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ブレーキフルード(ブレーキオイル)の交換時期は?自分でできる点検方法や交換費用・工賃

ブレーキフルード(ブレーキオイル)とは?

ディスクブレーキパッド
©NorGal/stock.adobe.com

自動車のフットブレーキには、一般的に油圧式ブレーキが採用されています。ブレーキフルード(ブレーキオイル)とは、この油圧式ブレーキで使用される作動油のことです。

油圧式ブレーキにおいて、密閉された管に充填された作動油はブレーキペダルを踏み込むことでブレーキシリンダーに圧力を伝え、ブレーキキャリパーを作動させます。

ドライバーがブレーキペダルを踏み込んだ力は、油圧の働きによって増幅され、強い力を必要とせずに車の動きを止めることができるのです。

車のフットブレーキとエンジンブレーキの違いとは?

エンジンオイルとは全く違うもの

「作動油」であるブレーキフルード(ブレーキオイル)は、エンジンオイルなどの「潤滑油」とは区別されます。これらは目的が異なるため、主成分も異なるためです。

エンジンオイルはいわゆる鉱物油や合成油ですが、市販車のブレーキフルードの主成分はエチレングリコール。油というよりアルコールに近い化学物質です。

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ブレーキフルードの規格と成分一覧表

基準主成分ドライ
沸点
ウェット
沸点
粘度
(100℃)
粘度
(-40℃)
ph値
DOT 3グリコール205℃以上140℃以上1.5cst以上1500cst以下7.0-11.5
DOT 4グリコール230℃以上155℃以上1.5cst以上1800cst以下7.0-11.5
DOT 5.1グリコール260℃以上180℃以上1.5cst以上900cst以下7.0-11.5
DOT 5シリコン260℃以上180℃以上1.5cst以上900cst以下7.0-11.5

ブレーキフルードには、アメリカの交通省が定めた「DOT規格」があり、日本国内でもこの規格等級に準じてブレーキフルードが販売されています。

上記の表の各項の説明は以下の通り。

  • ドライ沸点:吸湿率 0%時の沸点(新品時)
  • ウェット沸点:吸湿率 3.7%時の沸点(1~2年間使用後の沸点)
  • 粘度:ブレーキフルードの流動性を示す数値(数値が大きいと固くなり流動性が悪くなる)低温時では、この数値が高いとABSの作動性に悪影響を及ぼす。
  • ph値:酸性/アルカリ性を表す数値(7.0以下では酸性度が強くなり、周辺部品の腐食が早くなる)

沸点が高いブレーキフルードの方が、よりハードなブレーキングにも耐えうるスポーツ走行仕様となっています。

よって、一般的な国産乗用車はDOT3を使っていることが多く、DOT4やDOT5はスポーツ走行向けということになります。

ブレーキフルードが劣化するとどうなる?

ブレーキフルードには、水分を含みやすいという特性があります。

ブレーキの油圧系統は完全密閉ではありません。特にタンク内のブレーキフルードは空気に触れています。そのため、ブレーキフルードをそのままにしておくと、しだいに空気中の水分を含み、劣化していきます。

ブレーキフルードが劣化し、水分が多くなると、油圧管やブレーキキャリパーなどの金属腐食が進みやすくなります。

そのままブレーキフルードを長期間交換しないでおくと、腐食した金属部分などからブレーキフルードが漏れ、圧力が下がりブレーキが効かなくなってしまいます。

穴が開いたブレーキ管に空気が入ると、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが効かない「ベーパーロック現象」という重大な事態となる恐れがあります。

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ブレーキフルードは車検ごとに交換するのがおすすめ

ブレーキフルードは乗っていない車でも劣化してしまうため、一般的に2~4年が寿命といわれています。しかし、命を守る部品であることを考えると、普段はこまめに車の点検を行わない人であれば、2年に1回の車検のタイミング、または走行距離20,000kmごとで交換するのがおすすめです。

交換時期でなくても、「ブレーキの効きが以前より悪くなった」「ブレーキペダルがなんとなくふわふわする」などの症状が車に現れたら、ブレーキまわりを専門の整備士にみてもらうのがよいでしょう。

