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車好きがおすすめするVTEC搭載車5選!MTで操って楽しい、胸熱なスポーツカー

「VTEC」の4文字に胸を熱くした日々を、僕らは忘れない

1989年4月、3代目インテグラへ初めて搭載された初のホンダVTEC、B16A(1.6リッター直4DOHC VTEC 160馬力)

ホンダ独自の可変バルブタイミング・リフト機構「VTEC」。

「お前、VTECって何の略だか言ってみろ!」「なんだとこの野郎!Variable valve Timing and lift Electronic Control systemだ!文句あるか?!」。

後輩がケンカで怒鳴り合ってると思って耳をそばだてていると、突然VTECの話題になってズッコケた30年前、ホンダの可変バルブタイミング・リフト機構VTECは、クルマ好き少年にとって細かい理屈はわからないまでも、ものすごい高性能を発揮する憧れのメカでした。

三菱の「MIVEC」やトヨタの「VVT」など他社の可変バルブ機構と同様、今では軽自動車にも当たり前のように採用されており、ホンダエンジンの代名詞と言ってもよいくらいですが、ごく初期には高性能自然吸気エンジンの代名詞だった事もあります。

当時は単純に「リッター100馬力オーバーを軽々発揮する高性能エンジンの代名詞」でしたが、実際は環境性能と動力性能の両立を目指し、キメ細かい制御で低燃費&低排出ガスの実現にも有利な高効率エンジンとしても優れた性能を発揮します。

そのため年々搭載車は増えていき、今や軽自動車にも当たり前のようにVTECが採用されていますが、それでもかつてのクルマ好き少年からすれば、ハイカムへ切り替わると性格が変わって猛然と吹け上がる高性能エンジンの思い出に、今でも胸が熱くなるものです。

その熱い想いのままに、特にオススメしたいVTEC搭載車を5台紹介したいと思いますが、ポイントは2つ、「現行車」と、「中古で比較的簡単に見つかり、整備やコスト面で維持が難しすぎないクルマ」。

せっかくですから環境にやさしい高効率型のVTECより、MTで操って楽しい、胸熱なスポーツ向けVTEC搭載車をご紹介したいと思います。ポイントから外れてもあえてオススメしたいクルマも混ぜてみました。

孤高のVTEC搭載FRスポーツS2000(AP1・F20C/AP2・F22C)

ホンダAP2 S2000(後期型)

ホンダ自身が愛する、最初で最後であろうVTECの「S」

おそらくホンダが内燃機関で送り出す最後のFRスポーツであり、最初で最後のDOHC  VTEC搭載FRスポーツ。

ホンダ技研工業創立50周年記念事業として、1963年にホンダが四輪車事業へ参入して最初のS500から、1970年に生産を終えたS800までの「S」シリーズを現代的解釈で蘇らせた、国産オープンスポーツとしても最強クラスの実力を誇る名車です。

厳しい排ガス規制で従来の高回転高出力型自然吸気エンジンが成り立たなくなる中でも、8,300rpmで250馬力(リッター125馬力)に達する2リッター直4DOHC VTECエンジンF20Cは健在でしたが、最大トルク(22.2kgf・m)発揮に7,500rpmを要したのは少々マニアック。

そこで2005年のマイナーチェンジで排気量を2.2Lへ拡大、最高出力は242馬力/7,800rpmに抑えた代わり、最大トルク(22.5kgf・m)を6,500rpmから発揮する、スポーツ走行の実戦から街乗りまで気持ちよい走りに向いたF22Cへと更新されました。

プレミアつきでも、それに見合った価値はある

6速MTのみでATは設定しないなど、陽気と風を感じて流すというより、常時それなりのテンションを要求されるピュアスポーツだった事もあって販売面で成功したとは言い難く、派生車や後継車もない一代きりでしたが、それが一層ストイックな魅力を増しています。

中古車市場(2022年11月、大手中古車情報サイト調べ)ではAP1が177台で価格帯は176万~880万、AP2が106台で287万~1,100万円と程度良好車にはプレミアがつきますが、「もうこんなクルマをホンダが出すことはない」と考えれば、高すぎる買い物とは思いません。

純正部品の供給継続で、朽ちるまで生涯を共にできる名車へ

何より、ホンダ自身がS2000の純正部品供給継続に並々ならぬ意欲を示しており、公式サイトの「S2000 PARTS CATALOG」ページ(https://www.honda.co.jp/S2000parts/)で、パーツカタログや供給可能部品を公開するだけでなく、かなりの頻度で更新し続けています。

