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トヨタの名機エンジン「1JZ-GTE」とは?搭載車種を全てご紹介!

トヨタの名エンジン「1JZ-GTE」を搭載した車

トヨタ チェイサーとアウディ
©art_zzz/stock.adobe.com

トヨタの型式記載は、エンジン+シャーシと数字を組み合わせた形になっています。例えば、1JZ/2JZ(JZ)搭載のマークⅡチェイサー・クレスタ(X)の100型であれば、JZX100となる訳です。したがってクラウン・アリスト(S)ではれば、JZSになり、スープラ(A)であれば、JZAといった具合になります。

現在、絶版となってしまった1JZ-GTEは、もし探すとすれば中古車市場ということになります。そして、全てがノーマル車ではない場合が多いのもその特徴でしょう。その点を踏まえて、一味違う車種紹介をしたいと思います。

搭載車種については、JZA80スープラに、セリカの3S-Gが搭載されていたり(全日本GT選手権に参戦していたころはレギュレーションの関係でスープラには3Sが搭載されていた)、AE100カローラに3G-Gが搭載されたり(JTCCのカローラは3Sで、TRD2000というカローラやセレスの限定モデルは3Sを出荷時に搭載している)ものもあり、知っている人は文字列をみているだけでも「???」と軽くパニックになる場合もありますが、トヨタの形式は見ればすぐに純正搭載車かどうかが判断できるのです(例えば、1G搭載の2000cc仕様のマークⅡはGXだから1JZが入っていれば載せ替え車)。

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また、エンジンの外観でもVVT-iの有無が分かります。「ポコっと」タイミングベルト部が膨らんでおり、サージタンク側の吸気カムの先端にあたる部分にVVT-iが装着されています。これは、位相制御をおこなう機構が、通常のカムプーリーより大型なためです(例えば、VVT-i登場以前のJZA70スープラに、VVT-i付1JZが乗っていたら載せ替え車)。

したがって、型式の確認と、年代が分かっていれば載せ替えが行われているかどうかを、大まかに判断することができますので、1JZ探しのポイントのひとつでしょう。

●マークⅡ・クレスタ・チェイサー・ヴェロッサのX系

トヨタ マークⅡ
©art_zzz/stock.adobe.com

古くからトヨタのミドルセダン枠の中心といえるこのクルマに、1JZ-GTEが搭載されたのはX81型から、当時はGTツインターボというグレードで、シルバー/ブラックの2トーンカラーが独特だった(AE86にもシルバー/ブラックの2トーンがあった)モデルです。
そしてX90型から、ツアラーVと名乗ることになりますが、ここまで初期型のVVT-i無しのツインターボ車です。

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次のX100型から、GOAボディーの採用と共にVVT-i付き、シングルターボエンジンに変わります。
モデル最終となるX110型では、クレスタ・チェイサーが無くなり、ヴェロッサへと統合されます。前後ライトのデザインやボディーラインが似ており、好き嫌いの分かれるかなり独特なモデルがある世代でもあります。その中で、マークⅡにはフォーチュナーという限定モデルがあり、ヤマハタービン搭載でパワーアップしたモデルも存在します。

また、X110系では、ワゴンボディも復活しており、マークⅡブリッドという名前で発売されています、そのiR-Vというモデルは後期型の1JZ-GTEを搭載しています。

まれに、X71系の旧世代に後継の1JZ-GTEを搭載したものもまれにあり、マーバンと呼ばれた商用車モデルもあるマークⅡワゴンに搭載した、マニアックな車種選びで改造が施されたクルマがります。

初期型の1JZは徐々に貴重な存在になっています。そして、ドリフト人気が加速すればするほど、X型の車種が市場からいなくなっている気がする方も少なくないはずです。そのためか、市場価格が徐々に上がっているのが現状です。

●ソアラのZ系

Z30ソアラには、前期・中期・後期とあり、バンパー上部の小さいグリルの有無や、四角いフォグと、上下分割の旧世代的なテールライトの前期、丸いフォグと横3分割のスポーティな後期、その間くらいの中期と見分けることができるのですが、流用が流行って後期仕様にするケースが多すぎるため、外観で年式を見分けるのがほぼ不可能な車種でもあります。