ブレーキフルード交換のタイミング例

ブレーキフルードの交換のタイミングは、車の利用状況や使用するブレーキフルードの規格によって変わってきます。以下に例を示します。

  • 一般道、街中だけの使用で、かつDOT4以上のブレーキフルードを使用している場合:車検ごとの交換
  • 一般道、街中だけの使用で、DOT3を使用:1年ごとの交換
  • 高速道路やワインディングを頻繁にドライブされる場合:半年~1年ごとの交換

自分でできるブレーキフルードの点検と補充

日産 リーフのブレーキフルードタンク
ブレーキフルードタンク。フルードの色が透明なので、この場合OK。
  1. ボンネットを開け、ブレーキフルードのタンクを探す
  2. ブレーキフルードの色をチェック。無色や琥珀色であればOK。黒くなっている場合は、長期間交換されていないか劣化の可能性あり
  3. ブレーキフルードの量をチェック。タンクの「MAX・MIN」や「Hi・Lo」といった目盛りを参考に、その間に液面があればOK。MINやLoよりも下回っている場合は、ブレーキフルード漏れの可能性あり

ブレーキフルードの補充方法

ブレーキフルード量が少ないだけの場合は、現在入っているブレーキフルードの規格と同じブレーキフルードを用意し、タンクに補充するだけでOK。

しかし、こまめに量を確認して、短期間で急激に減少しているようであればブレーキフルード漏れの可能性があります。その場合はブレーキ周りのさらなる点検・修理が必要となりますので、ディーラーやショップに確認してもらってください。

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ブレーキフルードの交換はプロに任せよう

車の整備
©Mr. Music/stock.adobe.com

ブレーキフルードが劣化している場合は、タンクだけでなくブレーキ管内のブレーキフルードを一度抜かなければなりません。

このブレーキフルードの交換作業は、自動車整備士の資格を持っていなくても作業してもよいことになっていますが、ブレーキは車の安全に直結する機能ですから、プロに任せるのがおすすめです。

ブレーキフルードの交換は「エア抜き」が重要

ブレーキペダルはブレーキフルードが充填された管を通ってブレーキへと繫がっています。この管の中にエア(空気)が入ると、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが効かなくなります。

そこで、ブレーキフルードの交換時に、管の中の空気を完全に抜く「エア抜き」という作業が必須となるのです。

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ブレーキフルードの交換費用、工賃は?

ブレーキフルードそのものの価格は規格により異なりますが、安いもので1L 1,000円程度、高いものでは数千円といったところです。

交換作業や工賃は大手カー用品店で、4,000円程度~となりますが、車種によって工賃が異なるほか、ディーラーや整備工場によっても価格が異なります。ディーラーや整備工場、ショップに確認しましょう。

【整備士から一言】自分で補充するのはやめよう

ブレーキフルードの交換は車検で行うことが多い整備です。2年で交換することが多いですが、なかには交換しない人もいます。しかし、交換しなければフルードが劣化し、性能が極端に下がるためオススメはしません。

劣化したフルードはパイプの詰まりやガスケット、ブーツの劣化を加速させ、ホイールシリンダーなどから漏れる場合がありとても危険です。

自分でできる点検方法に、マスターシリンダー内の量を確認するというものがあります。MAXとMINのゲージ内にブレーキフルードが入っていれば問題ありません。逆にMINよりも低い場合は、どこかで漏れている可能性もあるためしっかりと点検しましょう。

注意点は自分で確認した際、少ないからと補充しないようにすること。補充してしまうと点検の際、漏れに気づかないこともあるからです。おかしいなと感じた場合は整備工場でしっかりと点検を行うことが大切です。

基本的にブレーキフルードは車検のタイミングで交換を行っていれば、劣化や性能の低下といったリスクは回避できます。

しかしブレーキの効きが悪いなど、違和感を感じたらブレーキフルードが漏れている可能性がありますので、ディーラーや整備工場で点検してもらいましょう。

自分でも残量の確認はできますが、自分で補充するとかえって点検時に漏れや減った量がわからなくなってしまいます。ブレーキフルードの補充・交換はプロに任せましょう。

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執筆者プロフィール
山北吏(つかさ)
山北吏(つかさ)
1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...
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