ホンダが将来に向け、名車として育てる強固な意志を持っている以上、「どれだけ高性能でも、純正部品不足で維持に苦労するクルマ」と同列には語れません。

ホンダの自然吸気ツインカム&VTECサウンドを後世に残し、ともに朽ちるまで走り続けるパートナーとして、S2000以上のVTECスポーツはない!と断言できます。

最新「S2000」中古車情報
本日の在庫数 210台
平均価格 453万円
支払総額 185~1,531万円

6速MTで楽しめ! 3代目フィットRS(GK5・L15B)

ホンダGK5 フィットRS

「テンゴ」スポーツの傑作

21世紀初頭のホンダを支えるベーシックモデルとして、それ自体はもちろん多数の派生車種を生んでいるフィットですが、初代モデルへ1.5リッターSOHC VTEC車が追加された事で、「ユーザーが求めるホンダらしさ」を満たしたと言えます。

スポーツカーに限らず、運転を楽しめるクルマとして大事な「走る・止まる・曲がる」の3要素を確かめるのに最適な「ジムカーナ」という短距離タイムアタック型のスピード競技でも初代から活躍しており、その最盛期と言えるのが3代目GK5フィットRS。

テンロクNA時代のスイスポへ果敢に挑む勇姿

ジムカーナ競技のPN1クラス(時期によって異なりますが、GK5が活躍した頃は1.6リッター以下のクラス)で、スズキの1.6リッターホットハッチ、ZC31S/ZC32Sスイフトスポーツ全盛期にも唯一真っ向から戦えたマシンです。

1.5リッターDOHC i-VTECのL15Bは最高出力132馬力/6,600rpm、これを6速MTで操り、排気量がやや大きく圧倒的多数派のライバルへ果敢に挑む姿は、かつて1960年代のレースで800~1,000cc級のライバルと互角以上の戦いを魅せた、S600を思い出させます。

4代目(現行)のダウンスペックで、プレミアがつく前に急ごう!

現行の4代目フィットも2022年に「RS」を追加しましたが、CAFE(メーカー別平均燃費基準)がらみで安価でも燃費が悪いハイパワー&MTの量販スポーツは都合が悪いのか、純ガソリン車は最高出力が118馬力に留まるL15ZにCVTの組み合わせのみ。

ならばと中古車市場でGK3フィットRSの6MT車を探すと、車両本体価格は78万円~244.9万円で、最新ながらCVTのみなGS4フィットRS(純ガソリン車)の195.91万円と比べ決して割高ではありません。

問題は6MT車のタマ数が全国でもわずか71台と限られることですが、納得する一台と出会うために駆けずり回る価値が、きっとあります。

最新「フィット」中古車情報
本日の在庫数 4348台
平均価格 132万円
支払総額 12~300万円

燃えよホンダスピリッツ!初代 インテグラタイプR(DC2/DB8・B18C spec.R)

ホンダDC2 インテグラタイプRクーペ

20年以上を経ても蘇る鮮烈な記憶

中古車市場でのタマ数が少なくわずか65台、車両本体の価格帯は132万~1,155万円とはいえ、安い個体はとんでもない過走行やオリジナル派には許せない、そうでなくとも不安の方が大きいカスタムが施されており、今回のオススメ条件には全く合いません。

しかし、まだ新車が販売されていた当時、通勤にも使っていて既に走行距離が15万kmを軽くオーバーするDC2(3ドア)が、フルノーマルでも市販車らしからぬ吹け上がりで猛然と加速し、ヘリカルLSDを効かせて信じがたい旋回性能を発揮した事を、筆者は知っています。

キチンとメンテすれば、現在も第一線で通用する実力

それから20年以上経った今、同じ過走行でも意味は全く異なるかもしれませんが、予防整備を中心にキッチリとメンテナンスを受けたDC2/DB8は、現在でもモータースポーツで抜群の高性能により、第一線で立派に活躍するだけの能力を持っているのは事実です。

安い個体よりシャンとしてる可能性が高い、プレミアつきの個体を買うのもいいのですが、、高い予算をつぎ込むならば、安価な個体をオーバーホールやレストアのプロに託し、本来の性能を発揮させるのを筆者は強くオススメします。

そのインパクトはプライスレス、想像するだけではもったいない!

環境のために燃費や排ガスがクリーンなエンジンもいいでしょう。

しかし、同じ高効率でも、開発者の祈り、エンジニアの魂が宿った究極のDOHC VTEC「B18C spec.R」、それもフルノーマルエンジンが、ハイカムへ切り替わってどこまでも突き抜けるように吹け上がる感覚を、今味合わずしていつ味わうのでしょうか?

