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ジャガー初EV・SUV「I-PACE」は何がすごいのか?9つのポイント【試乗レポート】

新型ピュアEV・SUV「ジャガー I-PACE」試乗会に参加

ジャガー I-PACE

2019年3月28日、MOBY編集部はジャガー I-PACE の試乗会に参加。I-PACEはジャガー初となるピュアEV(エンジンを持たない完全電気自動車)のSUVで2018年9月より受注を開始している新型車。

I-PACEのキャッチコピーは「しびれる電気ジャガー」。もちろん感電ではなく、感性がしびれるという意味。試乗して体感したI-PACEのすごさを、9つのポイントにまとめてお伝えします。

① 外装デザインがすごい!

実物のI-PACEを見たときの第一印象は「車高が低い」でした。全高は、1,565mmとSUVにしては低め。全幅は1,895mmで日本の道路事情では目一杯のサイズ感。エンジンがないEVはフロントを低くデザインでき、見る人に「ワイド&ロー」な幅が広く車高を低く感じさせる効果が。

試乗したI-PACEは、22インチアルミホイールを履いた「ファーストエディション」。標準的なSUVの18インチ前後のタイヤサイズに比べると一回り、二回り大きく車高が低いと感じさせるもうひとつの要素ではないかと思えます。

ジャガー I-PACE ファーストエディションは、2018年9月の受注開始時の限定モデル。試乗車のボディカラー「フォトンレッド」も限定色。車両価格は1312万円。

ジャガー I-PACE ファーストエディション
「ファーストエディション」の名が刻印されたスカッフプレート
ジャガー I-PACE
22インチの大きいタイヤサイズもさることながら、ボンネットの低さと短さは斬新でEVであることを実感。
ジャガー I-PACE
限定モデルのファーストエディションは、マトリックスLEDヘッドライト(シグネチャーDRL付)を装備。通常販売グレードのHSEにも装備。
ジャガー I-PACE
フロントノーズ部分が短いのが特徴。
ジャガー I-PACE
獲物を狙うジャガーを想起させる全体的なデザイン

② 空気抵抗がすごいのでリアワイパーがない

ジャガー I-PACE
グリルの上部から少し空が見えている。

ジャガー I-PACEのフロントグリル上部からボンネットに向けて、空気が抜けて通る幅の広いスリットがあります。

ジャガー I-PACE
ボンネットを上から見ると地面が見える。

ジャガー I-PACEは、フロントから受ける空気をボディ上部からリアウィンドウへきれいに流して空気抵抗を軽減。

ジャガー I-PACE

リアウィンドウは、SUVにしてはかなり傾斜がゆるめ。このリアウィンドウの上部にはフロントと同じように幅の広いスリットがあります。

ジャガー I-PACE
下から見上げるとリアウィンドウ上部のスリットから空が見える。

このスリット形状により、リアウィンドウに沿って空気を流すことができ空気抵抗を軽減、同時に雨が降って水滴がガラスにつかない空気の流れになり、I-PACEはリアワイパーを非装備にしたとのこと。

ジャガー I-PACEの空気抵抗を示すCd値はわずか0.29。(一般的なセダンやコンパクトカーののCd値は0.4前後、自動車メーカーが空気抵抗に特化した研究開発車両のCd値で0.19が限界値)

この空気抵抗の良さは、航続距離に大きく貢献しています。特にEVは空気抵抗による航続距離への影響が大きく、向かい風が強いだけでも航続距離が落ちる傾向があります。I-PACEの航続距離は、WLTCモードで438kmとなっています。(実際の航続距離について、ジャガー広報担当にヒアリング。この点は後述)

③ すごく速い!0-100km/h加速は4.8秒

ジャガー I-PACE

0-100km加速5秒を切るスポーツカー同等の加速性能を誇ります。試乗コースの高速道路の料金所から、アクセルを強めに踏むと異次元の加速感。モーターの加速はエンジンの加速の仕方と大きく異なり、ジェットコースターに近い感覚。比較対象できるものが思い浮かばす、うまく表現できませんが)興味のある方はぜひ一度試乗していただきたい。

④ 400PS、696Nmのすごいパワー

ジャガー I-PACE
ドアノブは使うときだけ出てくる仕様。これも空気抵抗軽減のため。

前項の加速のすごさと被る内容にはなりますが、前後2つのモーターの出力、トルクを足したシステム総合スペックは、400PS、696N・mとなり、国産SUVでこの数値を超えるモデルは存在しません。

ジャガー I-PACE
パワーについて記述するときは、ボンネットを開けたエンジンルームの画像をあわせたいところだが、I−PACEにはエンジンがない。
ジャガー I-PACE
エンジンがあるべき場所には、小物をいくつか収納できるスペースが。

⑤ モーター音がすごい!

