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6ヶ月点検と12ヶ月点検とは?費用から必要性、自分で出来るのかをご紹介!

チェックリストに記入する整備士
©buritora/stock.adobe.com

車の定期点検をしっかりと受けている方はどのくらいいるのでしょうか?
使用者は愛車に定期的な点検を実施し、常に安全に走行できる状態にしておかなければなりません。

車の定期点検は12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類があります。
これらは国が定める点検であり、点検の実施は法律で決まっているのです。
またディーラーではこの2種類以外にも6ヶ月点検を実施しており、12ヶ月や24ヶ月点検の間に行うことで、消耗品の劣化や各パーツの異常を確認しています。

今回は各点検の内容や費用をお伝えすると同時に、なぜ点検が必要なのかをご説明し、初心者でも簡単にできる点検項目をご紹介していきます。

車は定期点検を受ける義務がある

胸に手を当てる女性
©takasu/stock.adobe.com

冒頭でも少しご説明しましたが、車の所有者は定期的に車を点検し、常に安全に走行できる状態にしておかなければならないという義務があります。
「自動車の使用者は、自動車の点検をし、および必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない」
道路運送車両法の第四十七条ではこのように定められています。

【参考サイト】日本法令索引 道路運送車両法

では保安基準とはどういった基準なのかご存じでしょうか。
保安基準とは道路運送車両法で定められている車の構造や装置についての取り決めであり、簡単に説明すると車検で行う検査の基準となるものです。

【参考サイト】国土交通省 道路運送車両の保安基準(2020年4月1日現在)

車検では安全に走行できる状態であるかということはもちろんのこと、決められた基準に達しているかどうかも確認します。

例えば3列シート8人乗りの車であるにもかかわらず、3列目を取り除き5人乗りに改造していれば、保安基準に適合しないため不正改造にあたります。
保安基準では車の大きさや排気ガスの濃度、窓ガラスの透明度まで細かく取り決めがあり、どれか一つでも基準に適合していなければ、車検に通すことはできないのです。

そして定期点検の義務は「道路運送車両法第四十八条」に定められており、そのなかでも自家用車は1年ごとの点検が義務付けられています。

【参考サイト】日本法令索引 道路運送車両法

たかが点検と思いがちですが、定期点検は大切です。
使用者が気付いていない異変に気付くこともありますし、劣化状態を把握することもできます。

またディーラーではメーカーの車種に詳しい人ばかりなので、車種ごとの弱い部分を重点的に点検することで、大きなトラブルを回避することにもつながるのです。

定期点検には12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類がある

2つのブロック
©kelly marken/stock.adobe.com

2年を1サイクルとして行われる点検には、12ヶ月と24ヶ月点検の2種類があります。

内容としては12ヶ月より24ヶ月の方が詳しく点検を行い、保安基準に適合しているかどうか、安全に車を走行できる状態なのかを確認するのです。
法定点検とも呼ばれる12ヶ月や24ヶ月点検ですが、この点検内容には「シビアコンディション」と呼ばれる点検項目があります。

シビアコンディションとは、乗り方が通常よりも過酷である車が該当し、具体的な基準は以下の通りです。

【悪路(目安:走行距離の30%以上が当てはまる場合)】
・運転者が体に衝撃(突き上げ感)を感じる荒れた路面
・石を跳ね上げたり、わだちなどにより下回りを当てたりする機会の多い路面
・ほこりの多い路面

【走行距離大】
・自家用乗用車・・・年間走行距離20,000㎞以上

【山道・登降坂路(目安:走行距離の30%以上が当てはまる場合)】
・登り下りの走行が多く、ブレーキの使用回数が多い場合

【短距離走行の繰り返し(目安:走行距離の30%以上が当てはまる場合)】
・1回の走行距離が8㎞以下

【高地走行が多い(目安:走行距離の30%が当てはまる場合)】
・高度2000m以上の走行

覚えていてほしいのは、1回の走行距離が少ない車もシビアコンディションであるということです。
走行距離が多ければシビアコンディションになるということは誰でも分かりますが、短距離の繰り返しもシビアコンディションに該当する、という事実はあまり浸透していません。
つまり短距離の繰り返しは、車にとっては過酷な乗り方であるといえるのです。

