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ディスクブレーキとドラムブレーキの違いは?|交換時期や異音・鳴きへの対処法

ディスクブレーキとドラムブレーキの違い

ディスクブレーキ現在主流のブレーキ。
安全性が評価され、
メーカー標準装備化が進む
・排水性が高い
・排熱性が高い
・コントロールしやすい
・カスタム向き
ドラムブレーキ以前は多かったが、
次第にディスクブレーキに
置き換わっている
・コストが安い
・標準時の制動力が高い

車の「止まる」を司るブレーキにはディスクブレーキとドラムブレーキの2種類ありますが、現在は安全の観点からディスクブレーキが標準化される傾向があります。

それぞれの構造上の違いや特徴、現在メジャーなディスクブレーキのパーツ交換方法、異音への対処法などのお役立ち情報を解説します。

ドラムブレーキは低コストで制動力を得られる装置

ブレーキ部分だけの価格を比較すると、ディスクブレーキには必ず必要な「ブレーキブースター」(倍力装置)がコストもかかるため、ディスクブレーキのほうがドラムブレーキより高くなる傾向にあります。

価格差は車種によって大きく異なりますが、1.5倍〜2倍程度コストが高くなるようです。

安全性が支持されて現在はディスクブレーキが主流に

かつてはブレーキに使われる素材やパーツの確保やコストの面で、ドラムブレーキが中心に採用されていました。

現在は安全性に考慮してディスクブレーキを標準装備とする車が多くなりました。

カスタムやドレスアップにはディスクブレーキが人気

車をカスタムしたりドレスアップしたりする場合には、スポーツカーらしい装備であるディスクブレーキが人気です。

タイヤやホイールなど足回りを弄る際に、ディスクブレーキのブレーキローターやブレーキキャリパーを好みのデザインのものに交換する人もいます。

ディスクブレーキの構造と仕組み

Carlos Pacheco CC 表示 2.0 / CC BY 2.0
出典 : https://www.flickr.com/

ディスクブレーキとは、タイヤとともに回転する金属製の円盤を高摩擦のパッドで挟み込み、発生する摩擦力で車を減速させる装置です。安定した制動力を確保できることから、多くの車のフロントブレーキに採用されています。

ブレーキペダルを踏むと、その踏む力は一旦ブレーキブースターに伝えられます。ブレーキブースターは「倍力装置」とも呼ばれ、その文字通り踏力を何倍もの力にしてくれる機構です。ブレーキブースターはパイプに充填されたブレーキフルードを押し、ブレーキキャリパーに倍増された踏力を伝えることで、タイヤの回転を止めます。

ディスクブレーキを構成するもの

ブレーキパッド

ブレーキローターの回転を、挟み込んだ摩擦で止めるためのパッドです。使ううちに摩耗していくため、定期的な交換が必要となります。

ブレーキキャリパー

ブレーキパッドを固定するためのパーツです。ブレーキパッド交換の際は、ブレーキキャリパーを開ける必要があります。

ブレーキローター(ブレーキディスク)

車の回転に合わせて回転する、円盤状のパーツです。ブレーキローターの回転をブレーキパッドで止めることで、車が止まります。

ブレーキフルード(ブレーキオイル)

油圧の力によってブレーキキャリパーを作動させるためのオイル。劣化や漏れが発生するため、定期的な交換が必要となります。

ブレーキマスターシリンダー

ブレーキペダルを踏んだ力を油圧に変換する装置。整備する場合はオーバーホールが基本となります。

ブレーキホース

ブレーキオイル(ブレーキフルード)をブレーキマスターシリンダーまで送り込むホース。

青いパーツがブレーキキャリパー、ブレーキキャリパーで挟み込まれている半円状のパーツがブレーキローター。
ブレーキパッドはブレーキキャリパー内にあるため、外からは見えない。
©stocksolutions/stock.adobe.com

ディスクブレーキのメリット

ディスクブレーキは以下の点でドラムブレーキよりも安全面で優れています。

雨に強い

ブレーキ単体の制動力はドラムブレーキが優れていますが、一旦ドラムの中に水が入ると、排出されにくい構造のため水には弱くなってしまいます。

ディスクブレーキは、ディスクがタイヤと同じく速く回転するので、ディスクに水が付着しても遠心力ですぐに吹き飛ばされてしまいます。ブレーキパッドとブレーキローターの間に水は入りにくくなる構造のため、雨にも強いブレーキです。

