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【エアフィルターの交換時期と交換費用】自分で交換できる?しないとどうなる?
目次
エアフィルター(エアクリーナー)とは?
エアフィルター(エアクリーナー)とは、エンジン内に送り込む空気のチリやホコリなどの汚れを取り除くパーツです。エンジンルーム内、エアダクト周りに設置され、エアクリーナーやエアエレメントとも呼ばれたりします。
フィルターとは「ろ過するもの」のこと。車には他にもオイルフィルターやエアコンフィルターがありますが、エアフィルターは外気をエンジンに取り込む際に使用されるパーツです。
エアフィルター消耗品に該当します。そのため定期的な交換が必要です。エアフィルターの役割や交換時期、汚れたまま使用しているとどうなるのか、自分自身で交換する方法を解説します。
エアフィルターとエアコンフィルターは何が違うの?
エアフィルターとエアコンフィルターは使用している場所が違います。エアフィルターとは先ほど説明したように、エンジン内に取り込む空気のチリやホコリを取り除くために存在します。
しかしエアコンフィルターとは、エアコン関連装置であるエバポレーターへチリやホコリが流れていかないようにろ過しているのです。
一昔前にはエアコンフィルターは存在していませんでした。そのため、チリやホコリなどの汚れがエバポレーターに直接付着し、汚れによってエアコンが冷えないなどのトラブルが続出していました。
しかし現在の車にエアコンフィルターは標準装備されています。結果、エバポレーターの汚れを予防することに成功しています。
またエアコンフィルターは通常、グローボックスの奥に設置されていますが、エアフィルターはエンジンルーム内です。使用方法の違いに加え、設置場所の違いもあることを覚えておきましょう。
エアフィルターの種類【購入時に注意しよう】
乾式エアフィルター
G-PARTS エアフィルター エアクリーナー ホンダ用 N-BOX N-BOX+ SLASH N-ONE N-WGN ノンターボ車用 (JF1 JF…
乾式とは名前のとおり乾いているエアフィルターを指します。現在の車に最も多く使われているタイプであり、価格が一番安いです。
しかし細かいチリやホコリをろ過できず通してしまうので、3種類のなかでは最もろ過性能が低くなります。そして定期的な清掃が必要なのも乾式の特徴です。
湿式エアフィルター
ホンダ/ハンプ エアクリーナーエレメント H1722-P36-020 ホンダ ビート PP1 E07A 660cc 1991年03月~
湿式とは、エアフィルターのろ紙が濡れているタイプを指します。オイルを染み込ませており、常に濡らしておくことでろ過性能を向上しています。
バイクでは、ろ紙ではなくスポンジが使われている場合もあり、形状に多様性がある点が湿式の特徴です。そして、定期的なメンテナンスが不要なタイプがあるなかで、ものによっては水洗いでメンテナンスを行う場合もあります。
ビスカス式エアフィルター
ビスカス式とはビスカスオイルを染み込ませたエアフィルターを指します。湿式と同じに見えますが、染み込ませているオイルの種類が違います。
3種類のなかで最も高寿命であり、ろ過性能も高い点が特徴です。しかし性能に比例し、価格も一番高くなります。
また、一般的に使われているタイプではないため、適応している型があるのかしっかりと調べるようにしましょう。
エアフィルターの交換時期は?
