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サブディーラーとは?正規ディーラーとの違いやメリット・デメリットなど
ディーラーで働いていても、ディーラーの仕組みや組織体制は把握しきれないほど複雑なものとなっています。
サブディーラーもその一つで、正規ディーラーではないもののサブディーラーでも同じように新車を購入することができます。
メーカー系正規ディーラー、地域系正規ディーラーなどディーラーとひとことにまとめても種類は多く、いったいどのディーラーがいいのか迷う方もいることでしょう。
ディーラーの種類が違うということは、当然、経営管理や販売価格、対応なども違いがあります。
ではサブディーラーとはどのような仕組みなのか、正規ディーラーと比較した場合のメリットやデメリットをご紹介していきます。
目次
サブディーラーってなに?
サブディーラーとは、メーカーと特約店としての契約を結んでいない店舗を指します。
販売している車は正規ディーラーと同じになりますが、この契約を結んでいないという点が販売に関して大きく影響していきます。
詳しくはメリットの点でお話しますが、民間の整備工場や中古車販売店などでは、新車の販売もしておりそのような店がサブディーラーと呼ばれるのです。
そのため、小さな店舗であることが多い傾向にあります。
地域にある整備工場で、メーカーの看板を掲げている店を見たことはないでしょうか。
なぜ整備工場や中古車販売店なのに、メーカーの看板を掲げられるかというと、サブディーラーとして新車販売も行っているからなのです。
サブディーラーは、特定のメーカーだけを取り扱っているわけではありません。
スバルでもホンダでもマツダでも、そのサブディーラーが取り扱っているメーカーであれば、同じ店で違うメーカーの車を購入することもできます。
例えば親はホンダのフィットに乗りたいけど、息子は日産のキャラバンに乗りたいという場面もあることでしょう。
正規ディーラーで購入するのであれば、日産とホンダの2店舗に足を運ばなければならず、時間も手間もかかります。
しかし、サブディーラーではその店が扱っているのであれば、同じ店で新車を購入することができるのです。
相談次第では、納車も同じ日にすることもできるのではないかと思います。
サブディーラーはこのような特徴があるのです。
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サブディーラーと正規ディーラーとの違い5選!
では、サブディーラーと正規ディーラーの違いはいったい何なのでしょうか。
大きな違いは5つ挙げることができます。
・取り扱い車種の違い
・販売金額の設定の違い
・店の規模の違い
・メインとする経営方針の違い
・受けられる保証やサービスの違い
このような違いがあり、先ほどもお伝えした通り一つのメーカーしか取り扱っていない正規ディーラーに比べ、サブディーラーでは複数のメーカーを取り扱っています。
また、店の規模はサブディーラーのほうが小さい傾向にあり、メーカーと契約をする必要がないため、町の車屋さんなどと呼ばれている地域密着型の整備工場でもサブディーラーを名乗ることができるのです。
メーカーと契約していないということは、当然販売価格にも差が発生します。
販売価格をメーカーに指定されている正規ディーラーに比べ、サブディーラーではメーカーからの監視がありません。
つまり、どんな値段で売っても、誰からも文句をいわれないということです。
サブディーラーでは点検や修理などを経営のメインとしているため、新車販売にはあまり力を注いでいない店が多くあります。
正規ディーラーではどうしても、新車販売のノルマが課せられ、少し強引にでもノルマを達成しようと必死になります。
しかしサブディーラーではそのようなノルマがなく、お客さんのほうから購入したい意思を見せなければ提案をしてくれない可能性も考えられるのです。
正規ディーラーの強みは、メーカーの後ろ盾があるという点ではないでしょうか。
それに対しサブディーラーでは特約店としての契約を結んでいないことから、正規ディーラーでは受けられるサービスを受けることができない場合も存在します。
例えば、マイカープランのような定額制で車を購入するという方法や、ディーラー保証などがそれに該当します。