ホンダコレクションホールで想像だけしてため息をつくより、どれだけ苦労しても実物を味わうだけの価値が、絶対にあります。

既に維持の容易さやコストパフォーマンスという次元から遠ざかっているものの、20年経っても夢に見るような感動は、お金には変えられません。

あえて昔の言い方をすれば、「女房を質に入れてでも乗るべきクルマ」とは、この事でしょう。

最新「インテグラ タイプR」中古車情報
本日の在庫数 100台
平均価格 287万円
支払総額 141~623万円

最後の自然吸気VTECスポーツ! 3代目 シビックタイプR(FD2・K20A R-Spec)

ホンダFD2 シビックタイプR(3代目)

比較的新しく、かつ戦闘力の高いDOHC i-VTEC搭載車

プレミアがつく前のテンロクシビックなら、B16Aを積むEG6(“スポーツシビック”SiR)やEK4(“ミラクルシビック”SiR)もオススメするところですが、あくまで実用車のホットモデルですから、よほど思い入れでもなければ二の足を踏みます。

そして真打ちのEK9、初代シビックタイプRはDC2/DB8インテグラタイプR同様、新車販売当時は「フルノーマルでも走りを楽しめるという意味では、チューンドと全く遜色ないマシン」でしたが、感動する度合いやストイック度でインテグラに及びません。

ならば歴代シビックで維持や中古車の購入が比較的容易、現在でもモータースポーツの第一線で活躍できる実力を持ち、最高出力225馬力に達する2リッター自然吸気DOHC i-VTEC、K20A R-Specのの美味しいところをフルに活かして楽しめるオススメは、FD2です。

ファミリーセダンとしては失格もいいところだが、それがイイ!

4ドアセダンのため、ポジションとして4ドアハードトップ版のDB8インテグラタイプR後継という感じで、先代EP3と同様にイギリス製のFN2(シビックタイプRユーロ)も輸入しましたが、モータースポーツなど表舞台で活躍したのは、もっぱらFD2の方。

一見すると鈍重そうに見えて、日本向けノーマル車にあるまじきガッチガチの足回りでファミリーカーとして使用するには相当な無理があり、代わりにサーキットなど平滑な舗装路面なら抜群の走行性能を発揮しますが、タイプRなので許されるのが面白いところです。

それでも4ドアですからいざとなれば後席に人が乗れるメリットは大きく、他のK20A R-SPEC搭載車が軒並み3ドアハッチバック/ファストバッククーペなのに対し、実用性は抜きん出ています。

しかも中古車市場ではタマ数135台、車両本体価格は188万円~478万円と、まだ強烈なプレミアで「資産化」も進んでいないため、現実的な価格で比較的新しく高性能なVTECスポーツを楽しみたいなら、文句なしにオススメできる1台です。

最新「シビック タイプR」中古車情報
本日の在庫数 467台
平均価格 423万円
支払総額 108~918万円

VTECスポーツ最後の戦いへ! 6代目シビックタイプR(現行FL5・K20Cターボ)

ホンダFL5 シビックタイプR(6代目)

今やクルマ好きが真に楽しめるVTECへの道は険しい

ホンダが販売している中で唯一、「VTEC搭載車だからとオススメする理由のある車」が、2022年9月に発売されたばかりで最新のFL5シビックタイプRです。

ベースグレードでも車両本体価格は499.73万円、先代のリミテッドエディションのように限定モデルでも出れば軽く550万はオーバー、600万を超えても不思議ではない高価なクルマで、FF世界一を競われても、サーキットにでも行かなければ真価を発揮できません。

先々代のFK2以来、熟成を重ねたVTECターボK20Cはついに330馬力に達しましたが、そこまでこだわりながらスイッチ式の電子制御パーキングブレーキは普通のシビックと同じで、FK2まで戦ってきたジムカーナでサイドターンもできないのは興醒め。

現行車ならこれが一番…というより、これしかないから一番!

それでも、軽自動車をメインに、ミニバンSUVでなんとか自動車メーカーとしての体裁を維持しているホンダにとって、「過去にDOHC VTECで一世を風靡した名残」を残す唯一の現行車であり、「これしかないのだから、これが一番オススメ!」なのです。

だからこそ、ホンダには「世界一のFFスポーツなのに、できない事がある」という妥協をしてほしくないのですが、幸いFL5はまだ発売されたばかりですから、まだまだ時間はあります。

今後は米GMの小型車担当、ソニーとの協業モデル、新世代モビリティなど、従来とは異なるクルマづくりで忙しくなるホンダに、FL5以外の、ましてや初代EK9のようなタイプRを作る余裕はないはずで、せめて最後に残された夢を少しでも長く見せてほしいものです。

最新「シビック タイプR」中古車情報
本日の在庫数 467台
平均価格 423万円
支払総額 108~918万円

K20Aエンジンとは

名機B16A搭載車の中から、厳選した名車3台をご紹介

執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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