更新
車のフロントグリルってどの部分?各メーカーのデザイン&名称も紹介
車のフロントグリルってどこ?
車のエクステリア(外装)を表す言葉としてよく見かける「フロントグリル」。どの部分のことだか知っていますか。
フロントグリルは車の全面にある網や格子状の部分を指します。グリル、ラジエーターグリルとも呼ばれており、正面から見たときに一番目立つ部分です。
フロントグリルは車のスタイリングを印象づける重要な顔とも言える箇所です。
フロントグリルの機能とは?
フロントグリルの機能として挙げられるのは、エンジンやラジエーターに空気を取り込んで冷却し、ボンネット内の熱気を逃がしたりする役割です。また、エアコンの空気を取り入れる口として使用されている場合もあります。
さらに、フロントグリルは各メーカーが自社の車を特徴づけたり、目立たせたりする役割も果たしています。
メーカーの顔=ファミリーフェイス
外車メーカーはこぞって特徴的なフロントグリルを採用し、グリルの形状で車を特徴づけています。
このように、別の車種でも同じメーカーだということがわかる見た目のことを「ファミリーフェイス」といいます。
近年では国内メーカーがグローバル戦略に注力していることから、国産車にも積極的に導入されています。
【エンブレムも面白い】日本車&外車のマーク・ロゴを完全網羅!一覧で紹介!
国産車編
本記事で扱っている国産メーカーは以下表のとおりです。インフィニティは海外市場のみの販売ですが、日産系列ということもあり、国産車編に含んでいます。
メーカー名 | グリル名称 |
---|---|
トヨタ | キーンルック |
レクサス | スピンドルグリル |
日産 | Vモーショングリル/ ウインググリル |
インフィニティ | ダブルアーチグリル |
マツダ | 5ポイントグリル |
三菱 | ダイナミックシールド |
スバル | ヘキサゴングリル |
【トヨタ】キーンルック
キーンルックとはもともと、トヨタが欧州市場向けに販売している車種に採用されていたデザインです。近年は、国産車にも少しずつ導入され始めています。
「キーン」とは尖っているという意味で、特徴としてはツリ目にみえるヘッドライトと、中心から下に向かって広がるようなデザインをしています。2013年に発売した2代目オーリスと初代SAI(後期)から徐々に導入されはじめました。
とはいえ、ほかの自動車メーカーと比べるとまだまだバラバラで、統一感に欠けているのが現状です。
【意外な理由】トヨタのキーンルックとは?採用した経緯や本当の理由とは?
【レクサス】スピンドルグリル
2012年に発売されたレクサス GSから採用された「スピンドルグリル」。スピンドルとは紡績機の糸を巻き取る紡錘のことで、その名のとおり、台形を上下逆さまにくっつけたような形状をしています。
2012年以降に発売された車種のフロントグリルはすべてこのデザインに統一されています。
レクサスは高級車ブランドとしてトヨタ車との区別化を図るだけでなく、欧州車の多くが採用している特徴的なデザインアイコン「フロントグリル」を採用しました。このスピンドルグリルを見ただけで、すぐにレクサスと判別できます。
昔はスピンドルグリルではなかった
先程も述べたように、スピンドルグリルが採用されたのは2012年から。それ以前のレクサス車に関しては画像のようなグリルとなっています。
【自動車の歴史】レクサスの歴史、ルーツと車種の特徴を知ろう!
【日産】Vモーショングリル/ウインググリル
Vモーショングリル
日産のグリルはVモーショングリルといって、グリルを下から囲うようにV字型のメッキが配されています。導入されはじめた2010頃の車種では、V字型のメッキはかなり控えめでした。
新しい車種になるほど、V字型メッキは大きく・太くなっていきます。2017年の時点で一定の大きさに達したことで、「Vモーション2.0」が発表されました。
そのままどんどん大きく、太く大型化していくと思われたVモーショングリルでしたが、2020年に発売したアリアやノートはメッキ部分が減少して洗練された外観に。今後はこういったデザインにシフトしていくのかもしれません。
ウインググリル
Vモーショングリルが導入されるより前、日本市場の日産車にはファミリーフェイスといえるものは存在しませんでした。
しかし、欧州市場で販売されていた車種には「ウインググリル」という、上記画像のようなグリルを採用していました。グリルが2つに分かれている見た目が翼にみえることからそう名付けられています。
とはいえ、現行の日産車にはウインググリルは用いられておらず、GT-RやフェアレディZなど一部車両を除き、ほとんどがVモーショングリルを採用しています。
【インフィニティ】ダブルアーチグリル
日産の北米ブランド「インフィニティ」では、サイドのラインが内側に湾曲しているダブルアーチグリルを採用しています。
ほとんどの国産車には採用されていませんが、シーマやフーガ、シルフィといった車種には今でもこのグリル形状が用いられています。
【自動車の歴史】日産インフィニティの歴史やルーツから全車種の特徴まで!
【マツダ】5ポイントグリル
マツダこだわりの5角形グリル。スカイアクティブ技術を搭載しデザインを新たにした今も、5ポイントグリルは健在です。ほかのメーカーと比べて存在感は薄いものの、現在もロードスターなど一部車両を除くマツダ車に採用されています。
マツダ ロードスターの歴史を振り返る|全4世代試乗レポと比較画像
近年のマツダ車は「魂動デザイン」も
マツダはフロントだけでなく、ボディ全体に鼓動デザインという独自の形状を採用しており、どこから見てもマツダ車だとわかるようになっています。
鼓動デザインの見どころはボディサイドに映るS字型の光沢。マツダのデザイナー達はこのラインを描くためにかなりの試行錯誤を繰り返したと言います。
【三菱】ダイナミックシールド
近年の三菱車に続々と採用されているデザインです。グリルのサイドと下方からシールドを包んでいる姿がイメージされています。
大まかなコンセプトは同じですが、車種によって少しずつ形状が異なります。
例えばSUVの「エクリプスクロス」とミニバンの「デリカD:5」では全く印象が違うものとなっていますが、ダイナミックシールドを採用している、ということははっきりとわかるようになっています。
【スバル】ヘキサゴングリル
スバルのフロントグリルはヘキサゴン(六角形)を採用しています。その理由として、スバルいわく「六角形は自然界で最も安定した形である」とのこと。
また、メーカー名のスバルに6連星の意味があることも由来しているといいます。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...