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ドリフトのやり方を駆動方式別に解説!オートマ車やFF車は不向きなの?
目次
- ドリフト走行とは?
- ドリフトの魅力と欠点や事故とは?
- モータースポーツ・競技としてのドリフトの歴史
- ドリフト向きの駆動方式とトランスミッション
- ドリテクその1:慣性ドリフト
- ドリテクその2:ブレーキングドリフト
- ドリテクその3:パワースライド
- ドリテクその4:サイドブレーキドリフト
- ドリテクその5:直線ドリフト
- ドリテクその6:シフトロック
- ドリテクその7:フェイントモーション
- MTのFF車のドリフトのやり方
- MTの4WD車のドリフトのやり方
- AT車でドリフトはできる?【上級者向け】
- ドリフトの定番車種のドリ車は?
- 【ドリ車改造・カスタム】車高調・LSD・タイヤは3種の神器
- FF車をドリ車にするカスタム方法は?
- 4WD車をドリ車にするカスタム方法は?
- 国内でドリフトを楽しめるモータースポーツやイベントは?
- ドリフトをスマホやPCで楽しめる!ドリフトゲームも人気
- 【まとめ】ドリフトは車に詳しくない人でも楽しめる
ドリテクその4:サイドブレーキドリフト
サイドブレーキを利用してテールスライドを誘発させるドリフトのことです。ドリフトでは一番用いられるテクニックです。
サイドブレーキドリフトのやり方
- ステアリングを曲がりたい方向に切り、サイドブレーキをかけてテールスライドを誘発する
- 後輪タイヤが滑りだせば、アクセルを踏んで横滑りしながらコーナーを脱出
ドリテクその5:直線ドリフト
直線上でテールスライドを誘発し、車体を左右にカウンターステアを与えた状態でコーナーに侵入し、ドリフト走行に持ち込むことです。「直ドリ」と言われることが多いです。
直線ドリフトのやり方
- 直線上でステアリングを切る。リアタイヤをスライドさせる
- 誘発時にステアリングが進行方向と逆に向くので、その角度を調整しながら直線を横滑り状態で直進
- コーナーの入り口まで進んだらアクセル踏みハンドルを操縦しながら後輪タイヤが空転した状態で旋回
ドリテクその6:シフトロック
シフトを低いギアに落とすことによって車体の後輪を滑らせ、ドリフト走行に持っていくためのきっかけにする方法です。
シフトロックのやり方
- オーバースピード気味でコーナーに突入し、曲がりたい方向へステアリングをきる
- ブレーキングと同時にシフトを低いギアに落とし、後輪タイヤをスライドさせる
- ブレーキを放し、アクセルを踏んで車両後方へ一気に荷重移動させ、ドリフト状態を維持
ドリテクその7:フェイントモーション
コーナー侵入時に一瞬曲がりたい方向と逆の方向にステアリングを切り、すぐに曲がりたい方向へステアリングを切ることで車体の後方滑りを誘発する方法です。
フェイントモーションのやり方
- コーナーの進入は、コースのアウト側から少しIN側を走行
- ステアリングを曲がりたい方向と逆に一瞬切り、ブレーキをかけて車両前方へ荷重移動させる
- ステアリングを曲がりたい方向に切ると、車体が横滑り状態へなり、ブレーキを放す
- アクセルを踏み後輪タイヤを空転させ、そのままコーナーを脱出
MTのFF車のドリフトのやり方
コンパクトスポーツカーやハッチバックモデルのスポーツカー、さらには軽自動車のほとんどはFF車ではありますが、これらのオーナーにとってドリフトは無縁ではありません。
FF車のドリフトをよく「Fドリ」と言われますが、Fドリは現在のドリフト技術において、一つのドライビングテクニックです。
Fドリで重要なのは、サイドブレーキをきっかけにしてリアタイヤを滑らすことです。
ドリフト状態を維持しながらコーナーを旋回している間も、フットブレーキやサイドを掛けながらドリフト状態を維持し、アクセルを踏みつつもサイドブレーキを引くという技術が必要です。
よって、コーナー侵入はサイドブレーキドリフトを行い、コーナーに入ってからもアクセル開けつつ、サイドブレーキをちょんちょんと引きながらリアタイヤロック状態でリアアタイヤのスライド状態を維持します。
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MTの4WD車のドリフトのやり方
雪上レースやWRCで4WD車がドリフトをするのは、悪路を速く走るための究極な走行であり、パフォーマンス上でのドリフトではありません。 特別な車で、特別な訓練をしてきたごく一部の凄腕ドライバーによるものです。
4WD車のドリフトもFF車同様に独特で、車体の荷重をうまく移動させながら4輪すべてを空転させるという走行方法を取ります。
まず、マシンのスピードを上げ、フェイントモーションをかけてからステアリングを曲がりたい方向に多めに切ります。次に、ブレーキをかける車体がコーナーを旋回していく中で、コーナーの最もIN側についたと同時にアクセルを踏みパワードリフトの状態を作ります。
