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「RVって何?」~SUV、ミニバン、トールワゴンにステーションワゴン、1990年代でついに開花した「RVブーム」!~【推し車】
目次
FF低床ハイルーフミニバンの台頭
1980年代までのミニバンといえば、「1960年代以来となるフルキャブオーバー1BOX商用車の乗用ミニバン」、「1982年頃から登場したFF乗用車ベースのロールーフミニバン」の2種類でありました。
そこへ1990年にアンダーフロアミッドシップでタマゴ型ボディの「エスティマ」がトヨタから登場、ただし予定していた新エンジン(S2機関)が開発中止となったためにパワー不足気味で、一回り小型化してディーゼルエンジンも加えたエスティマ エミーナ/ルシーダが1992年に登場します。
このエスティマ系も当時としては十分に革新的でスタイリッシュではありましたが、床下エンジンの悲しさでキャビンの騒音だけはフルキャブオーバー1BOX車と変わらず、RVブームにおける真の革命は1994年のホンダ初代「オデッセイ」から。
ただし、オデッセイにしても乗用車ベースのロールーフミニバンという意味では日産 プレーリー、三菱 シャリオ、マツダ MPVと変わらず、より革命的なミニバンとして誕生したのが、乗用車ベースながらもハイルーフのホンダ初代「ステップワゴン」(1996年)。
オデッセイやCR-V同様、RVブームに乗り遅れて気息奄々だったホンダらしく、なるべく予算をかけずに乗用車ベースで作りましたが、そのわかりやすい箱型ハイルーフボディと、FF乗用車並の快適性や操縦性は、質素な内外装による道具感も相まって大ヒット!
1999年には日産 セレナの2代目(C24系)が、2001年にはトヨタからもノア/ヴォクシーが同様のコンセプトでヒットしますが、原点となったのはステップワゴンでした。
特異だったのはデリカ・スターワゴンに続きパジェロ系のシャシーとパワートレーンにミニバンボディを載せたデリカ・スペースギア(1994年)を擁する三菱のミニバンSUV路線ですが、現在主流となっているFF低床ハイルーフミニバンも、1990年代RVブームの産物です。
報われなかった「挑戦車」たち~「トヨタが夢見てつまずいた国民車」パブリカ(初代)
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...