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日産フェアレディZの歴代モデルを画像で解説!初代から新型7代目まで
目次
日産 フェアレディZとは
フェアレディZは日産自動車が製造・販売する、日本を代表するスポーツカーの1台です。
1960年代にフェアレディZの開発・販売を企画したのは、米国日産の社長を務め、のちに「フェアレディZの生みの親」と慕われた片山 豊氏。
同氏が語った「長距離を自由に移動できる高性能スポーツカー」は、現在のフェアレディZの開発コンセプトにも活かされています。
フェアレディZの源流 ダットサン・フェアレディとは
ダットサン・フェアレディは、日産自動車が製造しダットサンブランドで販売したスポーツカーでありフェアレディZの源流といえる車です。
ダットサン・セダンをベースに作られた「ダットサン・スポーツ」の後継モデルに「フェアレディ」の名前が冠されることになります。
ダットサン・フェアレディは1959年に登場し、2世代まで進化。輸出も本格化したため、型式には左ハンドル(Left handle)を表す「L」が付けられています。(初代の表記は「フェアレデー」)
車名「フェアレディZ」の由来
車名の「フェアレディ(FAIRLADY)」は貴婦人、「Z」はアルファベット最後の文字から「究極」を意味しています。
当時の日産自動車の川又社長がブロードウェイミュージカルの「マイ・フェア・レディ」に感銘を受け、車にも洗練されてゆく美しさを求めたといわれています。
【初代】フェアレディZ:S30型(1969〜1978年)
初代フェアレディZは先代の「ダットサン・フェアレディ」に代わり、1969年にデビューしました。
日産を代表するスポーツカーとして、世界総販売台数55万台(国内販売は8万台)を達成し、とくに北米市場での人気は絶大でした。
それまでは「スポーツカー=高価」という方程式がありましたが、比較的安価に手に入るスポーツカーという事が人気の理由でした。
初代フェアレディZは、2.0〜2.8Lの直列6気筒エンジンを搭載。
コストの関係から初代「フェアレディZ」はL20型(130PS)というエンジンを基本搭載としていましたが、海外向けのモデルには排気量の大きいL24型というエンジンが設定されていました。
ジャガーEタイプクーペのような車を目指して開発されたこともあり、ヨーロッパ車を彷彿とさせるスペックと魅力的なボディスタイルが特徴です。
歴代フェアレディZのアイデンティティといえば、「ロングノーズ・ショートデッキ」のボディ。
フロントに直列6気筒エンジンを搭載したロングノーズに、キャビンとリアオーバーハングを最低限にとどめた、今では古典的とも言えるスタイルです。
【2代目】フェアレディZ:S130型(1978〜1983年)
フェアレディZは10年ほど生産した後に最初のフルモデルチェンジを受け、1978年に2代目がデビューします。
1代目のロングノーズ・ショートデッキスタイルを継承しながらも、全長は空力特性の向上のため拡大。リアサスペンションはストラット式からセミトレーリングアームに変更され、燃料タンクとスペアタイヤ格納位置も後方へ移動しました。
初代を正常進化させた2代目フェアレディZは41万台を生産。国産初の乗用車用ターボエンジンとして開発された「L20ET搭載」のターボ車も投入された記念すべきモデルです。
画期的な新機軸を盛り込んだ訳ではない、いわゆる”正常進化型”である2代目「フェアレディZ」は、歴代モデルの中では影が薄いと言われることもしばしば。
【3代目】フェアレディZ:Z31型(1983〜1989年)
2代目の発表から5年後となる1983年、3代目がデビューします。
3代目もロングノーズ・ショートデッキのコンセプトを引き継ぎつつ、エクステリアデザインは大きく変化しました。
一番大きな変更点は、先代までの丸型ヘッドライトから、当時流行となっていたセミリトラクタブルヘッドライトに変更されたことです。全長も2代目より更に大きくなりました。
旧態依然のL型から、新開発のV型6気筒エンジンであるVG型を搭載し、名称もS○型系から、Z○型系に変更。後にターボを搭載した直列6気筒モデルが追加されます。