エアフィルターの交換奨励時期は約5万kmです。しかし、チリなどの汚れが多い場所をよく走行しているなら、5万kmになる前に汚れが目立ってくることもあります。
そのため一概に距離によって交換するのではなく、汚れ具合を確認しましょう。
汚れたエアフィルターは汚れにより真っ黒になっています。加えて、細かなチリなどがろ紙に入り込み、エアーで飛ばしてもほとんど汚れが落ちなくなります。
もし長年交換していないなと思うのであれば、一度エアフィルターを取り出し汚れを確認しましょう。
自動車メーカー別 エアフィルターの交換時期目安
メーカー別のエアフィルター交換時期をご紹介します。大前提として覚えておいてほしいのは、この表に書いてある走行距離はあくまでも目安であるということです。
この記事では、公式ホームページで発表されているメーカーのみに絞ってお伝えします。
- トヨタ:5万kmごと
- ホンダ:5万kmごと
- マツダ:5万kmごと(普通車)、4万kmごと(軽自動車)、6万kmごと(RX-8)
- スズキ: 5万kmごと(普通車)、4万kmごと(軽自動車)
- スバル:5万kmごと(普通車)、4万kmごと(軽自動車)
- 日産:3万kmごと(ガソリン)、 2万kmごと(ターボ、ディーゼル)
- ダイハツ:4万kmごと
ただし、シビアコンディションの場合、早めの交換を奨励しているメーカーが多数です。
大切なのは定期的に汚れ具合を確認すること
メーカー別にエアフィルター交換時期をご紹介しましたが、どのメーカーも同じくらいの走行距離でエアフィルターの交換を奨励しています。大事なのは、汚れ具合を見ながら交換タイミングを決めるということです。
いくら走行距離が短くても、走っている道によっては汚れ具合が早くなる可能性があります。例えば、いつも走っている道路に砂埃が多かったり、工業地帯のような空気の悪い場所であるなどです。
そうなると、走行距離を目安に交換していると遅すぎます。そうならないように定期的にメンテナンスを行い、交換時期を決めることが大切です。
エアフィルターを交換しないとどうなる?
エアフィルターを交換しないと、汚れが詰まり加速不良や燃費の悪化など車の性能を大きく低下させてしまいます。
エアフィルターが目詰まりすると、エンジン内へ空気がスムーズに流れません。そのためこのようなトラブルがあらわれるのです。
エアフィルターを交換せずに使い続けると、当然、汚れがひどくなります。名前のとおり、エアフィルターは汚れをエンジン内部に流さないフィルターなので、定期交換が必要です。
汚れがひどくなると空気の流れが極端に悪くなります。つまり、本来送り込む必要がある空気量が確保できないということです。
車にはECUと呼ばれる人間の脳のような働きを持つコンピューターが備わっています。回転数に比例して上がるはずの空気量が確保できなければ、アイドリング時などの回転数はいつもより高くなってしまいます。
当然、加速時も同様です。回転数が常に高くなるということは燃費も悪くなります。
多少の汚れであれば体感できるほどの変化はありませんが、無交換のまま放置することで運転中でも分かるほどエンジン性能が下がってしまうのです。
また、仮にエアフィルターが破けてしまうと、本来取り除かれるはずのゴミがエンジン内部にまで送り込まれるのでエンジンが壊れます。
このような事例は滅多にありませんが、可能性はゼロではありません。そうならないように定期的にエアフィルターの交換が必要なのです。
エンジンへダメージを加えないためにも、エアフィルターが汚れているならすぐに交換するようにしましょう。
エアフィルターを自分で交換する方法
1.ボンネットを開ける
まずボンネットを開けエアフィルターの場所を確認しましょう。設置場所は車種によって違います。
エンジンの上に設置されているものもあれば、エンジンルームの手前に設置されているもの、エンジンルーム奥の見えづらい場所にあるものなどさまざまです。
もし場所が分からなければ、空気の流れをたどっていきましょう。吸気口から空気を取り入れ、エアフィルターへ流します。そのためエアダクトをたどっていけば、必然的にエアフィルターは見つけられます。
エアフィルターを見つけることができたなら、外せるようにしていきます。場合によっては吸気口などを外さなければならないこともあるためです。
手が入らなければ作業できないので、必ずエアフィルターへアクセスできるスペースを確保しましょう。
2.エアフィルターケースを開ける
次にエアフィルターのケースを開けます。エアフィルターのケースはクリップで止められていることが多いです。2~4個ほどのクリップを外し、エアフィルターを取り出します。
3.エアフィルターを交換する
エアフィルターを取り出せたなら、新品に交換します。
