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トーションビーム・ダブルウィッシュボーン・マルチリンクとは?
サスペンションとは
車体とタイヤをつなぐサスペンション

サスペンションとは「スプリング」と「ショックアブソーバー」で構成され、タイヤを吊り下げボディを支える役割を果たしているもののことを言います。車体の振動吸収やハンドリングにも影響を及ぼす重要なパーツです。
様々な種類のサスペンションがある
サスペンションにも様々な種類があるのをご存知ですか?
コストの安い物から乗り心地を重視した高めのものまで、その車の特徴や価格に合わせたサスペンションが採用されます。
今回は、乗り心地に大きく影響するリヤサスペンション、中でも現在の主流である「ダブルウィッシュボーン」「マルチリンク」「トーションビーム」の3つについてご紹介します。
1.ダブルウィッシュボーンサスペンション
「ダブルウィッシュボーン」サスペンションは市販車からレーシングカー、高級スポーツカーまで幅広く採用されています。乗り心地と走行安定性のバランスが良いことがダブルウィッシュボーンのメリットです。
タイヤが上下する際にキャンバー角の変化を最小限に抑えることができるので、路面追従性が良くてタイヤがしっかりグリップすることができます。ダブルウィッシュボーンサスペンションの欠点は高価なことと、ある程度のスペースが必要なことです。よって、安価なコンパクトカーにダブルウィッシュボーンサスペンションが採用されることはほぼありません。プリウスでは燃料タンクとバッテリーの位置を変更することにより、トーションビームからこのダブルウィッシュボーン式に変更され快適性がアップしました。アルファードやヴェルファイヤでもこの形式が採用されています。
ダブルウィッシュボーンサスペンションはワンランク上のサスペンションというわけです。
ダブルウィッシュボーン採用例

トヨタ・プリウス:2,429,018円~
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本日の在庫数 11156台 平均価格 123万円 本体価格 0~400万円 -

スバル・インプレッサ:1,598,400円~
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本日の在庫数 809台 平均価格 128万円 本体価格 12~1,600万円 -
2.マルチリンクサスペンション

「マルチリンクサスペンション」は上記で紹介した「ダブルウィッシュボーン」と性能的に近いものがあります。そのため、メーカーによっては「マルチリンクサス」でも「ダブルウィッシュボーン」と呼ぶ場合があり、そのくくりはやや曖昧な物となっています。
一般的には「ダブルウィッシュボーン」をより複雑な構造にしたものが「マルチリンクサスペンション」という認識です。構造は分割した2つのサスペンションアームによって形成される「ダブルウィッシュボーン」に対し、「マルチリンクサスペンション」は独立した複数のアームで構成されています。
「ダブルウィッシュボーン」よりもきめ細かい制御が可能で、ハンドリング、乗りご心地、路面追従性をより重視したモデルに採用される傾向があります。
マルチリンクサスペンションのデメリットは「ダブルウィッシュボーン」と同様コストが高く、ある程度のスペースを必要することです。海外ではプレミアムコンパクトのような乗り心地を重視したモデルに採用されることもあります。
マルチリンクサスペンション採用例

アウディS1:4,230,000円~
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マツダ・ロードスター:2,494,800円~
3.トーションビームサスペンション

トーションビームサスペンションは前輪駆動のモデルに多く採用され「車軸式」と呼ばれることも。コストが安くシンプルなことからコンパクトカー、ファミリーカーまで広く採用されています。比較的軽量な車体に採用されることが多いですが、大型のミニバンにも採用されていたこともあります。
トーションビームサスペンションのデメリットは、キャンバー角の自由度が低いため、悪路やカーブでの接地性が低いという点です。
トーションビームは性能が悪い?
トーションビームサスペンションは、比較的価格の安いコンパクトカーに採用される例が多いため、コストを削減した安いサスペンションというイメージが定着してしまいました。
トーションビームサスペンションは、トヨタのアルファードやヴェルファイヤに採用されていた際は批判の声も多くありました。これは室内空間の確保やミニバンの性質を考慮したためだと思われますが、高級車をうたうミニバンには受け入れられなかったようです。
しかし、サスペンションの技術も日々進歩しトーションビームサスペンションの性能は良くなっています。
例えばフィットも例のごとくトーションビームサスペンションを採用しています。しかし、前後に2つのトーションビームサスペンションを配置し、前側の剛性を意図的に落とすことでマルチリンクサスペンションのようにトーインになるようにしています。これにより、クラスを超えたコーナリングの安定性を手に入れました。
トーションビーム採用例

トヨタ・ウィッシュ(FF):1,905,709円~
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本日の在庫数 1129台 平均価格 60万円 本体価格 7~200万円 -

ホンダ・CR-Z:2,700,000円~
車のキャラクターに合わせた足回りが採用される
リヤサスペンションについてご理解を深めることはできましたでしょうか。
自分の車のサスペンションが何なのか分からない方はぜひ調べてみてください。
思っていたものと違う場合もあるかもしれませんが、それはメーカーが吟味をしてその車に最適なサスペンションを採用した結果です。なぜ、そのサスペンションが採用されたのか、メーカー側の意図を想像しながら考えてみるのも面白いかもしれませんね。
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- この記事の執筆者
- MOBY編集部 第4グループ