートを備えるものがありますが、調整角度ではミニバンには劣ります。かわりに高級セダンには振動や指圧マッサージ機能を備える車も存在します。
車全体で考えるとセダンのほうが上
リアシートが高剛性のフロアに直接設置されるセダンに対し、シートレールを介してシートが取り付けられるミニバンは、床面のボディ剛性によっては走行時の振動が乗員に伝わってしまう場合があります。
そのため、高級ミニバンと高級セダンでシートは同じクオリティでも、座り心地はセダンの方が優れる傾向にあります。
安全性の高さは高級セダン
安全性の高さでは、エンジンルームと荷室とキャビンが隔離された高級セダンが勝ります。
車の安全装備には、事故を回避するアクティブセーフティと、事故の被害を低減するパッシブセーフティにわけられます。
近年増加している車両姿勢安定装置や自動ブレーキなどはアクティブセーフティに分類され、両車の装備に大きな違いはありません。しかし、衝突事故後のパッシブセーフティ性能では、ミニバンとセダンのボディ構造により明確な差があります。
セダン特有の安全性
セダンの前後に突き出たエンジンルームとトランクルームは、衝突事故の際には潰れながら衝突時のエネルギーを減衰させ、乗員にかかる衝撃を和らげるクラッシャブルゾーンとして働きます。さらに、ミニバンに比べセダンの狭いキャビンは、強固な構造体として潰れにくい特性です。
また、エンジンルームと荷室とキャビンが隔離された形状は、エンジンから出火した際や不審な荷物から乗員を守る意味もあり、キャビンが独立したセダンの方があらゆる面で安全性が高いことになります。要人の移動にセダンが多く使われるのは、安全な骨格構造を備えた車だからです。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...