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【マツダ ファミリア 5代目BD型】陸サーファーブームまで生んだ80年代の人気ハッチ
目次
逆境のたびに強くなる!カーメーカー・マツダの歴史
マツダ 初代 デミオ
マツダの創業は1920年。広島県でコルク製造を主業とし誕生。以来100年近くが立ち、2018年の世界生産台数は約160万台に達するほどの日本を代表するカーメーカーの座を確立しています。しかし、そんなマツダには過去に幾度かの逆境があり、それを乗り越えることで強くなってきた歴史があります。
最初に訪れた危機は1945年。日本は第二次世界大戦の敗戦により国内企業は壊滅的状態にあり、原爆投下のあった広島に本拠をおくマツダにとっては従業員やその家族も犠牲になるほどのダメージがありました。それまで軍需工場として使用していた広大な本社工場を、オート三輪製造へとシフトすることでいち早く活用。戦後のオート三輪市場を席巻することとなりました。
第2の危機は1970年代。1967年初となるロータリーエンジン搭載車コスモクーペの発表以来、いよいよ主力車種の3分の2をロータリーエンジンへとシフトしていたマツダをオイルショックが襲い、北米向け輸出が大打撃。根幹を揺るがす経営危機に陥りますが、フォードとの提携や5代目ファミリアの爆発的ヒットにより危機を脱します。
第3の危機は1990年代。販売網の拡充や多角化経営を目指した結果、逆に販売モデルが重複し業績は悪化。この危機を救ったのは現在も販売中のデミオであり、かつ根本的な経営戦略の見直しによるものでした。マツダには度重なる逆境にはそれを跳ねのける救世主モデルがあり、バネにする強さがあるのです。
ファミリア5代目BD型はサーファーの必須アイテムだった
マツダ ファミリア 5代目BD型は1980年のデビュー。4代目のワイド(幅広)なボディデザインから、シャープなウェッジシェイプ(くさび型)デザインへと大胆に変更。また、全面の窓はクリーンでピラーが薄く、BD型をより洗練された印象の仕上がりへと大きく寄与することとなりました。
5代目ファミリアは快適性能にもすぐれ、前席シートはフルフラットまで倒すことが可能となり、後部座席は左右2分割で前方へと折りたためるため積む物の種類を選ばず、アウトドア志向の若い世代の人気を呼ぶことに。さらに80年代に到来したサーフィンブームと相まって、ファミリアはサーファーが波乗りに出かける際のツールとして爆発的ヒットとなったのです。
5代目ファミリア BD型は、新規開発のBDプラットフォームやデザイン性の高さ、簡素ながら抜群の操縦安定性などから第1回の日本カー・オブ・ザ・イヤーをはじめ、アメリカ・オーストラリアでもカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。生産開始からわずか27ヶ月で100万台の生産販売台数を達成しました。
5代目ファミリア BD型の少し笑えるエピソードに、サーフィンをしない若者がルーフにボードを搭載したファミリアを真似るため、ファミリアにルーフキャリアを取りつけボードが飛ばないようボルトで固定し、渋谷のサーファー系ディスコに繰り出したという逸話も。サーファーカットとファーラーパンツ、赤いファミリアは「陸(おか)サーファーの必須アイテム」とも言われました。
WRCラリーでも優勝!ファミリア5代目BD型のスペック
5代目ファミリアBD型は、3ドア・5ドアのハッチバックと4ドアのノッチバック(セダン)がラインナップ。エンジンはレシプロエンジンを前方・横置きとしたFF(前置きエンジン・前輪駆動)です。
エンジンバリエーションには、1.3L 直列4気筒SOHCの74PS、1.5L 直列4気筒SOHCの85PSとEGIエンジンの95PSを用意。サスペンションは4輪が独立式ストラットとなり、長いトレーリングアームに2本のロアアームを組み合わせた独創的なトーコントロールを実現する「SSサスペンション」を採用。このSSサスペンションはシンプルでありながら高い操縦安定性を誇り高評価を受けました。
1983年には3ドアハッチバックと4ドアセダンに初となるターボ搭載車がデビュー。1.5L 直列4気筒SOHCターボとなるEGIエンジンは、大型のバケットシートが採用され、最高出力115PSを達成。また、モータースポーツでも活躍し、1982年のWRCモンテカルロラリーではクラス優勝を果たしています。
ファミリア5代目BD型は手放す人が少なく稀少
マツダ ファミリア5代目BD型は製造年が1980年から1985年と古く、出回る数も少なくなっています。このことは、人気のスポーツカーなどは年式が古くても解体されることが少ない一方、コンパクトハッチなどは現在でもよほどの人気車でないかぎり、解体されてしまったケースが多いということです。
絶大な人気を誇り、性能の良さ・使い勝手の良さ・スタイリングの良さは今でも十分通用し、非常に惜しいと思いますがそれが現状のよう。しかし、なかには当時のまま乗り続けボードを積んで波乗りの相棒に使うユーザーも!ちなみに現在は4ドアセダンが80万円となっています。(*2018年5月時点)
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本日の在庫数 19台 平均価格 155万円 支払総額 20~617万円
マツダ ファミリア BD型のスペック表
下記のスペック表は、1980年デビュー当時のファミリアBD型のものです。
エンジン | E3型:1.3L 直列4気筒SOHC E5型:1.5L 直列4気筒SOHC |
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最高出力 | E3型:74PS/5,500rpm E5型:85PS/5,500rpm E5型EGI:95PS/5,500rpm |
最大トルク | E3型:10.5kgf・m/3,500rpm E5型:12.3kgf・m/3,500rpm E5型EGI:12.6kgf・m/4,000rpm |
ボディサイズ | 全長:3,955~4,155mm 全幅:1,630mm 全高:1,375mm ホイールベース:2,365mm |
車両重量 | 765~850kg |
トランスミッション | 3速AT 4速MT 5速MT |
駆動方式 | FF |
乗車定員 | 5人 |
新車時車両価格 | – |
この記事のマツダ・ファミリアは、2019年5月24日にマツダが寺田倉庫B&Cホールで開催した、新型Mazda3発表会の会場に展示されたものです。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...