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デフロックとは?役割や使いみちは?搭載車や使う際に注意すべきことを解説
目次
どのような車に採用されている?
オフロード車
本格的なクロスカントリーSUV(以下 クロカンSUV)などのオフロード車に、デフロックが装着されています。
フルタイム4WDの駆動方式と高性能のセンターデフを使用している車で、デフロック機能を標準もしくはオプション設定しているようです。設計の段階から悪路を走ることを想定して作られており、ぬかるみにハマってしまう場面でも対応できる点が強みとなります。
山奥や未舗装の道路、雪道へアウトドアに出かける人は、デフロックに助けてもらうケースもあるでしょう。
軽トラック
「縁の下の力持ち」である軽トラックにも、デフロックを装着している車種があります。
軽トラックは、工事現場や農道など舗装されていない道路を走らせる機会が多いでしょう。万が一、ぬかるみにハマってしまった場面でもデフロック機能により脱出をアシストしてくれる効果があります。
軽トラックにデフロック機能が備わることは、工事現場で働く作業者や農家がスムーズに仕事を進めるにあたって心強いのではないでしょうか。
デフロックを搭載した車4選
日本で、デフロックの機能を装備している現行モデルは4車種です。自動車メーカー間でのOEM(他社ブランドでの販売)も含めれば9車種となります。
いずれも、日本の自動車業界を長く駆け抜けてきたモデルたちで、その名を知らない人は少ないのではないでしょうか。各車種・グレードごとに標準もしくはオプション装備でデフロック機能が用意されています。
この項目では、デフロックを搭載している4台の車種をご紹介します。
トヨタ ランドクルーザー
「トヨタ ランドクルーザー」は、悪路を駆け抜ける性能をもつ本格的クロカンSUVです。
1951年に初代にあたる「BJシリーズ」が登場。自動車では初の富士山6合目への登坂を実現しています。クロカンSUVの最先端を歩み、多くのユーザーより人気を集めているモデルです。
現行・300系は通算9代目にあたります。軽くて頑丈なラダーフレーム形式のプラットフォームに、ツインターボを搭載したエンジンで高い走破性を実現。加えて、セキュリティ面の強化や「Toyota Safety Sense」を搭載した先進の安全装備で、高級感を高めています。
300系では、車体のフロントおよびリヤに電動式のデフロックを搭載。グレード「GR SPORT」ではフロント・リヤともに標準装備を実現し、他のグレードではリヤのみオプション設定となっています。
グレード名 | 標準装備orオプション設定 |
GR SPORT | 標準装備(フロント・リヤ) |
ZX、VX、AX、GX | オプション設定(リヤのみ) |
- 最新「トヨタ ランドクルーザー」中古車情報
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本日の在庫数 546台 平均価格 902万円 支払総額 250~1,960万円
トヨタ ランドクルーザープラド
「トヨタ ランドクルーザープラド」は、ランドクルーザーシリーズの弟分モデルにあたる本格的クロカンSUVです。
1990年に70系ランドクルーザーのワゴンタイプ派生車として初代が誕生。2009年に登場した現行・150系は通算4代目で、10年以上の長寿モデルとなっています。
150系には電子制御走行システム「マルチテレインセレクト」を搭載しています。砂地や岩面、雪道などのオフロードを、5つの走行モードへ切り替えることにより悪路を駆け抜ける高い走行性能が魅力です。
150系では、2,700㏄ガソリンエンジンを搭載したグレードには電動式のセンターデフロックを標準装備。加えて、2,800㏄ディーゼルエンジンを搭載したグレードには電動式のリアデフロックがオプション設定されています。
グレード名 | 標準装備orオプション設定 |
TZ-G | オプション設定(リヤ) |
TX 5人乗り TX 7人乗り TX”Lパッケージ” 5人乗り TX”Lパッケージ” 7人乗り | 標準装備(センター) |
- 最新「ランドクルーザープラド」中古車情報
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本日の在庫数 2543台 平均価格 431万円 支払総額 92~3,998万円
スズキ キャリイ
「スズキ キャリイ」は、誕生から60年の歴史がある、「働く人の頼れるパートナー」のキャッチコピーをもった軽トラックです。
2,030mmの荷台フロア長と650mmの荷台床面地上高は軽トラックでも屈指の性能となっています。
キャリイは他の自動車メーカーへOEM供給されており、兄弟車は以下の3車種です。