定期点検の内容は車に積んであるメンテナンスノートで確認できます。
ディーラーや民間整備工場で定期点検を受けている方は、メンテナンスノートを確認してみましょう。
しっかりと記入されているはずです。

バスやトラックは3ヶ月レンタカーは6ヶ月に点検を実施

ここまでは乗用車についてお伝えしましたが、公共の乗り物であるバスや走行距離が多くなりがちな商用トラック、一般人を乗せて運ぶタクシーなどは自家用車よりも点検期間が短くシビアに状態を確認しなければなりません。

点検の期間は、
・バス/トラック・・・3ヶ月
・タクシー、レンタカー・・・6ヶ月
となっており、点検内容も自家用車に比べかなり多いという特徴があります。
また車検も毎年行います。

ここまで厳重に点検をする理由には、自家用車よりも使用頻度が高く、事故を起こしてしまうと大勢の人を巻き込む可能性が高いためであるといえます。

長距離トラックの走行距離は1年で10万キロ以上です。
なかには100万キロ以上を走る車もあります。
しっかりと点検やメンテナンスをしておかなければ、事故につながる可能性が高く危険なのです。

普段何気なく乗っている公共車は、安全面を十分に考慮した管理のもと運行しています。

法的義務はない6ヶ月点検を行う理由

石でできたクエスチョンマーク
©gearstd/stock.adobe.com

ディーラーでは12ヶ月や24ヶ月点検以外に6ヶ月点検も行っています。
6ヶ月点検には法的義務はありません。

しかし1年に一度だけではメンテナンスの及ばない箇所もあるため、半年を一度のサイクルとしメンテナンスを行うことで、安全で快適な状態を保つことを目指しています。

1年に2回も点検をしないといけないの、と感じる方もいるかもしれませんが、車の使用者は、日ごろから自分自身でメンテナンスを行う方ばかりではありません。
定期的なメンテナンスが必要なオイル交換やタイヤの空気圧調整なども、全てディーラーに任せている人もいます。
半年に一度の点検でもすでに空気圧がかなり減っている、オイル交換時期が過ぎているのに交換していない方は意外と多く、仮に新車であったとしても将来故障の原因になりかねないのです。

ディーラーでは定期点検の時期が近くなると、電話やハガキで連絡をします。
自分自身で点検時期を把握していない方でも、ディーラーから呼び込みを行うことで、定期的なメンテナンスを車に受けさせることができます。

点検の際、車の状態を聞き気になる点も一緒に点検することで、故障の早期発見にもつながるのです。

車のトラブルで圧倒的に多いのはバッテリー上がり

車のトラブルで一番多いのはバッテリー上がりです。
これはロードサービスで有名なJAFの統計ですが、圧倒的にバッテリー上がりのトラブルが多いことが分かります。

【参考サイト】JAFロードサービス

次に多いトラブルはタイヤ関係、特にパンクやエアー不足が原因となり起こったトラブルです。
どちらも急に発生するトラブルではありません。
バッテリーに関してはライトの消し忘れなどもありますが、故障前にはからなず兆候があったはずです。

その兆候を見逃してしまったため、タイヤのバーストやバッテリー上がりが発生したと考えられます。
このことから、日ごろ点検やメンテナンスを行っていない方がいかに多いかということが分かります。

新車をディーラーで購入した方でも、点検に来てくれる方ばかりではありません。
なかには購入だけして、点検に全く来ないという方もいるのです。
故障の上位にあるバッテリー上がりやタイヤのバーストなどを回避するためには、定期的な点検が必要であるといえるでしょう。

24ヶ月点検と12ヶ月点検、6ヶ月点検は何が違うの?