自己倍力構造をもたないディスクブレーキは、より強力な力でブレーキディスクを挟み込むためのマスターバック(真空倍力装置)と油圧システムにより、制動力不足を補っています。

熱に強い

ブレーキは掛け続けると焼き付きを起こし、ブレーキを踏んでも効かなくなってしまいます。山道を下るときにはエンジンブレーキを積極的に使うようにとされるのはこのためです。

ディスクブレーキは、ブレーキローターが空気と触れる面積が大きく、かつ露出しているため放熱性が高い構造となります。対してドラムブレーキは放熱性が比較的低くなる構造になっています。

コントロール性が高い

ドラムブレーキは制動力の立ち上がりが唐突であるため、コントロール性ではディスクブレーキに劣ります。

ディスクブレーキの種類

アバルト595コンペティツィオーネ ブレンボ製のブレーキキャリパー
アバルト595コンペティツィオーネ ブレンボ製のブレーキキャリパー

ベンチレーテッドディスク|フロントに多く採用

ベンチレーテッドディスクとは、ブレーキディスク面の間をフィン状の中空構造にしたブレーキディスクです。空気に接する面積が拡大し、冷却を促進するメリットがあります。以前は、おもにブレーキへの負担が大きな高級車やスポーツカーに採用されていましたが、現在は安全性の高まりと車重増加により、ほとんどの車のフロントブレーキに採用されるようになりました。

ソリッドディスク|リアに多く採用

ソリッドディスクあるいはプレーンディスクと呼ばれるブレーキディスクは、ベンチレート構造を持たない中実構造の円盤です。加工しやすいことから安価なコストで製造できるのがメリット。ただし、放熱性はベンチレーテッドディスクに劣るため、おもにブレーキ負荷の少ない軽量な車や、リアブレーキに用いられます。

ディスクブレーキパーツの交換時期やタイミングは?

定期的に交換しなければならないディスクブレーキのパーツは以下の3つです。

  • ブレーキパッド
  • ブレーキローター
  • ブレーキフルード

ブレーキパッドの交換時期

ブレーキパッドは走行距離が伸びるにつれて摩耗していき、薄くなります。ブレーキパッドの厚みが3mmを切ったら必ず交換しましょう。走行距離の目安としては30,000〜40,000kmとなります。ブレーキローターよりブレーキパッドのほうが消耗が早く、安価で交換が容易です。

ブレーキローターの交換時期

ブレーキローターはブレーキパッドよりも摩耗しない構造となっていますが、全くすり減らないわけではありません。大きく差が開きますが、100,000〜200,000kmを走行するとブレーキローターを交換する必要性が出てくるとされています。

ブレーキフルードの交換時期

ブレーキオイルとも言われるこのブレーキフルードは、ブレーキを掛ける際に加圧されブレーキパッドをブレーキローターに押し付ける大切な役割を担っています。ブレーキフルードは走行距離よりも経年劣化での交換の必要性が出てくるため、4~5年ごとに交換しましょう。

ディスクブレーキから異音がするときはどうする?

ディスクブレーキパッド
©NorGal/stock.adobe.com

ブレーキを踏む度に「キー、キー」と鳴く・異音がする

ブレーキパッドには構造上、鉄の爪のようなものが付いており、ブレーキパッドが一定の厚みより薄くなると、この爪がディスクローターに触れるようになり、「キー、キー」とブレーキが鳴く異音を発生させます。ブレーキを踏んだ度にキーキー音が鳴ったら、ブレーキパッドの点検をしましょう。

ブレーキを踏まなくても「キーキー」「シャーシャー」と異音がする

ブレーキを踏まなくても異音がするのは、ディスクブレーキに異物が挟まっている可能性があるか、ディスクローターとブレーキパッドの位置調整が狂った可能性などが疑われます。ディーラーか自動車整備工場ですぐに点検してもらいましょう。

スポーツ仕様のディスクブレーキに交換したあとは要注意

ハードなスポーツ走行をするために耐久性と制動力を高めたブレーキローター、ブレーキパッドを備えたディスクブレーキにカスタムされている場合は、異音が発生しやすくなります。特に、ディスクブレーキの温度が低いとキーキーと鳴くような異音が発生しやすくなります。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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