そして、横滑り状態を保ちながらドリフト状態でコーナーを立ち上がることまでできれば4WDのドリフトが完成します。
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AT車でドリフトはできる?【上級者向け】
ドリフト走行にはクラッチのあるMT車の方が適しています。これは、AT車はアクセルレスポンスやシフト切替時のロスなどが大きいためです。加えて、現在のAT車(CVT含む)はほとんどがFFまたは4WDであるため、総合的に見てAT車はドリフトに不向きです。
FFオートマ車のドリテク:フェイント&タックインでアンダー対策
FFオートマ車の場合は、スピードに十分乗った状態でDレンジから2レンジにシフトダウンしてフェイントを入れ、ドリフトへのきっかけを作ります。
またFF車は、横を向いてスライドしようとする力よりも、直進しようとする力が強いため、アクセルコントロールで車を内側に向かせる技術も有効です。この方法をタックインといいます。
FF車はスピードが落ちるとスライドの態勢を維持できないため、スピンに注意しながら練習することが大切です。
4WDオートマ車のドリテク:フェイントが有効も超高難度
4WDオートマ車の場合は、FFオートマ車よりもさらに滑りにくいため、高難度のテクニックが必要ですが、こちらもフェイントモーションが有効です。しかし、4輪が全て駆動しているため、コントロールはとても難しくなります。
ドリフトの定番車種のドリ車は?
ドリフト界隈で長年愛されてきたドリ車の代表格といえば、やはり日産 シルビアでしょう。中でもS13やS14が比較的人気です。
S13やS14が発売されていた頃は、若者でも手が届くドリ車やスポーツカーが多くありました。
ドリフトに特化したドリ車のおすすめランキング記事はこちら
【ドリ車改造・カスタム】車高調・LSD・タイヤは3種の神器
ノーマル車でもドリフトは可能ですが、最新車種では様々な電子制御がかかって横滑りが全くできないことがありますし、プロドライバーでも魅せるドリフトを追求するとある程度のパワーは必要になります。
車高調
車高調とは「車高などの調整ができるサスペンション」のこと。つまり、車高を低くしバネや減衰力を固めのセッティングした足回りにすること、およびそのためのパーツです。
車高調をセッティングすることでコーナリング時のロール(車の傾き)量が減り、ハンドルを切った時に車がダイレクトに曲がっていく走行感になります。
またドリフトで重要なのは、タイヤがどんな状態なのか感じ取ることですが、車の滑り出す瞬間を察知し、どれぐらいの速さでタイヤを横滑り状態で空転させているか感じ取るために車高調は重要なアイテムです。
LSD
LSD(リミテッドスリップデフ)とは、コーナーをスポーツ走行で曲がる際に遠心力で浮いて空回りするのを防ぐ装置です。
ドリフトでLSDを用いると、後輪の左右の回転差が無くなり均等に回すことができます。リアタイヤはしっかりと空転状態を保ちつつもコントロール性が向上するため、さらにドリフトスピードも上がります。
タイヤ
ドリ車のタイヤ選びでは、タイヤの剛性と耐久性が重要です。タイヤサイズの変更のため、ホイールとタイヤを一緒に交換することが望ましいです。
剛性とはタイヤのゴムの硬さです。ゴムでできているタイヤは大きな力が加われば変形してしまいます。硬いタイヤはハンドルを切ったときにゴムの変形が少なくて済み、応答性が高く車のコントロールもスムーズになります。
また、ドリフトはタイヤの消耗が激しいため、長く継続して走行できるための耐久性も重要な要素です。
ドリフトのようなスポーツ走行をするということは、世界トップブランドのタイヤメーカーのタイヤをつけなければならないと思われがちですが、実はそうとは限りません。現在は中国、台湾、韓国、インドネシアといったアジア系の安価なタイヤメーカーも十分な性能を持っています。
フロントタイヤ/リアタイヤの選び方とポイント
フロントタイヤに必要なものは、グリップ力と剛性です。特に、負荷がかかるフロントタイヤの剛性は重要です。また、車の軌道を決めるフロントタイヤは、グリップ力がリアタイヤ以上に重要となります。
リアタイヤについては、剛性、寿命、そして剥離耐性(はくりたいせい)が重要なポイントです。ドリフト状態ではタイヤを空転させ、常に路面でタイヤをこすりつけながら表面のゴムをはがしています。剥離耐性が高いタイヤは、ゴムがどんどんはがれ落ちる状態でも長く間タイヤの形状が変わることなく、継続して走行できます。
その他 カスタム&チューンナップできる箇所はたくさん
以上がそろってドリフトを行い、あとはその他足りないと感じたところをパーツで補っていきます。
例えば、座っているときの身体のホールド感を高めるバケットシートと4点式ベルト、パワーアップのマフラー、車体の剛性アップと安全性向上のためのロールゲージ、ストッピングパワー向上のブレーキパッドとブレーキキャリパーの交換など。
最適なドリ車にするためにカスタムできる場所はいくつもあります。
FF車をドリ車にするカスタム方法は?