すべてのサブディーラーがそうだとは限りませんが、正規ディーラーでは当たり前に行っているサービスを受けられないかもしれないため、購入する予定であれば事前に確認しておきましょう。
正規ディーラーでもその種類は多い
先ほどから正規ディーラーとひとくくりに呼んでいますが、正規ディーラーも種類があります。
まず、大きなくくりとしては
・メーカー系の正規ディーラー
・地域型の正規ディーラー
この2種類があります。
何が違うのかというと、メーカー系ではメーカーが資本となり経営を行っています。
違う点は、例えば純正部品の卸値や社員の待遇などでしょうか。
メーカーでは純正部品を取り扱っているのですが、その卸値が少し違ったりしています。
また、地域型のディーラーはメーカーと契約を結んでいるものの、その地域で中古車販売店をしていた店がメーカーと契約をしているなどのように、個人店でメーカーを名乗っていることも少なくありません。
メーカー資本の正規ディーラーでは、メーカーからの要望が多く、社員の基本給から手当制度、新車の値引き上限額まで隅から隅までメーカーが目を光らせています。
規模は大きいですし、最低賃金も地域型に比べ高い傾向にありますが、最も自由度が低いディーラーだといえるでしょう。
しかし、経営が傾いたとしてもメーカーの補助を受けることができるため、最も安定しているディーラーだともいえます。
その他には販売チャンネルなどの違いもあります。
例えば、「ネッツトヨタ」と「トヨペット」では同じトヨタのディーラーなのに、呼び名が違いますよね。
これは販売チャンネルが違うからなのです。
販売チャンネルが違うと、取り扱っている車種が違ったり対象としている顧客層が違ったりします。
若者向けの顧客を対象としているチャンネルでは、比較的安く利便性の高い車種を取りそろえていたり、年収が高い方を対象としているチャンネルでは、高級車のラインナップが充実したりしています。
同じメーカーなのに店舗の名前が違うのは、このような理由があるからなのです。
昔はどのメーカーでも販売チャンネルがありました。
しかし、販売チャンネル制度は減少傾向にあります。
もうすでに販売チャンネルを廃止しているメーカーもあり、現代ではチャンネルを変えて販売することにあまりメリットがないのかもしれません。
サブディーラーで新車を購入するメリット
サブディーラーでも新車を購入することができるとお伝えしましたが、価格が同じで対応も同じであれば、正規ディーラーで購入したほうが良さそうに思いますよね。
では、サブディーラーで新車を購入するメリットをご紹介していきます。
正規ディーラーよりも大幅な値引きを期待できる
すべての方ではないですが、場合によっては正規ディーラーよりも安く新車を購入することができます。
この背景には特約店としての契約の有無が影響します。
契約を結んでいる正規ディーラーでは、新車の値引き額の上限が決まっており、どんなに頑張っても値引きできないのです。
しかし、契約を結んでいないサブディーラーでは、値引きの上限がありません。
当然、原価より安く売ることはしませんが、今まで長い付き合いがあり今後もお世話になる予定であれば、大幅な値引きが期待できます。
しかし上限がないからといって、誰にでも限界まで値引きしてくれるというわけではありません。
あくまでも、今後点検や修理などで利益の見込みがあるお客さんに限られるでしょうし、新車だけ購入して他の店舗へ行くような人にはあまり値引きをしない可能性も十分に考えられます。
そして規模が小さいがゆえ、上にお伺いを立てなくても値引き額を決めることができるため、交渉のテンポが良く、スムーズに契約まで行うことができます。
また、サブディーラーの主な収入源が、中古車販売や点検、修理であることが多く、新車の利益は度外視している店もあるのではないでしょうか。
そのためあまり利益がなくても、大幅な値引きを行っているという背景もあるのです。
店舗が小さいため親密な関係が築ける
正規ディーラーに比べ、規模の小さいサブディーラーでは長く付き合っていくことで親密な関係性を築くことができます。
正規ディーラーは店舗の規模が大きく、個人の整備工場よりも敷地や建物が広く、従業員も多いという特徴があります。
管理顧客の多い店舗では、一人一人の対応がマニュアル化され親身になって話を聞いてもらえなかったなど、寂しい思いをされた方もいることでしょう。
その点サブディーラーでは、規模が小さいためお客さんとの距離が近く、困ったことがあれば相談に乗ってくれたり、対応を変えてくれたりするメリットがあります。
