車はおもしろい!を届ける自動車情報メディア MOBY [モビー]

新型ルノー・トゥインゴ EDC 試乗レポ|個性豊かなフレンチ・コンパクト

ロングドライブ試乗レポートVol.33

フレンチ・コンパクト「ルノー・トゥインゴ」

今回のロングドライブ試乗レポートは、

フランスの自動車メーカー「ルノー」のコンパクトカー「Twingo(トゥインゴ)」です。

ルノー・トゥインゴの初代は1992年にデビュー、2007年に2代目へフルモデルチェンジ。2代目トゥインゴが今年8月にマイナーチェンジされました。このマイナーチェンジの主な変更点、追加点は以下の通り。

・ヘッドライト、リアライトのデザインが「C」シェイプLEDランプに。
・前後バンパーのデザイン変更
・新デザインのアロイホイール
・スマホ対応マルチメディア「EASY LINK」を採用
・車線逸脱警報、タイヤ空気圧警報を追加

詳しくは後述します。

ルノー・トゥインゴ EDC

背景は榛名富士。ヘッドライトの輪郭が「C」。

今回のロングドライブの目的地は、頭文字D(イニシャルD)の主人公、藤原拓海のホームコース、秋名山こと榛名山。イニDとは全く関係のない車で行きました。

榛名山のレポートは下記からご覧ください。
(※スマートニュース、LINEニュースなどのアプリでは、リンクやYouTubeなどの表示がされませんので、この画面下部にあるオリジナルサイトへのリンクからご覧ください。)

ルノー・トゥインゴについて次の10項目をチェックしていきます。

1:外装デザイン
2:内装デザイン
3:乗り心地・居住性
4:走り
5:使い勝手・荷室空間
6:個性
7:楽しさ
8:安全・先進性
9:燃費・経済性
10:コスパ

パリが育んだ外装デザイン

ルノー・トゥインゴ EDC フロントマスク

もう、これは「かわいい」の一言で形容して良いのでは?

ルノー・トゥインゴ EDC 外装デザイン

日本車にはない独特のフレンチ・デザイン

ルノー・トゥインゴ EDC リアデザイン

ルノーはトゥインゴを「パリが育んだデザイン、伝統と新しさが調和する」と形容しています。

ルノー・トゥインゴ EDC リアデザイン

所有すればじわじわと愛着が湧いてくるのでは?

ルノー・トゥインゴ EDC

デザイン重視のモールというより実用的なプロテクター。フランス人はバンパーやプロテクターは当てて擦って乗るものという認識。

ルノー・トゥインゴ EDC

遊びココロあるトゥインゴのモチーフをデザイン。

ルノー・トゥインゴ EDC

隠しドアハンドルデザイン。

広く見せる工夫がされた内装でスマホの音楽も楽しめる

ルノー・トゥインゴ EDC インパネ 内装デザイン

ドライバー視線で撮影。

ルノー・トゥインゴ EDC

黒に近いグレとオフホワイトの2トーンカラーは、必然的に室内が狭くなるコンパクトカーでこの配色は室内を広く感じさせることができている。

ルノー・トゥインゴ EDC

白は膨張色、実際より大きく広く見える効果あり。

ルノー・トゥインゴ EDC メーター周り

メーターはオレンジ一色でまとめられている。

新型トゥインゴには7インチのマルチメディア「EASY LINK」を搭載。Apple CarplayとAndroid AUTOが使えます。Spotify、Apple Musicなどのサブスクリプションサービスとスマホ内の音楽も楽しめます。カーナビはありませんが、Googleマップ、Yahoo!カーナビ(Apple Carplayのみ対応)が使えるので不自由はしないでしょう。

USBポートは2つ。スピーカーはツイーター2個とウーファー2個の4スピーカーシステムでなかなかの音で音楽が楽しめます。

乗り心地と居住性

フランス車は総じてシートの質が高いとされています。ルノーのラインナップでエントリークラスとなるトゥインゴもそこは妥協せず。室内空間の広さに対しては大きめのシートで長時間の運転も問題なし。筆者の腰は経年劣化でシートが悪いとロングドライブの次の日には整骨院のお世話にならないといけませんがトゥインゴはだいじょうぶ。

21世紀に入って出た新型車で乗り心地の悪いクルマを探すのは困難です。同じルノーの車で、メガーヌ R.Sはサーキット走行を想定し足回りが固められています。この車を持ってきて乗り心地が悪いではないか、というのはナンセンス。トゥインゴは日常で乗り回すことを目的にした車。高級車のようなしなやかでなめらかで静かな乗り心地も求められていません。トゥインゴは、はい、合格です。高速道路から一般道で踏切を渡るようなシーン全般的に「乗り心地が悪い!」と感じることはないでしょう。

後席はいかにも狭そうですが、身長180cmの筆者が座われます。ホントに狭いクルマだと足が入らなかったり頭が天井につかえたりしますが、トゥインゴはだいじょうぶ。さすがにフロントシートのスライドは前にしないといけませんが、長距離ドライブでなければ大きめの男性4人が移動できる居住性があります。しかし、図体の大きいオッサン4人がトゥインゴに乗っている光景はあまり見たくありません。