ジャガー I-PACE 試乗会スライド
試乗前のI-PACE説明会でのスライドを撮影

試乗前の説明会で使用されたスライドの撮影画像のみで実際の音をお届けできないのが心苦しいですが、ジャガー I-PACEはモーター音の大きさを調整できる機能がついています。

センターコンソールにあるインフォテイメントシステムはタッチパネル式で、画面右上のスライダーでモーター音を調整。一番左にすると至って静か。反対側にすると、しっかりとモーター音がうなります。独特の加速感と相まって、まるで宇宙船に乗っているような感じに。

次の機会で、I-PACEの広報車をお借りして試乗するときは、その音をお届けしたいと思います。

⑥ 室内空間がすごい!

ジャガー I-PACE 試乗会スライド
ジャガー I-PACE 試乗会スライド

試乗時間は90分の限られた時間できちんと撮影できなかったため、こちらもスライド画像で失礼します。EVはエンジンがなく、トランスミッションも不要のため、車全体のパッケージングがコンパクトになり、室内空間の自由度が大きくなります。ジャガー I-PACEはさらに室内空間を最適に設計し、広い後席と大きな収納スペースが生まれています。後席シート下には、傘を横にして入れることができます。

ジャガー I-PACE
ファーストエディションだけに奢られる特別なスポーツタイプのシート
ジャガー I-PACE

ガラストップルーフはサンシェードなし!

ジャガー I-PACE
ガラスルーフは目一杯の面積で開放感あふれる。しかし、太陽が気にならない、

ジャガー I-PACE のルーフはガラストップ。このガラスは、熱線吸収、UVカット、眩しさカットでサンシェードが不要に。さらに、その面積も広いので室内空間は明るく開放感があり、室内の快適性だけでなく「わくわく感」も高まります。お子さんがいるファミリーにおすすめなポイント。

この室内のユーティリティも次回の試乗時にしっかりと確認してお伝えしたいと思います。

ジャガー I-PACE

⑦ 乗り心地がすごい!

クルマの乗り心地は、サスペンション、タイヤ、シート、ボディそのもののさまざまな要素が組み合わせって乗っている人に感じさせます。試乗車はアクティブエアサスペンションを装備し、コンフォート、アクティブ、エコのモード切り替えで乗り心地も変わります。

コンフォートモードでは、イギリス車らしいしなやか、マイルドな乗り心地、いわゆる「猫足」な印象。アクティブモードに切り替えると、しっかりと引き締まります。高速道路のレーンチェンジや、スピードを抑制させるハンプの上を走ると、その違いがわかります。

アクティブモードでも後席に座った編集部員は、至って快適、モードの切り替えは意識しないとわからないと言っていました。大きい22インチで薄い扁平率というタイヤは乗り心地に悪影響を及ぼす要素ですが、ここはさすが「ジャガー」と感じさせます。

次の試乗では、エアサスではないコイルスプリング仕様車で試してみたいものです。

ジャガー I-PACE

⑧ I-PACEの研究開発がすごい!地球60周分走ったとか

ジャガー I-PACE 試乗会

I-PACEの開発にジャガーは、

・プロトタイプは200台
・150万マイル≒24万km≒地球60週分をテスト走行
・気温プラス40℃の猛暑からマイナス40℃の極寒までの走行テスト
・50cmの水深の川での走行テスト
・ニュルブルクリンク北コースを400周以上

という過酷なテストを経て市販化に至っています。もう、これは「すごい」としか言いようがないのでは?

