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「BEVにも“思いやり”を」車同士の充電機能はホントに便利?ディーラー営業がズバリ回答
「車同士で充電できる」と本当に便利なのか?
電力を車同士でシェアできるシステムが実現した場合、市場にはどのような影響が生まれるのでしょうか。某自動車メーカーの営業担当者に、双方向充電機能を備えたボルボについてインタビューしてみました。
“EV同士の充電が可能になることでEVの充電に関するハードルは大きく下がると言えるのでしょうか?”という質問を投げかけたところ、
「車同士の充電が可能というのは、緊急時には役に立つと思います」と、利便性に対しては一定の評価を示すコメントが。
しかし、「(双方向充電機能は)あくまでも補足的な機能であり、革新的な影響があるとは思いません」といった見解もいただきました。
販売者サイドにとって双方向充電機能が商品の目玉となるには、より電気自動車の普及率が高くなる必要があるようです。
緊急時の電力シェア機能として注目したい
東京都ではCO2といった有害物質を排出しない「ゼロエミッション・ビークル」の普及拡大を目指すなど、大きな注目を浴びている電気自動車。しかしまだまだガソリン車がメジャーな現代においては、「ゼロエミッション・ビークル」を購入することは勇気のいる選択でしょう。
特に気になるのは“電力を補充する施設”が自分の行動範囲にどれくらいあるのかという点です。現在、電気自動車を充電可能な施設は約2万件ほど。資源エネルギー庁の調査によれば、給油可能なガソリンスタンドなどの数が約2.9万件なので、その6割に匹敵する多さと言えます。
充電スポットの数が少ない現状では「もし電気自動車を購入して、走行中に電気切れを起こしたらどうしよう」という不安が付きまとうものです。
双方向充電機能を搭載した車がメジャー化すれば、そんな“もしも”のときに対応できる幅が広がるのもポイント。
同メーカーの公式サイトによれば、双方向充電機能を使いやすくするために、家電製品用のアダプタープラグや、他の自動車を充電するためのアクセサリーも展開する予定とのこと。
道端で電力切れを起こした車に、通りすがりのドライバーが余っている電力をシェアしてあげる、といった光景が当たり前になったらステキですね。
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- 執筆者プロフィール
- 小高皐月
- 1979年生まれ。会社員を経て、知人の縁で編集プロダクションに就職。子育ての経験を活かして様々な記事を担当していたが、取材をきっかけにドルオタ化。クルマを走らせながら一人でカラオケするのが大好きで、歴...