空力特性も非常に良かったと当時のドライバーが異口同音に評価していたそうです。
1986年のマイナーチェンジでは、日産デザインインターナショナル(米国)のデザインによるエクステリアが採用されました。300ZX / 300ZR(3.0Lエンジン搭載モデル)は大幅な意匠変更が施されており、ファンの間ではこのモデルから”後期型”と呼ばれています。
累計生産台数は33万台です。
【4代目】フェアレディZ:Z32型(1989〜2000年)
1989年、日本ではバブル期に誕生した4代目。
4代目フェアレディZは、初代から引き継がれたロングノーズ・ショートデッキのスタイルをを捨て去り、「ワイド・ロー」のスタイルを手に入れました。ヘッドライトも迫力のある固定式に。
高性能スポーツカーとしてさらに強化された3.0Lツインターボエンジンは、国内最強の馬力を誇り300PSを発生。
四輪マルチリンクサスペンションが標準装備されたことにより、先代より車体が重くなったにも関わらず高次元なハンドリングを実現します。
しかしこのパワフルさは、当時の運輸省(現・国土交通省)の指示により、国内自動車メーカー間で「280PS自主規制」の取り決めが生まれるきっかけとなりました。
4代目は16万台を売上げましたが、バブル崩壊の影響で2000年12月に販売を一旦終了。当時フェアレディZは絶盤車となりました。
【5代目】フェアレディZ:Z33型(2002〜2008年)
倒産寸前の日産が持ち直し、満を持してデビューした5代目「フェアレディZ」。
ルノーとの資本提携によりルノー傘下となった日産。企業方針が変わり、5代目フェアレディZ(Z33型)は21世紀に向けた新時代の「フェアレディZ」として生まれ変わりました。
デザインの完成度は高く好評だったものの、あまりの変貌ぶりに元来のファンは困惑し物議をかもしたといいます。
先代の4代目、Z32型までは一貫して日産の子会社で30年間で生産されてきた「フェアレディZ」シリーズですが、このZ33型から日産本社に生産が移行。名実ともに日産の生産車種となりました。
エンジンはさらに進化を続け、馬力規制緩和もあって3.5L VQ35DE型エンジンは294PS、VQ35HR型エンジンは313PSまで向上するに至ります。
MT(マニュアル)車はZ32までの5速から6速になり、先代で制限されていた出力規制枠が撤廃されてからパワーも向上。
新しいボディタイプとしてオープンモデルの「ロードスター」も発売。
2007年には専用のエアロとヤマハ製のパフォーマンスダンパーをはじめとするチューニングパーツを装備した「versionNISMO」がデビューしました。
アメリカンテイストの漂うこのエクステリアデザインは、原来のファンからは賛否両論。しかし、Z33型は新時代の日産がリリースした新時代のフェアレディZといえるでしょう。
【6代目】フェアレディZ:Z34型(2008年〜2021年)
2008年にフルモデルチェンジして6代目となったフェアレディZ。2016年に一部仕様を向上しています。
4代目で失われたアイデンティティ「ロングノーズ」を表現するために、ホイールベースが100mm短縮され、Z本来のボディスタイルが再現されています。
それによりクイックなハンドリングとなり、スポーツ志向の高さを向上し、空力性能が更に磨きを増しました。
改良にあたり、エンジンの重量増加・安全性の向上・車体剛性の強化と、軽い車両重量を両立。
スカイラインで採用された「3.7L VVELエンジン」の搭載で、最高出力は336PSを発生。シリーズ最大のパワーを誇ります。
技術の進歩により、重さが変わらない状態でボディの剛性がUP。
先代にも設定された「versionNISMO」はエンジンにフルエアロ、ボディ強化、サスペンション強化が施されました。
「スポーツカーオブザイヤー」や、グッドデザイン賞。”オートカラーアワード”など、数々の賞を受賞し、名実ともに日産の代表車となっています。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...