お客さんとの距離が近いということは、日常会話が多いということです。
会話の中でその人が何を求めているのかを感じ取り、それをサービスに生かしてくれます。
店舗の人とあまり親しくなりたくないという方にはオススメしませんが、そうでなければ一度家の近くにあるサブディーラーに足を運んでみてはどうでしょうか。
新車販売をメインとしていないので乗り換えなどを強く勧められない
サブディーラーでは、新車販売にあまり力を注いでいない店舗が多い傾向にあります。
正規ディーラーでは新車販売のノルマがあるため、年式が古かったり走行距離が10万キロを超えていたりする車に乗っている方には、定期的に乗り換えの提案をしています。
まだまだ乗るつもりなのに乗り換えの提案をされた、お金がなく乗り換えができないのに毎回提案をされる、などの経験はないでしょうか。
乗り換える気がない人からすれば、このようなやり取りはとても煩わしく感じてしまうことでしょう。
いつ壊れてもおかしくないような車に乗っているなどの例外は別として、サブディーラーでは、年式が古くても走行距離が多くても、強い乗り換え提案をしません。
理由は先ほど説明した通り、新車販売にそこまで力をいれてないからです。
そしてお客さんとの距離も近いため、会話の中で乗り換えたいというニュアンスの言葉が入れば乗り換えを提案してくれるでしょう。
正規ディーラーでは、押しが強く流されてしまいそうだと不安に感じている方は、サブディーラーを利用してみるのもいいかもしれませんね。
複数メーカーの車を購入できる
サブディーラーのメリットの一つに、さまざまなメーカーの車を取り扱っているという点があります。
正規ディーラーでは取り扱いのあるメーカーは1社です。
それに対し、サブディーラーは2つもしくはそれ以上のメーカーを取り扱っています。
このメリットをうまく利用すれば、どんな車にしようか迷っている場合でも複数の選択肢の中から自分好みの車を選ぶことも可能です。
例えばSUVに乗りたいけど、どんな車種があるのか分からないという方の場合、サブディーラーでその旨を伝えるとメーカー関係なくSUVの車を提案してくれます。
これは正規ディーラーでは絶対にできない提案です。
また自分が知らなかった車種を紹介してくれる可能性もあり、より一層選択肢が広がるのではないでしょうか。
もし乗りたいメーカーが決まっておらず、こだわりもないのであればサブディーラーに相談してみてはどうでしょうか。
サブディーラーで新車を購入するデメリット
他の店舗と同様、サブディーラーでもメリットがあるようにデメリットも存在します。
試乗できる車種が少ない
サブディーラーの店舗は小さいことが多く、試乗車をあまり置いていない、そもそも試乗車がない場合もあります。
つまり試乗して購入するかどうか判断したいなと思っても、試乗できない可能性が高いということです。
特にあまり人気のない車種であれば、試乗車として展示している可能性は極めて低く、そのような場合、正規ディーラーへ出向かなければなりません。
時間がない方は、試乗のためだけに正規ディーラーへ足を運ぶのは煩わしいと感じるでしょうし、そのような時間がない方もいることでしょう。
しかしどんな乗り心地なのか、実際に試乗してみないと分からないという気持ちもあると思います。
そのような方は、正規ディーラーで購入するほうが時間も手間も節約できるといえるでしょう。
正規ディーラーで受けられるサービスが受けられない可能性がある
正規ディーラーでは、さまざまなサービスを行っています。
そのサービスは定期入庫の場合だけでなく、当然、新車購入時にも当てはまります。
例えば、メーカーからの新車保証を延長できるサービスやリースとして車を乗る方法、車体価格の2/3間で分割払いをし、その後乗り換えるのかそのまま全額払うのかを決める支払い方法など、ディーラーではお客さんにあった方法で車を購入することができます。
しかし、小さなサブディーラーでは、そのような支払い方法ができない場合もあります。
現在はクレジットカード、スマホ決済、現金などさまざまな方法で支払う機会が多くなりました。
利用する側からすればとても便利なのですが、導入する店舗側からすれば導入料金やマージンなど、支払い方法を複数取り入れるためにはお金がかかります。
小さな店舗ではクレジットカードだけしかできないなど、融通がきかないといった場面が出てくるでしょう。