ルノー・トゥインゴ EDC

昭和の時代に流行った3ドアハッチバックの後席窓はだいたいこの方式で窓が開いていた。

使い勝手と荷室空間はRRとは思えない。

フランス人は合理的な国民性といわれています。小さなクルマでも合理性はしっかり。助手席を倒せば2.3mの長さのラゲッジスペースが生まれます。この長さがあれば、ゴルフバッグ、ロングサーフボード、スキー板、なぎなた、弓矢などたいていのスポーツ用品、アウトドア用品が収まります。近年「おひとりさま」というワードが着目されていますが、まさに、おひとりさまでオフタイムを楽しむ方々には合理的な実用性があります。

ルノー・トゥインゴ EDC

ラゲッジスペースの下にエンジンがある。その割には広い。

後述しますが、トゥインゴは車の後部にエンジンがある「RR」方式。車の歴史上でRRでありながらエンジン上部に荷室空間を設けたのは私の記憶が正しければトゥインゴだけ。

ルノー・トゥインゴ EDC

音と熱を室内に入らないようにするトゥインゴ専用の遮断フォーム。これを外して乗ると相当にうるさかった。

ルノー・トゥインゴ EDC

荷室のマットを外すとエンジンルームのフタ。しっかりビス留めされ気密性と遮音性が保たれている。

ルノー・トゥインゴ EDC

前席からと後席からの両方で使えるドリンクホルダーと小物置き。

小気味よい加速感が楽しい走り

ルノー・トゥインゴ EDC エンジンエアインテーク

後ろにあるエンジンに空気を送り込むインテーク。小さいけれど効果抜群だとか。

トゥインゴは峠では排気量の小さいことを忘れてしまうかのような元気の良い走り、高速道路では直進安定性の良さが光る走り。トゥインゴには、直進安定性を高めるための制御が入っていますが、至って自然な制御で言われなければわからないレベル。

トゥインゴはエンジンを後ろに積み後輪を駆動する「RR」。今や駆動方式にRRを採用するのはトゥインゴとポルシェ911ぐらいしかなく、ことにコンパクトカーにおいては完全にFFによってRRは駆逐されてしまいました。

1970年代までのコンパクトカーはRR方式がよく採用されていました。FFはエンジン、トランスミッション、ステアリング装置といった主要構造部をボンネットの下に配置します。対してRRのボンネット下の主要構造部はステアリング装置のみ。前輪の操舵角度はモノが少ないRRの方がたくさん取れ、小回りが効く車になります。今やパワーステアリングがどの車も装備されていますが1970年代まではそれがなかったため、前が重たいFFでは非常にハンドルが重たく小回りが効かなくなるといったクセもありました。

車は加速するときに荷重が後輪にかかります。極端な話ですが……クルマは急加速すると前輪が浮きます。FFで超ハイパワーなエンジンを搭載して急加速をすると前輪が一瞬浮くがすぐに失速して着地、再びタイヤが地面を掴んで急加速するが前輪が浮き……というギクシャクとした加速になります。(FF車はこのあたりをきちんと考慮して設計されるので実際にはそうなりませんが)対してRRでは、加速時に駆動輪となる後輪にしっかりと荷重がかかり加速しやすくなります。全く同じスペックなら、FFよりRRの方が加速感がよくなります。

最高出力92ps、最大トルク135N・m、車両重量1,020kgとまずまずのスペック。しかし、このRRの物理的な特性がトゥインゴの走りを体感的に良くさせています。

トランスミッションは6速EDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)。デュアルクラッチ(DCTとも表記される)はスポーツカーにも搭載され、シフトチェンジ速度はプロカーレーサーよりも早いとされています。トルコンATに比べてギクシャクするという声もありますが、しっかりしたシフトチェンジ感があり、これが走りの楽しさに繫がってると感じ取ることができます。

RRのネガティブな要素としてはリアが重くフロントが軽いため、物理的に加速しながらのコーナリングは苦手になることがあります。急カーブの登り坂で加速しながら走ると曲がらない、という特性になるのですが、トゥインゴのエンジンはそこまでハイパワーでないため、いい感じで走ってくれます。うまいことパワーバランスが取れたクルマだと言えるでしょう。

トゥインゴは楽しいぞ

結論から言えば、トゥインゴは楽しいクルマですね。クルクルと回って小気味よい加速感、コンパクトなボディで取り回しも楽、と言えるクルマがつまらない、ということは普通ないでしょう。小さいボディでもモノが運べる荷室空間を生み出せるのも、トゥインゴを所有してからのカーライフでの楽しさをアップさせてくれるでしょう。

安全性能と先進技術

秋名山(榛名山)頭文字D(イニシャルD)ダウンヒルスタート地点

秋名山ダウンヒルスタートはここから。

スゴイ!と唸らせる先進技術はトゥインゴにはありません。しかし、カーオーディオはApple Carplay、Android AUTOに対応、坂道発進時に後ろに下がらないヒルスタートアシストがついてます。エンジンの環境性能には先進技術が盛り込まれ、ECOモードがついたターボエンジン、電気式ウェストゲートバルブ(排気ガスの一部をターボタービンに流入させて安定させる機構)と徹底したエミッションとなっています。

