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「テクよりタイヤが重要」元全日本ジムカーナドライバーが語る雪道のエピソード集3選
ただ所有・維持・運転しているだけでも不幸なトラブルからハッピーな出来事まで数多くのエピソードを生む自動車。やがて時が経つと積もり積もったエピソードが人生に寄り添うひとつのドラマになっていきます。
今回はそんな車にまつわる筆者が体験した、また見聞きしたうち、冬や雪にまつわるエピソードを紹介します。
Sタイヤをはいても路面が凍っちゃあ意味がない
20年前、筆者は走行1~2分程度のコースで競うタイムアタック競技、「ジムカーナ」の選手でした。貧乏だったため競技車はナンバーつきの軽かコンパクトカーで、会場へも自走。
タイヤも街乗り用など買えず、スタッドレス以外は競技本番用のグリップ力が高い「賞味期限」が切れたSタイヤ(公道も走れるセミスリックタイヤ)でした。
関東で開催されたイベントから東北の自宅へ向かう際でした。格安ビジネスホテルで一泊し、さあ帰ろうと外へ出たらなんと予報ハズレの降雪!
さすがにこれでは帰れないとホテル側に事情を話したところ、場所を移してもらえば車は後日の出庫でも構わないとのこと。助かったとは思ったのも束の間、駐車場もガッツリ積雪&凍結。
そろりそろりと動かしてはみたものの、むろん氷上性能などないSタイヤ。低スピードでもガガガと滑るわ滑る。周囲には、筆者の車が数台買えてしまう高級車もちらほら。この駐車場内で感じた緊張は、競技本番以上でした。
ノーマルタイヤや、ましてやSタイヤで積雪・凍結路面を走行するのは、低スピードであっても絶対にやめましょう。
雪が積もっても「来れるものなら走らせてやる」ミニサーキットは楽しい!
近所のサザンサーキットは、全周1.1km程度ながら採石場跡を活かしたレイアウト。アップダウンと高速コーナーからヘアピンまで多彩なコーナーが待ち構え、ドリフトからグリップ。ミニバイクから四輪まで楽しめるミニサーキットです。
最近はそうでもないですが、先代のオヤジさん(社長)が健在な頃は、雪が降った時に電話すると「おお走っていいよ。ただし登ってこれるならね?(ニヤリ)」と、挑戦状?が。
ならば走ってやるぞ!と雪をかきわけコースへの急坂を登ると、大抵はオヤジさんが気を利かして除雪してますが、たまに雪が残ったり途中で吹雪いたり。
しかしその方がドリフトでも何でもやりやすく、滑るサーキットは本当に面白かった!
「氷上のスリックタイヤ」スパイクタイヤを体験!
金属製の鋲をタイヤのトレッド面に打ち込んであるスパイクタイヤ。装着して走ってはいけない地域・車輌が多く、雪国でさえスタッドレスでの走行経験しかないユーザーがほとんどでしょう。筆者もピン抜きスパイクのスノータイヤしか経験ありませんでした。
しかしある日、知人から「氷上でスパイクタイヤ試すけど?」とお誘いがあり、生まれて初めてスパイクタイヤ走行を経験!
同じ車2台でスタッドレス、スパイクを1台ずつ履き、無理しないようスタッドレス車が先行ですが、さすがスパイク、スタッドレス程度の速度ならガッチリグリップで氷上でも不安なし!
ただし少し乾燥路が顔を出すとガリガリゴトゴト、接地面積不足でグリップガタ落ち。快適性も激減しますので、普段履きならスタッドレスの勝ちですね。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...