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ハイブリッド車は実は損だった?車両価格や燃費と維持費の違いを徹底検証
目次
ハイブリッド車とは?
代表的ハイブリッド車 トヨタ プリウス

「ハイブリッド車」とは、種類の異なる2つ以上の動力源をもつ車です。ハイブリッド車の動力源は、ガソリンエンジンと電動モーターが主流。この2つの動力を使い分けたり、同時に使ったりして走行する点が、旧来のガソリン車にはないハイブリッド車の特徴といえます。
優れた燃費性能も、ハイブリッド車の特徴の1つです。多くのハイブリッド車はガソリン車よりも燃費がよく、燃料代を抑えて走ることができます。また、環境性能の高さから、市販のハイブリッド車は税制上で有利です。取得税や重量税などの免税、および減税を受けられます。
……と、ここでちょっと気になるのが、ハイブリッド車のもつ節約効果。ガソリン代と税金が安くなるなら、車の維持費を抑えられそうです。この点に着目して、MOBYでは新車購入から3年間乗った場合の、ハイブリッド車の維持費を試算してみました。
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本日の在庫数 9385台 平均価格 146万円 本体価格 10~525万円
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ハイブリッド車とガソリン車の車両価格の差はガソリン代で賄えない場合がある?

維持費の試算結果をお伝えする前に、ハイブリッド車の経済性に関する、ある話題に触れておかなければなりません。その話題とは、「ハイブリッド車は車両価格が高額なため、ガソリン車との差額をガソリン代や免税でまかなえないケースがある」というものです。
ガソリン代や税金を安く抑えられても、その経済的メリットを上回るほどに車両価格が高額ではお得感がありません。車両価格を考慮した場合、本当にハイブリッド車は経済的といえるのか……?この疑問点も踏まえて、ハイブリッド車の経済性を検証していきましょう。
新車車両価格はハイブリッド車の方が高い!

最初に検証するのは、ガソリン車と比較した場合のハイブリッド車の新車車両価格です。比較対象とするのは、「ホンダ フィット」「トヨタ CH-R」「トヨタ ノア」「トヨタ アルファード」の4車種。各車種のハイブリッド車とガソリン車の車両価格を、同一グレードで比較してみました。
車名/グレード | ハイブリッド車両価格 | ガソリン車両価格 | 差額 |
---|---|---|---|
ホンダ フィット / HYBRID・F、13G・F | 1,815,480円 | 1,428,840円 | 386,640円 |
トヨタ CH-R / S、S-T(2WD) | 2,614,000円 | 2,290,000円 | 324,000円 |
トヨタ ノア / X | 3,014,280円 | 2,466,720円 | 547,560円 |
トヨタ アルファード / X | 4,363,200円 | 3,354,480円 | 1,008,720円 |
ガソリン車と比べると、各ハイブリッド車の車両価格は高額です。トヨタ アルファードにいたっては、ハイブリッド車とガソリン車で100万円以上の価格差があります。
とはいえ問題とすべきは、この差額を燃費性能や税金の優遇で取り戻せるかどうか。次節では、ガソリン車とハイブリッド車のガソリン代の差を検証します。
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年間10,000km走行で3年間のガソリン代の差額は?
前節で車両価格を比較した4車種を対象に、ハイブリッド車とガソリン車のガソリン代の試算を行いました。今回の試算には、各車種のユーザーがネットに寄せる実燃費のデータを活用。実燃費の平均値を出したうえで、年間走行距離を10,000Kmとした場合の3年間のガソリン代を計算しました。
車名/グレード | ハイブリッド車 | ガソリン車 | 差額 | ||
---|---|---|---|---|---|
実燃費 | ガソリン代 | 実燃費 | ガソリン代 | ||
ホンダ フィット / HYBRID・F、13G・F |
23.76Km/L | 182,106円 | 17.6Km/L | 245,887円 | 63,781円 |
トヨタ CH-R / S、S-T(2WD) |
21.11Km/L | 205,050円 | 12.1Km/L | 357,719円 | 152,669円 |
トヨタ ノア / X | 16.1Km/L | 268,830円 | 10.6Km/L | 408,369円 | 139,539円 |
トヨタ アルファード / X | 12.8Km/L | 338,094円 | 7.7Km/L | 562,192円 | 224,098円 |
表のガソリン代は、本記事作成時点(2018年6月14日)のレギュラーガソリン代(全国平均:144.3円/L)で計算しています。ホンダ フィットに関してはガソリン車の燃費性能が高いため、動力方式によるガソリン代の差が6万円強しかありません。この一方でほかの3車種は、ハイブリッド車とガソリン車でガソリン代が10万円以上違っています。
自動車取得税・自動車税・自動車重量税の差額は?

ハイブリッド車には、最上級の「エコカー減税」および、「グリーン税制(グリーン化特例)」が適用されます。
エコカー減税は、登録時の「自動車取得税」および「自動車重量税」が免税あるいは減税される制度です。グリーン税制は自動車税が減税される制度で、車両を購入した翌年度分の税金に対して適用されます。
以上の免税と減税を踏まえたうえで、ハイブリッド車とガソリン車の税金の差額を見てみましょう。試算の対象期間は、新車購入時から3年間としています。
車名/グレード | ハイブリッド車税金総額 | ガソリン車税金総額 | 差額 |
---|---|---|---|
ホンダ フィット / HYBRID・F、13G・F | 9,000円 | 80,900円 | 71,900円 |
トヨタ CH-R / S、S-T(2WD) | 10,000円 | 119,200円 | 109,200円 |
トヨタ ノア / X | 10,000円 | 131,100円 | 121,100円 |
トヨタ アルファード / X | 11,500円 | 158,800円 | 147,300円 |
ハイブリッド車は、登録時の取得税と重量税が全額免除されるうえに、登録した翌年度分の自動車税が75%減税されます。このため、新車購入時から3年間で支払う税金が格安です。
ハイブリッド車と比べると、ガソリン車の税金は高額と言わざるを得ません。ホンダ フィットの「13G・F」だけはエコカー減税(取得税=20%軽減、重量税=25%軽減)が適用されますが、それでもハイブリッド車と比較すると税金は高額です。
なお、実際に車を購入する際は、装備するオプションの価格に応じて自動車取得税が変動します。表に記した税金は、あくまで目安と思ってください。
エコカー減税について詳しくはこちら
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【自動車重量税とは?】いつどこで払う?還付と13年経過の重量税について|2018年最新版
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...