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タイヤチェーンの取り付け方!おすすめタイヤチェーン3選も紹介
目次
タイヤチェーンの種類は3種類
「タイヤチェーン」と分類される製品には、氷上や雪上でも表面に吹きかけるだけで短距離ならある程度のグリップ力を出せる、「スプレー式チェーン」もありますが、あくまでノーマルタイヤでチェーンがない状況でも、どうしても走らねばならない時の緊急用です。
一般的な「タイヤに装着するタイヤチェーン」としては、大きく分けて以下の3種類があります。
金属タイヤチェーン
タイヤ「チェーン(鎖)」の語源と言ってもよいもので、金属製の鎖を繋げてタイヤを覆いますが、形状で2種類あってそれぞれに特色があります。
はしご型(ラダー型)
鎖を繋いだ形状がはしご型になっているもので、はしごで言えば足を載せる横木に当たる部分で前後方向へのグリップを高めていますが、横方向へのグリップを稼ぐ構造となっていないため横滑りに弱いのが欠点です。
ただし後述する亀甲型より単純な作りのため安価で補修が容易というメリットがあり、スタッドレスタイヤが発達するまでは一般的だったほか、雪や凍結でも頻繁な運行をやめるわけにはいかないバスやトラックなどでは今でも広く利用中。
横木部分をチェーンから他のものに変えた製品は、スプリングチェーン、ワイヤーチェーン、ケーブルチェーンなど、別な呼び方をします。
亀甲型(リング型)
その名のごとく、亀の甲羅のような模様でタイヤを覆うタイプで、はしご型より複雑で重く、高価ではありますが、縦方向にも配置された鎖で横方向のグリップも稼げるためタイヤチェーンとしての性能は非常に高く、現在の金属タイヤチェーンでは主流になっています。
最近ではデメリットをいくらかでも緩和するため、素材を工夫して軽量化したり、ワンタッチ取り付けなどで装着時間の短縮を図った製品が増えてきました。
非金属タイヤチェーン
金属製の鎖ではなく、ゴムやウレタン樹脂を用いてタイヤを覆うもので、軽くてタイヤへの装着が容易、金属チェーンのようにガチャガチャとした騒音や振動が少ない反面、柔らかい素材のため雪や氷への食いつきが悪く、表面に金属製スパイクなどを着けて補います。
ウレタン樹脂を用いた製品は亀甲型やより複雑な形状、ゴムを用いた製品は接地面をより広範囲に覆うものが多く、亀甲型金属チェーンに近い性能で装着は容易ですが、金属チェーンのように外してコンパクトに収納するのには向いていません。
最近ではより簡易な、樹脂製バンドをタイヤに10本程度ハシゴ型に巻きつけるだけの使い捨て結束バンド型も登場、とにかく安価で取り付けがもっとも容易なことから、使用頻度が少ないユーザーに歓迎されています。
布製タイヤチェーン
20年ほど前にヨーロッパで誕生、日本でもここ10年ほどで急速に普及した簡易タイヤチェーンで、ノルウェーの「オートソック」、スペインの「スノーソックス」が2大ブランドとして普及しています。
製品名からわかるとおり、「タイヤの靴下」といえるもので、特殊な布を使った靴下をタイヤに履かせ、その特殊繊維で雪上や氷上でグリップさせるため、力がかかる方向によってグリップしにくいという欠点がなく、基本的に履かせるだけで装着も非常に容易です。
布製ですから軽くて収納も容易、場所も取らない、性能は非金属タイヤチェーン並といいことづくめに思えますが、やはり布製ゆえに耐久性はもっとも劣り、それでいて安くもないのが最大の欠点。
普段ノーマルタイヤしか履かないけれども、いざという大雪や路面凍結でも高い安心度を得たいユーザーや、逆に豪雪地帯でタイヤ種別に関わらず通行規制がかかる道路向けに、スタッドレスへ履かせる簡易タイヤチェーンとして好まれています。
タイヤチェーンの取り付け方
基本的には駆動輪(4WDの場合は主駆動輪)に装着するタイヤチェーンですが、取り付け方は種類や製品によって若干異なり、以下はその代表的な例です。
なお原則として、タイヤチェーンの取り付けは兵站で路面状況が良く、十分な広さのある場所で行ってください。
また、タイヤサイズに合わない製品は使わず、購入後やシーズン前など、事前に装着練習をしておくと、いざという時に寒い屋外で説明書を見ながら四苦八苦せずに済みます。
金属チェーン(はしご型の一例)
- チェーンを広げてねじれを直し、裏と表を確認
→縦と横のチェーンの接続部分にある「折り返し」の外側を下にする。 - チェーンの外側・内側を確認
→チェーンを留めるS字などのフックがタイヤ外側にくるようにする。 - 現在のクルマで一般的な前輪駆動車(前輪駆動車ベースの4WD含む)では、ハンドルを一杯に切ってフェンダーとの隙間を大きく取り、チェーンをタイヤの上にかぶせて装着