ルノーに限らずフランス、イタリアのコンパクトカーには先進的な自動ブレーキや運転支援システムはついていないことが往々にしてあります。これはそれらの国の消費者側がコンパクトカーに要求していないという背景があるようですが、車線逸脱警報、バックソナー、アンチサブマリン機能付きフロントシート(衝突時に乗員がシートから滑り落ちるサブマリン現象を防止)、時速70km以上で直進走行中に横風を請けても進路のズレを最小限に抑える、サイドウインドアシスト、横滑り防止装置(日本では2014年から新車には装備義務付け)といった安全装備を備えています。

燃費と経済性

榛名山(秋名山)カーブNo.30

カーブNo.30

試乗での実燃費は、渋滞と信号待ちの多い都心部で10km/L、市街地、山岳路で14km/L前後、高速道路で20km/Lと、道路状況によってはカタログ数値のWLTCモード燃費よりもちょっと良い実燃費。回転を高めにしてターボをいい感じで効かせてしっかりと加速させた方が実燃費は良い傾向でした。

1Lを切る排気量で自動車税は登録車(普通車)では29,500円と1クラス上の1,500cc未満の34,500円より安く、軽自動車の10,800円(いずれも軽減税率考慮せず)よりは高いですが、大きく経済性を損なうまでの維持費の差ではありません。


0.9Lエンジンでもハイオク仕様(日本のガソリンはオクタン価が低く、日本のハイオクが海外のレギュラーガソリンと同程度のオクタン価という背景がある)でガソリン1Lあたり10円程度高いのがちょっとネック。しかし、月に1,000kmを平均燃費15km/Lで走ったときの燃料費はレギュラーガソリンに比べて、約650円高くなるだけ。(執筆時点の全国平均ガソリン単価で比較)

軽自動車だけで見るなら軽自動車に敵いませんが、プラス300ccのエンジンによる走りの余裕と楽しみ、トゥインゴならでは個性を考えると、その差は痛くなくなるのではないでしょうか。

個性豊かなトゥインゴ

榛名山と榛名湖

背景は榛名湖と榛名富士

内外装のデザイン、ボディサイズ、RRの駆動方式と個性豊かなトゥインゴ。試乗車とおなじマンゴー色のトゥインゴに乗ったら、乗る人の個性やライフスタイルも垣間見ることができるかも。デザインだけではないトゥインゴの個性は筆者的には高く評価したい。

コスパ

このトゥインゴ、お値段198.6万円。輸入車の中で最も安いクルマです。軽自動車で190万円を超えるプライス設定をしたモデルも珍しくない今。個性豊かで走りもカーライフも楽しいフランス車を200万円を切る車両価格で買う、となればとてもコスパはよろしいと筆者は考えます。

総合評価

新型ルノー・トゥインゴは個性とデザイン、コンパクトな車ながら使い勝手の良さが光りました。10項目を各5段階評価し100点満点に換算した総合評価特典は72点。しかし、個人的にはもう少し加点して「80点」としたい。なぜなら200万円を切る価格で、楽しいカーライフを送れそうなフレンチ・コンパクトは他にない唯一無二の存在。RRという駆動方式もプラス。

個人的には軽自動車に200万円出すなら、新型トゥインゴを選択したいですね。

おまけ:トゥインゴのボンネットを開けてみた

ルノー・トゥインゴ EDC

ボンネットは樹脂製で軽い

新型ルノー・トゥインゴ スペック一覧

メーカー名・車名:ルノー・トゥインゴ EDC
全長:3,645mm
全幅:1,650mm
全高:1,545mm
ホイールベース:2,490mm
車両重量:1,020kg
乗車定員:4名
エンジンタイプ:直列3気筒DOHC12バルブ・ガソリンターボ
排気量:897cc
最高出力:68kW(92ps)/5,500rpm
最大トルク:135N・m(13.8kgm)/2,500rpm
トランスミッション:6速EDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)
WLTCモード燃費:16.8km/L
 市街地モード:12.2km/L
 郊外モード:17.6km/L
 高速道路モード:19.5km/L
使用燃料:無縁プレミアムガソリン(ハイオク)
燃料タンク容量:35L
新車車両価格:1,986,000円(税込)

撮影・文:MOBY編集部 宇野 智

この記事の執筆者

宇野 智(MOBY)この執筆者の詳細プロフィール

MOBY編集長。小学生時代の休日は自転車でディーラーを回る「カタログ少年」TVより諸元表を見ながらの食事を好んでいた。クルマの他、鉄道、航空機、船舶も愛する。...

下取りより平均16万円も高く売れる!
複数の買取業者で一括査定「ズバット車買取」

おすすめポイント

  • たった1分で愛車の査定額がわかる
  • ガリバー、カーセブンなど最大10社から最高額で売れる業者が無料で分かる
  • 下取りより平均16万円も高く売れる!!

関連キーワード
キーワードから記事を探す


関連する車種/メーカー
車種/メーカーから記事を探す