FF車はリヤタイヤのセッティングが重要
FF車の場合も、車高調としっかりグリップする前輪タイヤは共通のポイントです。
FR車は、後輪タイヤを空転させタイヤを滑らせながらスライド走行ができますが、FF車は後輪タイヤをロックさせて滑らながら横滑り状態を維持していきます。そのため、FRよりもさらにリアタイヤを滑りやすくする必要があります。
そのためにはタイヤサイズを小さくし、廃タイヤに近いぐらいの使い込んだ溝の少ないタイヤに空気圧を高めにするなどの手法が取られます。
リアタイヤのサイズダウンは、ホイールサイズのダウン、またはタイヤの幅だけ狭くすることのどちらでも効果的です。空気圧は通常2.5キロですが、FF車のドリフトではリアタイヤの空気圧を3.5~4.0キロまで空気圧を高くします。
初心者にはLSDは必要なし!
FF車でのドリフトを始めたばかりの頃は、LSDを取り付けても利点をあまり感じられないようです。しかし、うまくなっていけばフロント駆動車体にLSDを取り付けることで、より高度なドリフトが可能になります。
4WD車をドリ車にするカスタム方法は?
4WD車は前後のタイヤセッティングが重要
4WD車は、まずはタイヤの空気圧の前後とも高くしタイヤが空転しやすくすることです。前タイヤの空気圧を3~4キロ、後タイヤを4キロまで空気圧を高くします。
そして、フロントタイヤにグリップ力を高いものを装着します。次に、前後に機械式LSDを装着し、駆動を一定にすることで4輪すべてが空転できるようになります。
国内でドリフトを楽しめるモータースポーツやイベントは?
ドリフトイベント①:MSCチャレンジ
ドリフト上級者から一度腕試しで参加してみたいドリフト初心者まで幅広く門戸を開いている登竜門的ドリフトイベントがMSCチャンレンジ。チームコースと個人コースに分けられており、個人コースはドリフトレベルによって三段階に分けられているので安心です。
ドリフトイベント②:D1 GRAND PRIX SERIES
ドリフトイベントやレースには様々なレギュレーションが存在するが、このD1GPの勝敗を決するレギュレーションは単純です、それは如何にかっこよくドリフトを行うか。単走と追走の2種類の競技が存在しており、特に追走はD1GPの真骨頂と言われており注目を集めます。
ドリフトイベント③:Formula Drift Japan
世界的に有名なドリフト競技イベントのFormula Drift。通称フォーミュラDと呼ばれ、日本でも名だたるドライバーが個人戦を中心にその勇姿を見せてくれています。
ドリフトをスマホやPCで楽しめる!ドリフトゲームも人気
【ドリフトスピリッツ】テクニック不要!スマホでドリフトが楽しめる
「ドリスピ」の愛称で親しまれているドリフトスピリッツは、スマホから簡単にドリフトレースが楽しめるゲームです。走行する車の進行方向には、ドリフトの基準となるラインが表示されます。あとは直感操作で画面をタップするだけ!初心者でも簡単にドリフトが楽しめます。スマホアプリといえどグラフィックやBGMが本格的な点にも注目です。
【ドリフトスピリッツ】Androidの方はこちらからダウンロード
【ドリフトシティ】バトルもストーリーも迫力大!レーシングRPG
レースゲームの印象が強いドリフトモノですが、ドリフトシティは「レーシングRPG」を謳うだけあって、世界観がかなり作り込まれたPCオンラインゲームです。ゲーム内の2種類の通貨で車をカスタムし、レースやミッションに挑みます。
【まとめ】ドリフトは車に詳しくない人でも楽しめる
昔は、ストリートで走り屋のパフォーマンス的な走りのイメージがあったドリフトですが、現在は自動車競技の1種目として確立され、ドリフト走行可能なサーキットも増えてきました。
他のレースとドリフトが大きく異なる点は、車に詳しくない人でも見て楽しめるパフォーマンスの派手さでしょう。1レース自体の時間も短く、自分で運転する車とは全く違う動きをする見た目のインパクトがあります。ドリフトが車に詳しくない人にも楽しめる競技として、新たなファンを取り込みやすいのもそのためです。
日本特有の車文化として発展し、海外でも人気になったことドリフトは、他のモータースポーツ同様に競技種目として今後も親しまれ続けるでしょう。
神業ドリフトテクニックはこちらから。
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ドリフトにハマっているマキホル上ちゃんへのインタビューはこちら
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...