注意点はエアフィルターが入っていた向きを守ることです。また、エアフィルターのケースをはめ込む際、奥の突起が正常に固定できてない場合もよくあります。
クリップは取り付けれたけど、手でゆすってみると下側がぐらぐらしている。このような状態なら、底部分の突起が噛みあっていない可能性が高いです。もう一度取り出し付け直しましょう。
また、向きなどもあるのでその点も注意が必要です。逆向きなどで無理に入れてしまうと、なかなか入りませんしエアフィルターの形状が歪んでしまうこともあります。
そのためエアフィルターの向きとケースの固定は必ず確認するようにしましょう。
4.元に戻す
新品のエアフィルターに交換できれば、外した手順と逆の手順で元に戻します。吸気口を外している場合、忘れずに取り付けるようにしましょう。これでエアフィルターの交換作業は完了です。
エアフィルターの交換費用
エアフィルターの交換費用は、自分で交換する場合とお店でお願いする場合で違います。費用の違いは以下のとおりです。
- 自分で行う場合:フィルター代のみ
- 店で行う場合:フィルター代+工賃1,000円〜2,000円ほど
そしてエアフィルター自体も車種によって違いがあるほか、汎用品なのか純正品なのかで値段が変わります。湿式やビスカス式は乾式よりも値段が高いので覚えておきましょう。
そして工賃に関しても当然ですが店によって違いがあります。ひとつ豆知識としてお伝えすると、エアフィルターの汚れ具合は国で定められた法定点検で確認する項目です。
そのため、乗用車であれば12ヶ月点検や24ヶ月点検で確認します。点検と同じタイミングで交換すれば工賃は不要だとしている店舗もあるので、交換する際は一度確認しておくとよいでしょう。
エアフィルターは年1回の法定点検で掃除しよう
乾式のエアフィルターは定期的な掃除が必要です。点検時に行う清掃のタイミングは年1回の法定点検時です。
清掃方法はエアーで汚れを飛ばすだけでOK。エアフィルターは基本的に片面しか汚れがたまりません。そのためきれいな面から汚れている面にエアーを吹きかけ汚れを吹き飛ばしましょう。
ではなぜエアフィルターは片面しか汚れないのでしょうか。理由は、エアフィルターに流れる空気は一方通行だからです。
分かりやすく説明すると、右から左へ空気の流れがあるとしましょう。空気の流れの間にエアフィルターを設置すると、右側の面だけ汚れます。
空気内に含まれているチリやホコリをエアフィルターがろ過するので、片方しか汚れないんですよね。
このようになぜ片面しか汚れないのかの理由を知れば、間違った清掃方法をすることはないと思います。そして定期的に清掃することで、エアフィルターについた汚れを落とし、よりよい状態で使用し続けることができます。
しかし清掃しても取れない汚れはどうしてもでてくるので、汚れがひどくなれば交換が必要です。
掃除するときの注意点
清掃するときの注意点としては、汚れが入り込む方向からエアーを吹きかけないという点です。汚れが入り込む向きと同じ向きにエアブローしてしまうと、細かなチリやホコリがろ紙に入り込んでしまいます。そして、詰まりの原因になってしまうのです。
また、湿式やビスカス式などオイルを染み込ませているエアフィルターは清掃できません。湿式であれば水洗いできるものもあるようですが、できないものもあるので購入する際きちんと確認しておく必要があります。
このように、メンテナンス方法一つとってもエアフィルターの種類によって違うので注意しましょう。
目視で確認し、汚れ具合によって交換を
エアフィルターとは空気に含まれている汚れをろ過する部品です。「乾式」「湿式」「ビスカス式」の3つに分けることができ、種類によって性能もメンテナンス方法も違います。
乾式はエアブローで清掃できますが、ほかの2つはできません。そして、性能に関しても乾式よりも湿式やビスカス式の方がチリやホコリを取り除く効果が高くなります。
交換時期は約5万kmですが、走行する場所によりタイミングが変わるので、交換する場合目視によって汚れ具合を確認することをオススメします。
エアフィルターは消耗品です。汚れているにもかかわらずいつまでも使い続けていると、汚れが詰まりエンジン内にうまく空気を流せなくなってしまいます。
結果、アイドリング不調や燃費の悪化などトラブルの原因になってくるので、汚れたら交換することが大切です。
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- 執筆者プロフィール
- 山北吏(つかさ)
- 1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...
- 監修者プロフィール
- 鈴木 ケンイチ
- 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...