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【スバル アルシオーネ VX AX9型】当時の富士重工業の最先端グローバルモデル
1985年に誕生したスバル アルシオーネ
スバル アルシオーネは1985年のデトロイトモーターショーにてワールドプレミア。
国内より早く北米での披露となったのは、アルシオーネが海外市場を視野にいれたグローバルモデルの位置づけだったためでした。
初代が1985年から1991年まで販売され、1991年には2代目となるアルシオーネ SVXへと移行。1996年に販売終了しています。
空気抵抗を最大限考慮したくさび型のウェッジシェイプラインはスマートで、ヘッドランプには創業から現在にいたるまでスバル唯一のリトラクタブルヘッドランプを採用。
洗練されたスタイリングは世界での大々的コマーシャルもあり女性にも人気で、北米での女性ユーザー比率は当時6割強となっています。
この記事に掲載されている画像は、オートモビルカウンシル2019へSUBARU社が出展した車両。
1989年式となる初代アルシオーネ AX9型で、同モデルの最上位グレードとなっています。
世界トップクラスの空力性能を誇ったボディ
スバル アルシオーネには1.7Lとなる「VS」「VR」と、2.7Lとなる「VX」がラインナップ。
VS・VRにはEA82型ターボとなる水平対向4気筒OHCエンジンが搭載。最高出力は120PS/5,200rpm、最大トルクは18.2kgm/2,400rpmとしました。
オートモビルカウンシル2019の出展車でもあるVXでは、EA82型をベースに水平対向6気筒OHCエンジンが搭載。最高出力は150PS/5,200rpm、最大トルク21.5kgm/4,000rpmとしています。
また、徹底的に空力性能にこだわったアルシオーネは、国産初となる空気抵抗係数(Cd値)0.3の壁を破ったモデルで、そのCd値は0.29としました。(Cd値は値が小さい方が一般的に早いと言われています)
アルシオーネの販売は約10年と短いものの、当時の最先端テクノロジーが取り入れられたことでも知られ、その技術には前後のトルク配分を自動制御する「ACT-4」、トランスミッションの4速AT化やABSライン装着と多岐にわたります。
アルシオーネで培った最先端技術は、後の運転支援システム「アイサイト」にもつながる礎(いしずえ)となった技術でしょう。
中古車相場価格と流通台数
スバル アルシオーネは今となっては、クラシックカーに片足を突っ込んだネオ・クラシックカー。
中古車相場価格は他のモデルなら廃車寸前のような状態でも価格がつき、程度の良い個体なら100万円をゆうに超える価格となっています。
当然ですが、程度によって価格幅は出ます。流通台数は多くはありませんが、現時点においては、いつも日本のどこかで売られているといった状態です。
スバル アルシオーネがこの先、価値が高まり価格が高騰することはあまり考えられません。
しかし、スバルの歴史を語る上ではずしてはいけないアルシオーネは、丁寧にレストアして長く大切に乗っていれば、価値が下がることはないかもしれません。買うなら今がチャンスかも。
- 最新「アルシオーネSVX」中古車情報
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本日の在庫数 14台 平均価格 207万円 支払総額 119~366万円
スバル アルシオーネのスペック表
エンジン | EA82型 水平対向4気筒SOHC 1.8Lターボ(ガソリン) ER27型 水平対向6気筒SOHC 2.7L(NA・ガソリン) |
最高出力 | EA82型:88kW[120PS]/5,200rpm ER27型:[150PS]/5,200rpm |
最大トルク | EA82型:178.5N・m[18.2kgf·m]/2,400rpm ER27型:21.5kgf·m/4,000rpm |
ボディサイズ | 全長:4,510mm 全幅:1,690mm 全高:1,335mm ホイールベース:2,465mm |
車両重量 | EA82型:1,140kg ER27型:1,300kg |
トランスミッション | 5速MT(EA82型のみ) 3速AT(前期型EA82型のみ) 4速AT |
駆動方式 | FF(EA82型に設定あり) フルタイム4WD |
乗車定員 | 4名 |
新車車両価格 | VR(EA82型)2,062,000円 VX(ER27型)2,587,000円 |
【おまけ】「SUBARU」のルーツ
社名は「六連星(むつらぼし)」
SUBARUの創業は1945年にさかのぼります。当時は「富士自動車工業」の社名でした。
2017年に現在の「SUBARU」へ社名変更される前は「富士重工業」で、プレアデス星団の和名、六連星=すばるに掛けて名付けられたブランド名が「SUBARU」。
1955年に自動車、航空機、鉄道車両などの工業企業5つを吸収合併し「富士重工業株式会社」になったとき、5社を1つに統べる(すべる)から「SUBARU」がブランド名になったようです。
ちなみに、昴(すばる)は古くは六連星(むつらぼし)として、日本書紀や古事記にも記述されています。
飛行機製造で培った技術力と安全性
SUBARUのルーツの代表には、第二次世界大戦中は東洋で最大規模を誇った中島飛行機があります。
名機「隼」は中島飛行機の製造でした。このルーツは、スバルのエンジンを始めとした高い技術をもたらしています。
独自技術となる水平対向エンジンはスバルの代名詞とも言えるもので、この形式のエンジンを自動車で現在でも採用するのは、世界中でポルシェとスバルしかありません。
また、スバルの安全性の高さも、航空機事業をルーツにしています。
スバルの創業からの歴代代表的モデルは大人4人乗車可能な軽「360」、初の本格的市販車「1000」、量産車初の4WD「レオーネ」、モータースポーツで活躍した「レガシィ」「インプレッサ」、トヨタと共同開発の「BRZ」など多数です。
撮影:MOBY編集部(オートモビルカウンシル2019にて)
自動車メーカーの創業時の社名、いくつわかる?
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- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理