X型同様で後期型では、1JZも後期型のVVT-i付きのモデルになっています。そして、Z20型のような5ナンバー枠2000ccモデルは消滅した世代でもあり、ソアラ最後のMT仕様のラインナップがあるモデルでもあります。

ソアラの1JZ-GTE搭載モデルは2.5GT-Tというグレードでした。他には、当時のセルシオと同じ1UZのUZZ30の4.0GT、スープラと同じ2JZ(NA)のJZZ30の3.0GTというモデルも存在します。

また、D1というプロドリフト選手権に参戦する時田正義選手は、黎明期にGZ10ソアラという先々代にあたるソアラに1JZ-GTEを載せ替え参戦していました。
その影響か、Z10やZ20系のソアラに1JZを載せ替えるケースも定番として存在します。

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●スープラのA系

白の輸入スポーツカー
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A70スープラにも、前期・後期があり、1JZ-GTEが搭載されたのはモデル末期のツインターボRというモデルです。このエンジンは初期型の1JZ-GTEで、VVT-i無しのモデルしか存在しません。VVT-iエンジンであれば確実に載せ替えです。

前期は、フロントバンパーのウインカー部のくぼみが左右繋がっており、後期は分割されています。また、フロント部のエンブレムも前期は車種専用のSUPRAという車種エンブレムで、後期はトヨタマークになります。

ちなみに前期型にはトヨタ2000GTからのルーツに近い7Mや、1Gがラインナップされ、2000ccの1Gツインターボの5ナンバーサイズのターボモデルがあるなど、幅広い排気量設定と、ほとんどがターボ付きというバブル時代を強く感じるラインナップとなっているのも特徴です。

軽くスープラの歴史を紹介します。トヨタのスポーツFRを代表するA型を冠するモデルであるスープラは、現在A90となり、セリカのラインナップが消えた現在も、その血統を受け継ぎます。

それというのも、スープラのデビューと、横置き3SエンジンのST型となったセリカが、4WDにシフトし、アウディクワトロの登場で4WDに注目が集まったグループAラリーのホモロゲーションモデルとして、販売された時期が近しく、オンロードレースに特化したスープラと、オフロードレースのセリカとジャンル分けされたように見受けられます。

実際に、だるまセリカや黒マスクと呼ばれたセリカは、FRのA型セリカとしてオンロードレース、オフロードレースでそれぞれ活躍しました。
オフロードレースでは、セリカという名前をST型セリカGT-Fourが、オンロードレースでは、A型シャーシをスープラが、それぞれ引継ぎ、トヨタのモータースポーツを支えるクルマになります。

トヨタのモータースポーツを支えるツートップとして、一時代を築いたスープラとセリカGT-Fourは、現在A90スープラと、ヤリス GR-Fourとしてその血統を受け継ぎます。
ことA90スープラに関しては、過去にグループ5のセリカのLBターボがシュニッツァー(BMW系チューニングを得意にするブランド)とコラボレーションした過去があり、隔世遺伝の雰囲気を感じることができる1台ともいえます。
またA90スープラでは、名車トヨタ2000GT同様に、空力に優れるとされるツインバブルルーフを採用するなど、凝った設計になっています。

これらのことから、スープラはトヨタのフラッグシップFRスポーツとして、力の入っている車種ともいえ、オンロードレースの純血統ともいえる車種です。

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本日の在庫数 166台
平均価格 603万円
支払総額 150~1,900万円

●クラウンのS系

S17#系クラウンには、セダンボディーとワゴンボディーがあり、セダンのアスリートV、ワゴンのエステートVの2種類のターボモデルが存在します。X110型と同世代ということもあり、後期型の1JZ-GTE搭載で、アスリートVXというヤマハタービン搭載の特別仕様車まであるのも一緒という世代でもあります。