- マツダ スクラムトラック
- 日産 NT100クリッパートラック
- 三菱 ミニキャブトラック
キャリイには4WDで5速MTを採用したグレードにデフロック機能を採用しています。「DIFF LOCK」スイッチを押すだけで作動し、ぬかるみの脱出を手助けしてくれるシステムです。30km/h以上を超えたら自動でデフロックが解除される仕組みとなっているため安全性に優れています。
デフロックが標準装備されているグレード |
KX(4WD 5MT仕様) |
KC(エアコン・パワステ農繁仕様 5MT仕様) |
KC(パワステ農繁仕様) |
X(4WD 5MT仕様) |
- 最新「キャリイトラック」中古車情報
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本日の在庫数 3521台 平均価格 92万円 支払総額 10~445万円
ダイハツ ハイゼットトラック
「ダイハツ ハイゼットトラック」は、誕生から60年の歴史があり、働く人に寄り添い続けてきたニュースタンダードの軽トラックです。
ボディ下部に亜鉛メッキ鋼板を採用し、サビに強く頑丈で耐久性に優れた特徴をもっています。
ハイゼットトラックは他の自動車メーカーへOEM供給されており、兄弟車は以下の2車種です。
- トヨタ ピクシストラック
- スバル サンバートラック
ハイゼットトラックには「スーパーデフロック」と呼ばれる機能を軽トラック初のCVT仕様にも設定しています。
スーパーデフロックが標準装備されているグレード |
ジャンボ(4WD、5速MTもしくはCVT) |
エクストラ(4WD、5速MTもしくはCVT) |
スタンダード農用スペシャル(4WD、5速MTもしくはCVT) |
- 最新「ハイゼットトラック」中古車情報
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本日の在庫数 4080台 平均価格 108万円 支払総額 15~489万円
デフロックを使う際に注意すべきこと
悪路以外ではデフロックを切るようにしましょう。
デフロックは種類問わず、片方の車輪が空回りしている状態での使用が推奨されています。もう一方の車輪に駆動力がかかるようにできる反面、デフの機能が使えないようになるからです。
デフロックを使ったままカーブを走行すると、左右の車輪で起こる回転の差がありません。加えて、タイヤやドライブシャフトにダメージが伝わりやすく、車の故障につながる可能性があります。
悪路を通過した後はメーターに表示されているマークの点滅、あるいはデフロックのスイッチが入ったままとなっていないか確認するとよいでしょう。
現代はデフロックでなく電子制御システムが主流に
現代のクロカンSUVやクロスオーバーSUVでは、デフロックではなく電子制御の4WDシステムを使っているモデルが存在します。「LSD」や「アクティブAWDシステム」、走行モードの切り替え機能などが代表例です。
LSDにデフロックと近い機能がついている
「LSD」(リミテッド・スリップ・デフ)と呼ばれるパーツに、アクスルデフロックやセンターデフロックに近い機能が備わっています。
LSDは、カーブを曲がる際に片輪が浮き上がっても、もう一方の車輪に駆動力がかかる仕組みを取り入れているパーツです。通常のデフが行う車輪の回転差を調節する機能に加え、デフロックの機能も合わせもつことが特徴です。
前輪駆動もしくは後輪駆動のスポーツカーや走りを重要視した車種をはじめ多くのモデルで標準装備されています。
アクティブAWDシステムや走行モード切り替え機能にも注目
「アクティブAWDシステム」は電子制御によって、路面の状況に合わせた最適な駆動力を車輪へ送り届ける仕組みを取り入れています。
同様に、路面状況に合わせた走行モードをボタンやダイヤル操作で切り替えられるシステムを取り入れている車種があります。駆動力やブレーキ能力を調節し、悪路でスタックした際も脱出をサポートする点が魅力です。
未舗装の道路を通る機会が多い人には安心の装備
優れた電子制御システムを搭載した車が増えていると同時に、標準もしくはオプションでデフロックを装備しているモデルは減少しています。
しかし、デフロックは、ぬかるみなどにハマった際の脱出性能で優れているため、十分に悪路へ対応できるでしょう。
一般の市販品を購入し、後付けで装着できるパートタイム4WDの車種も存在します。アウトドアレジャーを楽しむ、あるいは仕事で山奥や未舗装の道路を通る機会が多いなら、デフロックを装備している/できる車がおすすめです。
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- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。