二択に悩む女性
©metamorworks/stock.adobe.com

12ヶ月や24ヶ月の法定点検と6ヶ月点検の大きな違いは、「分解整備作業」の有無です。
法定点検では分解整備作業がありますが、6ヶ月点検では分解整備作業はなく日常的にできる点検をメインに行います。

分解整備とはブレーキやドライブシャフトなど、車が走行するうえで重要なパーツを分解した際に発生する作業のことを指します。

具体的な装置としては、
・原動機(エンジン)
・動力伝達装置(ミッションなど)
・走行装置(ホイールなど)
・操縦装置(ハンドルなど)
・制御装置(ブレーキペダルなど)
・緩衝装置(サスペンションなど)
・連結装置(ドライブシャフトなど)

以上の7つです。
現在では分解整備から「特定整備」という名称に変わり、整備内容にセンサー類も含まれています。

これらのパーツは車が安全に走行するために必要不可欠な部品であり、どれか一つでも故障すれば事故に直結します。
車の整備は人の命を預かる作業でもあります。
整備のミスが事故につながることもあり、分解整備作業には整備士の資格が必要です。

国が定める法定点検後にはダイヤルステッカーが発行されます。
ダイヤルステッカーとは、丸形のステッカーとなっておりフロントガラスに貼り付けることで、法定点検をしっかりと受けていますという証明になります。

一番点検内容が多いのが24ヶ月点検、逆に少ないのが6ヶ月点検です。
また6ヶ月点検の名称や点検内容はディーラーによって違いがあります。
では具体的な点検内容をご紹介します。

6ヶ月点検の内容

チェックリストとミニカー
©beeboys/stock.adobe.com

・灯火類
・ウォッシャー液の噴霧状態
・ブレーキのきき具合
・各ベルトの損傷や張り具合
・オイルや水漏れ(エンジンルーム内および下回り)
・ペダルの操作
・サイドブレーキの引きしろ
・バッテリーターミナルのゆるみや電圧、水
・タイヤの状態や空気圧、溝
※ディーラーによって違いあり

費用

・4,000円~8,000円
※排気量が多くなるほど料金は高くなる

12ヶ月点検の内容

タイヤをはめる整備士
©New Africa/stock.adobe.com

・ペダルの操作
・サイドブレーキの引きしろ
・バッテリーターミナルのゆるみや電圧、水の量
・各オイルや水の量(エンジンオイル・ブレーキフルード・パワーステアリングオイル・オートマチックオイル・冷却水・ウォッシャー液など)
・各ベルトの損傷や張り具合
・オイルや水漏れ(エンジンルーム内および下回り)
・ブレーキパッド(前後)
・プラグの状態
・排気状態
・エアクリーナーエレメントの状態
・タイヤの状態や空気圧、溝の深さ
・各シャフト連結部のゆるみ
・ホイールナット・ボルトのゆるみ
・灯火類
・ブレーキのきき具合
・ホーン
・ウォッシャー液の噴霧状態
・エンジンの始動
・走行時の状態

費用

・1万円~1万6,000円

24ヶ月点検の内容

タイヤの溝をチェックする整備士
©THANANIT/stock.adobe.com

・12ヶ月点検項目
・各接続部のガタや損傷、ゆるみ
・ブーツ類の亀裂や損傷
・ホイールアライメント
・ブレーキ周りの損傷や摩耗、機能
・サスペンションのオイル漏れや損傷、ゆるみ、ガタ
・電気配線のゆるみや損傷
・車体や車枠のゆるみや損傷
・マフラー周囲に取り付けてある装置の作動
・マフラーのゆるみや損傷

費用

・1万6,000円~2万8,000円

点検パックに入ることで点検代を安くすることができる

電卓を持つ女性
©miya227/stock.adobe.com

各ディーラーでは点検パックを実施しています。
支払いにはまとまったお金が必要ですが、点検パックを購入することで、単発での点検より安く受けることができます。

また消耗品であるエンジンオイルや、ワイパーゴムなどの交換もパックに含まれているものが多くとてもお得です。
もしディーラーで点検を受けようか迷っている方は、一度足を運び値段を確認してみてはどうでしょうか。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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