→右前輪なら右に、左前輪なら左に一杯切ると装着が容易。
→後輪への装着はハンドルを切れないのでそのまま。 - タイヤ内側・外側のチェーンのフックをかけて止める
→この時、なるべくチェーンを引っ張って全体が均一に張られるようにする。 - ゴムのチェーンバンドをかけて、たるんだチェーンを均一に張る
- 実際に少し走ってみて、チェーンの張り具合を確認する
→走ってみたら意外と緩んでいることも多く、脱落の原因になるので、ここは肝心。
非金属チェーン(ポリウレタン製の一例)
- チェーンの広げて準備する
→表裏を間違えないように注意。 - スパイク面を奥に、ワイヤー側を手前にしてチェーンをタイヤの裏に回しこむ
- スパイクが表面にあることを確認しつつ、チェーンをタイヤに巻き、各ジョイントを接続する
- チェーンバンドの代わりにたるみを取るよう、付属のハンドルでロックをかけ、チェーンを固定する
- 実際に少し走ってみて、チェーンの張り具合を確認する
布製チェーン(「オートソック」での例)
- タイヤの上からオートソックをかぶせる
- クルマを少し前進させて、タイヤを半回転させる
- 残りの部分をかぶせる
→センターが多少ずれていても、走っているうちに自動でセンタリングされます。
4WD車のタイヤチェーンは前輪、後輪どちらに取付ける?
4WD車だからといって、全てのタイヤにタイヤチェーンを取付けていいわけではありません。4WD車の場合は、その車のベースとなっている駆動輪にタイヤチェーンを取り付ける必要があります。
4WD車は、前輪も後輪も駆動輪ではありますが、どちらか一方が主に使う駆動輪となっている場合が多く、車種によって駆動分配が違います。そのため、FF(前輪駆動)がベースの場合は前輪に、FR(後輪駆動)がベースの場合は後輪にタイヤチェーンを付ける必要があります。
また、常時四輪駆動ではない車種もあります。たとえば日産のエクストレイルの場合、2WDモード(常にFF)やAUTOモードなど、切り替えが可能になっています。こういった車種の場合は取扱説明書やメーカーサイトを確認して適切なタイヤに取り付ける必要があります。
その他の確認方法としては、その車種に2WDがある場合、2WDの駆動輪を確認します。4WD車は、基本的に2WDの駆動輪がベースとなっていることが多いため、こちらで確認ができます。また、ディーラーに確認してもらうという方法もあります。
簡単に取り付けられる!おすすめタイヤチェーン3選
2023年1月末現在での「amazon売れ筋ランキング」で上位にあるうち、特に取り付けが簡単という意味でオススメな製品を3つ、チョイスしてみました。
Bor 結束バンドタイプ
タイヤ1本につき10本、左右輪20本1セットで販売されている結束バンドタイプの使い捨て非金属タイヤチェーンで、取り付けが簡単なだけではなく、結束部分がタイヤ外側にはみ出さないなど見た目も重視したい人向けです。
価格も非常に安価なため、シーズンに2~3度くらい利用する程度の想定なら、それくらい購入して常備しておいたり、複数台所有でもお財布に優しいのが魅力といえます
カーメイト バイアスロン クイックイージー
ジャッキアップ不要で3点ロックにより締付力を分散、クイックロック機構でスムーズに取り付け、「早く・楽に・カンタン確実に」を売りにしています。
超高材質&マカロニ型スパイクピンでアイスバーンへの食いつきも良好で、JASAA(一般財団法人日本自動車交通安全用品協会)の安全基準を満たすなど安心感があり、比較的高価な製品でありながら販売ランキング上位の人気商品です。
AutoSock(オートソック)
簡単取り付け、安価、収納性バツグン、性能は非金属チェーン並と、耐久性は低いとはいえ、使用頻度が少なくても安心感を得たいユーザーへ最適な布製タイヤチェーンです。
使い終わったら燃えるゴミに出せて、処分に困らないのも大きなポイントとなります。
チェーン規制区間はタイヤチェーンの取り付けが必須!
チェーン規制が発令されている区間を走行する場合、スタッドレスタイヤ装着車や4WD車であっても、タイヤチェーンの装着が必須となります。
タイヤチェーンを装着していない車は区間を走行できませんので、積雪量の多い道路やチェーン規制対象区間を走行する際には事前にタイヤチェーンを用意しておきましょう。
乾いた路面でも走行できる非金属タイヤチェーンは、軽く携帯にも便利です。いざというときのために、車に積んでおくと安心でしょう。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...