S17#系クラウンにはMT車が純正で存在しないため、ドリフト需要がそこまであるわけでは無いので、いままで注目もあまりされず、中古流通量も多いことから1JZ搭載車の中では比較的安価に取引される車両でもありました。

クラウンのアスリートというモデルはS17#系クラウンでデビューしたと思われがちですが、1983年に、いつかはクラウンのキャッチコピーで有名な、12#系クラウンにフロントリップなどを装着した、特別仕様の限定車が存在します。

モータースポーツとは縁遠い、ラグジュアリーサルーンのイメージが強いクラウンですが、かつてはクーペボディや、スポーティーパッケージ、商用バン仕様などもあり、ベンチシートの8人乗りモデルがあるなど幅広いラインナップを持っていたのも特徴の一つです。
そんなクラウンの中で、1JZ-GTEを搭載するS17#アスリートは、12#系以来の過給機搭載エンジンで、13#系以来のアスリートの復活となります。

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本日の在庫数 135台
平均価格 181万円
支払総額 35~888万円

●その他の改造系

しかし、1JZを搭載するモデルが中古車市場から年々減っていることもあり、価格が上がる傾向にあります。そこで比較的安価な、クラウンベースに改造する人も増えてきました。そのためか、ターボモデルが無いS15#系のクラウン、CG系のプログレや、ブレビス、XE系のアルテッツァ、M型や1G型を搭載する旧モデルなど、はたまたメーカーの枠を超え、ニッサンのS13,14,15系のシルビア・180SXに載せ替えられるケースが存在します。

そういったクルマは、どこで手が入ったか分かれば、お店に持っていくことで何とかしてくれるパターンはあると考えられますが、トラブルが比較的多いクルマでもあります。
確かに面白そうではありますが、出元がはっきりしないものは、避けた方がよい物件といえるでしょう。

超変わり種でいえば、GT-Rのエンジンを200系ハイエースに押し込んだFNATZというチューニング屋さんは、100系ハイエースに1JZ-GTE+ATに載せ替え、快速ワンボックスを作ったりしています。

はたして載せ替える意味があるのかどうかすらわかりませんが、100系のハイエースのガソリンエンジンは、1RZか2RZなので、3RZも含めば、同じ系統エンジンを搭載するハイラックスサーフ(180系/210系)や、タコマ(初代)、ランドクルーザープラド(90系/120系)などにも載せ替えられてしまうのではないかと考えてしまいます。

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本日の在庫数 477台
平均価格 213万円
支払総額 85~700万円
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本日の在庫数 67台
平均価格 483万円
支払総額 149~1,149万円
最新「ランドクルーザープラド」中古車情報
本日の在庫数 1763台
平均価格 412万円
支払総額 90~764万円

ヤマハとトヨタの共同作品、名機「1JZ-GTE」

1JZ-GTEのエンジン

前述のとおり、ヤマハとトヨタはスポーツエンジンを共同開発することが多く、バイクも作っているヤマハは、エンジン屋と呼ばれるホンダのバイク部門と戦っているのです。その点をふまえれば、愛知県に本拠地を置くトヨタ自動車が、静岡県に本拠地を置くヤマハ発動機と共同開発することは、不思議ではありません。

その結果、実用性の部分を犠牲にしなかったトヨタの技術と、スポーツエンジンとしてのヤマハの技術が一緒になり、絶妙なバランスが高次元でなされています。その絶対的な速さを実現するエンジンスペックは、日常で余裕のある加速となり、高速域でもしっかり止まるブレーキや、地面のうねりをいなすボディ、重量にあった足回りと、一緒のパッケージングになることで、大きな安心感をドライバーや同乗者に与えます。

例えば、1JZ-GTEに限らず、ホンダVTECもTYPE-Rのボディがあり、日産のRBもGT-Rのボディ、マツダのロータリーもFDのボディ、どれも名機と呼ばれるエンジンで、そのクルマの足回り、ボディ、ブレーキ、と合わさることで完成しています。

名機と呼ばれる1JZ-GTEも他のエンジンも、それを包み込むパッケージングがあることを忘れてはいけません。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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