このようなサービスは必ずしもできないわけではなく、サブディーラーの店舗によって異なるのです。
もし新車を購入しようと思っている店舗がすでにあるならば、事前にできるかどうかの確認をしておきましょう。
車種ごとの知識が浅い
ディーラーでは、決められたメーカーの車種しか取り扱いがないため、メーカーや車種に対しての知識が深いというメリットがあります。
新車購入時でもそのメリットが大きく、装備やグレード、金額の差、既存の型との違いなど質問をすればスムーズに答えてくれるでしょう。
しかし複数の車種を取り扱っているサブディーラーでは、一つの車種に対しあまり知識は深くありません。
例えばSUVを購入したいけど、どのメーカーがいいか迷っている人がいたとして、いつもゴルフに行くから、荷台にゴルフバックが入る大きさなのかどうかを質問したとします。
一つのメーカーの車しか取り扱っていない正規ディーラーでは、そのような質問に対しすぐに返事をしてくれるでしょう。
しかし複数のメーカーを取り扱っているサブディーラーでは、調べないと返事ができないなど、思ったように会話が進まないことも考えられます。
調べればすぐ分かることだとはいえ、即答できなければ話の流れを切ってしまいますし、何度も調べてきますといわれてしまうと、購入する側は質問しづらいと感じてしまう方もいるのではないでしょうか。
事前に購入する車種を決めている人ならば問題ない場面でも、どれにしようか迷っている、どんな車種があるのか知らない方からすれば少しデメリットになる可能性がある部分ではないかと思います。
対応できないトラブルもある
車には車種特有のトラブルや製造時に欠陥が発覚した場合、リコールとして修理作業を行います。
正規ディーラーではそのような対応をすることは当然の役割であり、対応するための装置も充実しています。
しかし、サブディーラーにそのような設備がない店舗も多く、リコールのために入庫しても正規ディーラーに持っていってくれといわれたり、引き取った後にサブディーラーから正規ディーラーに持ち込んだりすることも少なくありません。
つまり突然持ち込んでも対応してもらえなかったり対応しても時間がかかったりするなど、すぐにできない場合も考えられるのです。
購入後の付き合いが大切なのはサブディーラーでも同じ
サブディーラーと正規ディーラーでは、対応や値引き額、利用できるサービスに違いがあります。
どちらを選ぶかは、どういったサービスを求めているかで変わり、サブディーラーがオススメな方もいる中、正規ディーラーのほうが利用しやすいと感じる方もいることでしょう。
そしてどちらのディーラーでも、新車を購入するだけでなくその後の付き合いが大切だといえます。
もちろん新車を購入だけして、他の店に持っていくあるいは、自分でメンテナンスを行うからあまり利用しないという方もいると思います。
しかし車をずっと乗り続けるのであれば、新車を購入した店舗との付き合いを持っていたほうが何かと便利ですし、店側の利益にもつながりお互い良い関係性になれるのではないでしょうか。
また突然のトラブルが発生したとき、助けてもらえる店舗を見つけておけば安心です。
今まで一度もお世話になったことがない店舗にトラブルが起こった際、急にお願いしても対処してもらえないかもしれません。
何かあったとき親身になって対応してもらいたいのであれば、新車を購入後も点検やメンテナンス、修理などで利用することも大切だといえるのです。
まとめ
サブディーラーは、メーカーとの販売契約を結んでいない店舗のことを指します。
販売契約は結んでいませんが、正規ディーラー同様に新車を販売しています。
最大のメリットは、新車の価格や値引き額をメーカーの管理外で決められるという点です。
反対に最大のデメリットは、正規ディーラーで受けられるサービスを、サブディーラーで購入したばかりに受けられない可能性があるという点ではないでしょうか。
正規ディーラー、サブディーラーどちらもメリットとデメリットがあります。
どちらを選ぶかは自分次第ですし、その選択肢に間違いはありません。
それぞれの特徴をしっかりと把握し、自分はどのタイプのディーラーが向いているのかを見極めることが大切だといえるのではないでしょうか。
- 執筆者プロフィール
- 山北吏(つかさ)
- 1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...