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三菱史上最高級セダンは韓国車とのコラボだった?海外メーカーとの共同開発車たち【推し車】
自動車メーカー同士がタッグを組んで共同開発した車は、「国産車メーカー同士」だけではなく、「国産車メーカーと海外メーカー」によるものも存在します。
ただし、現在のトヨタ GRスープラとBMW Z4(3代目)のように、同じ部品を使いつつ開発そのものは全く別に行い、全く別の車になるパターンだと厳密には共同開発と言い難いでしょう。中身が同じでも全く変わるなら、それも実質的には別な車を作っているようなものです。
今回はそれらと異なり、国産車メーカーと海外メーカーが共同開発し、ほぼ同じ外観の車をそれぞれのメーカーで販売した例を紹介します。
アルファロメオ アルナ/日産 チェリーヨーロッパ(1983年)
種まきが早すぎ、花開かずに終わった日伊合作車
アルファスッドの後継「33」より安価なFF大衆車を求めたイタリアのアルファロメオと、ヨーロッパでの販売を拡大したい日産が手を組み、合弁会社ARNA(Alfa Romeo Nissan Autoveicol)で生産した車。
33と同じ水平対向4気筒エンジン縦置きFF車とするため、ベースの日産 パルサー(2代目N12型)へ大幅に手を加え、アルファロメオの要望によるサスペンションで乗り味も好評だったものの、電装系トラブルなどアルファスッド譲りな信頼性の低さは相変わらず。
販売不振により1代限りでしたが、アルファロメオは日産の生産技術を学び、日産はチェリーヨーロッパとして販売するなど、両社にメリットのある合弁でした。
初代ヒュンダイ エクウス/三菱 プラウディア/ディグニティ(1999年)
2代目デボネア以来続いた日韓合作の集大成
デボネアV(2代目デボネア)開発末期から韓国のヒュンダイヒョンデ)と高級セダンの開発で提携した三菱でしたが、ヒュンダイ版グレンジャーが韓国でよく売れたので、デボネアの部品にも韓国製が増えていきます。
3代目デボネア/2代目グレンジャー後継では、ヒュンダイ独自開発となったグレンジャーが日本へ輸出されるようになり(ヒュンダイXG)、さらに大型のセダンを求めるヒュンダイのため、新型のエクウスを共同開発しました。
三菱版プラウディアとロング版ディグニティ(いずれも初代)は、4.5リッターV8GDIエンジンを搭載する三菱史上最高級セダンとなったものの、短期間の販売で終わり、かなりのレア車となっています。
- 最新「プラウディア」中古車情報
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本日の在庫数 14台 平均価格 131万円 支払総額 50~205万円
- 最新「ディグニティ」中古車情報
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本日の在庫数 1台 平均価格 448万円 支払総額 448~448万円
フィアット セディチ/初代スズキ SX4(2006年)
イタリア版はSUV、日本版はモータースポーツで活躍
2000年代半ば、GMとイタリアのフィアットが共同でヨーロッパ向け小型SUVを開発する話になり、実際の開発はまだGMグループだったスズキが担当します。
こうして生まれたのがジウジアーロデザインのSUV、フィアット版セディチとスズキ版SX4で、ヨーロッパ向けはハンガリーのマジャールスズキで、日本国内向け(スズキのみ)はスズキの国内工場で生産。
フィアットは純粋なSUV(あるいはMPV)として販売したのに対し、スズキは基本的にエリオ後継な普通の小型車として販売したため、4ドアセダン追加やWRCなどモータースポーツにも参戦、ほぼ同じ外観でも両社のスタンス違いにより、かなり異なる車になりました。
- 最新「SX4」中古車情報
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本日の在庫数 12台 平均価格 57万円 支払総額 37~98万円
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...