I-PACEデビューまでの軌跡を振り返る

MOBYが2018年2月に入手していたI-PACEプロトタイプのスパイショット

ジャガー I-PACE
ジャガー I-PACE

2017年にスクープされたI-PACE開発車両

新型 ジャガー I-Pace 2017
新型 ジャガー I-Pace
新型 ジャガー I-Pace

この頃のI-PACE開発車両は、F-PACEを流用しパワートレインのみをEV化していた模様。

⑨ EV・SUVをリードするジャガーがすごい

ジャガー I-PACEのすごいポイントを8点を挙げた後の総評として、「ジャガーがすごい」に至ります。そのすごさは、I-PACEという製品のすごさではなく、自動車ブランドとしてのすごさ。

現在、SUVでピュアEV(エンジンが搭載されない完全電気自動車)を生産販売するのはジャガーを除くとテスラのみ。テスラは自動車メーカーとしては新参者、いにしえから存続する自動車ブランドとして、ピュアEVのSUVを現時点販売をしているのはジャガーだけ。アウディは「e-tron」の名のSUVを発表したまでで2019年内の発売予定、メルセデス・ベンツは「EQC」の発表が間近で他はまだという状況。この点について、ジャガー広報担当と話をしたところ、一足先に公道を走れる車を持つジャガーは、より先にナレッジを蓄積できるアドバンテージがある旨を仰っていました。

ジャガーは2015年に80周年を迎える老舗。この歴史のあるブランドそのものは、車に詳しくない方でも「ジャガーはすごい」と感じていただけるのではないでしょうか。

ジャガー I-PACE

逆にすごくないところはどこ?

90分の試乗時間で「すごくないところ」を感じることができませんでした。長距離を乗って確認したいと思います。

ジャガー I-PACE

実際の航続距離はどうなのか、ジャガーの人に訊いてみた

ジャガー I-PACE 充電コネクタ
I-PACEの充電方式は一般的な「CHAdeMO(チャデモ)」

ジャガー I-PACEのカタログスペックでの航続距離は438km。実際はどうなのか、ジャガー広報担当に伺ってみたところ、「夏場や冬場の走行、山岳道路などは除く普通の状況下なら400kmは走る。エコモードにしてエアコンの使用を抑えて、効率重視で走れば500km超えも」とのことでした。

これも次回の試乗時に確認してみたい点です。

「情報量の多いクルマ」I-PACE

ジャガー I-PACE
離れた距離から見たほうが斬新なデザインであることに気がつくかも

短い時間のI-PACEの試乗でしたが、筆者の感想を一言でまとめるなら、今風で言う「情報量が多い」クルマだと感じました。外装のデザインからスペックだけでなく、今回試しきれなかったインフォテイメントシステム、オーディオその他の細かい機能で気になるところ無数にあった、という情報量の多さです。

少し先になるかもしれませんが、MOBYでジャガー I-PACEを徹底試乗したレポートをお届けしますので、どうぞお楽しみに。

「安全装備もしっかり」ジャガー I-PACEのスペック一覧と価格

安全装備

緊急ブレーキ衝突回避(対応速度の範囲内)
クルーズコントロールアクセル踏まずに速度維持
スピードリミッター任意設定の速度以内で走行
レーンキープアシスト車線逸脱警報、ハンドル操作制御
トラフィックサインレコグニション速度規制、追越禁止標識等を表示
アダプティブスピードリミッタートラフィックサインレコグニションと連動する速度抑制
360度サラウンドカメラ車の周囲360度をモニターに映す

運転支援システム

パークアシスト縦列、並列駐車自動ハンドル操作
360°パーキングエイド後退時360°にセンサーとモニター作動
リバーストラフィックディテクション後退時車の左右に接近する車や人を検知し警告
クリアイグジットモニター後席の降車時に車や人などの接近を検知し警告
*アダプティブクルーズコントロール
(ストップ/スタート付き)
全車速で車間距離維持する自動アクセル
*ハイスピードエマージェンシーブレーキ自動緊急ブレーキ(10〜160km/h)
*ブラインドスポットアシスト車線変更時の後方車両接近警告

*印はオプション
※詳細はスペック表下に記載の公式HPからご確認ください。

スペック表

全長(mm)4,695
全幅(mm)1,895
全高(mm)1,565
ホイールベース(mm)2,990
車両重量(kg)2,330(コイルサス車)
2,340(エアサス車)
乗車定員(人)5
最高出力(システム総合)294kW(400PS)/4,250〜5,000rpm
最大トルク(システム総合)696N・m / 1,000〜4,000rpm
航続距離(WLTCモード)438km
駆動方式AWD(常時四輪駆動)

グレード・メーカー希望小売価格

I-PACE S9,590,000円
I-PACE SE10,640,000円
I-PACE HSE11,620,000円 

※表記の価格は税込。

【公式】ジャガー I-PACE WEBカタログ

ジャガー I-PACE

撮影・文:宇野 智(MOBY)

この記事の執筆者
MOBY編集部 宇野 智