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当たり屋の最新手口と対処法|泣き寝入りしないためには●●が有効!
当たり屋の特徴的な手口と、当たり屋行為への対処法を紹介します。当たり屋被害に遭ったら通報するべき?目撃者の証言は信用できる?ターゲットにされやすい人は?などの疑問にもお答えします。ドライブレコーダーの有効性が分かる衝撃動画も。
目次
【一覧】当たり屋の最新手口まとめ
当たり屋の手口 | 当たり屋の立場 |
---|---|
追突事故の誘発 | 前方車 |
非接触事故を装う | 歩行者など |
後退中の接触事故を装う | 歩行者など |
タクシーを誘導&待ち伏せ | 乗客&歩行者など |
ながら運転の車に接触 | 歩行者など |
当たり屋とは?どうして立証が難しいの?
当たり屋とは、故意に車に接触して慰謝料などの賠償金をだまし取る詐欺行為を行う人のことです。当たり屋行為には、車対車と車対人の2通りが存在します。
故意に自動車に接触する行為は非常に危険なので、常識的に考えてそんな行動をとる人はいません。さらに良識のある人ほど、自分の車が接触した人を疑ってかかることはできないものです。
また、走行中の車が起こした交通事故の原因について「過失」か「故意」を証明することは困難な場合が多いです。多くのドライバーは自動車保険に加入しているため、事故の補償は保険でカバーされます。
当たり屋は、そういったドライバーの心理や状況を利用して、チャンスを狙っています。
当たり屋行為は犯罪【詐欺罪 恐喝罪 道路交通法違反など】
当たり屋行為は、刑法や道路交通法に違反する犯罪行為です。
当たり屋行為が立証された場合、当たり屋が事故によって損害を被ったとしても、当然損害賠償は生じません。その損害は加害者から被害者に対する不法行為によって生じたものとはいえないからです。
当たり屋が「怪我をした」という偽りの証言により賠償金を得れば詐欺罪となりますし、相手を脅迫して金銭を得れば恐喝罪となります。
また、歩行者であっても故意に車に接触するために道路に飛び出すのは、道路交通法違反となります。
当たり屋行為は立証が困難!対処法はある?
「当たり屋行為が立証された場合、当たり屋が事故によって損害を被ったとしても、当然損害賠償は生じない」と解説しました。
しかし、当たり屋行為は「立証が難しい」という前提がある点も忘れてはいけないポイントです。
交通事故が発生した際、状況を示す客観的な証拠がない場合は、当事者の証言によってのみ状況が認定されます。そのため、相手が故意にぶつかってきたことを客観的に証明できない場合、双方の過失となってしまい、当たり屋に損害賠償金を支払わざるを得なくなります。
当たり屋行為を客観的に証明するためには、周囲の人の証言を集める、ドライブレコーダーの記録を提出するなどの方法があります。
手口1:急ブレーキやノロノロ運転で後続車の接触を誘う
急ブレーキを踏んだり、ブレーキランプが点灯しないようにサイドブレーキを使ったりして、故意に後続車両を追突させます。また、ノロノロ運転を続けて後続車のドライバーの苛立ちを誘い、車間距離を詰めさせるのも手口のひとつです
こうした後部での当たり屋行為が増えている背景には、ドライブレコーダーの普及により、前方の事故は動画で記録されているケースが多くなっているためと考えられます。
また追突事故は、追突した側の車に対して100%の過失が認められることが多いことも理由のひとつです。
手口2:サイドミラーなどに接触、物を落として破損したと言う
車の近くを通る際、当たり屋が故意に物を落として「壊れたから弁償しろ」と金銭を要求してくるケースです。実際に接触していなくても、最初から壊れたスマホや時計などを用意しているという手口です。場合によっては複数犯で目撃者を用意しているケースもあります。
走行中の車のサイドミラーなどに接触したように装うだけでなく、車が歩行者の予測を裏切るような動きをしたため、それに驚き物を落としてしまったという証言をする場合もあります。
人と車が接触していなくても、被害者が危険を避けるために回避行動を行い、その結果として転倒してしまったり、他のものに衝突して被害を被ってしまった場合、「非接触事故(狼狽事故)」が成立することがあります。
請求金額が少額であることが特徴
この手口の巧妙な点は、あくまでもスマホなど物損の弁償だけを要求し、高額な賠償を求めないこと。場合によっては数千円で済ませることもあるそうです。
その場で払える程度の金額であり、警察沙汰を避けたい心理などから、要求されるままに金銭を渡してしまうドライバーが多いようです。また、女性ドライバーが狙われやすいとも言われています。
手口3:後退中の車に接触する
最近、コンビニの駐車場などで推奨されている、前向き駐車を利用した手口です。
駐車スペースからバックで出ようとしている車に、通りすがり歩行者のふりをして近づき、時計や眼鏡等の物を落としたり、車のトランク部分を叩いて大きな音を出します。物損事故を装って弁償を要求しますが、前のケースと同様、その場で払える程度の金額であることが多いです。
これはかつての「ガッチャン詐欺」として流行った手口が小型化したものだそうです。
昔は追突事故を誘い、トランクに積んでいた壷などの骨董品が破損したとして、高額な弁償金を要求されるケースがあったそうです。
手口4:タクシーをターゲットにした待ち伏せ
当たり屋の1人が客を装ってタクシーに乗り込み、事故を装いやすい狭い路地などへと向かわせます。そこで、待ち伏せしていた被害者役が物陰などから現れて接触します。
手口5:ながら運転をしている自転車にぶつかる
スマホを使っている自転車に近づいて接触するものです。
転んで打撲や捻挫などの症状を訴えたり、持っていたスマホやパソコンなどが壊れたとして、損害賠償を請求する他、靴やかばんなどの高価な思い出の品に傷が付いたとクレームをつけることもあります。
被害者側にも非があるので立場が弱い
被害者側は「ながらスマホ」をしているので、前方不注視は事実である場合が多く、本人も接触の状況を見ていないことがほとんどです。
自業自得と言うのも酷かもしれませんが、根本的に「ながらスマホ」で自転車に乗って対人事故を起こした時点で、非常に弱い立場に立たされます。
人身、物損事故にしてきますが、自転車はドライブレコーダーが搭載されていないので、当たり屋であることを立証するのは車よりも難しい場合があります。
手口6:歩行者同士でも当たり屋被害がある?
意図的でありながらも偶然かのように他の歩行者と接触して怪我なり物品が破損したなりの既成事実を作れば、それは賠償問題に発展する事案となります。
まず重要なのは、当たり屋だから被害が発生するというわけではなく、怪我人であったり物品などが破損したという事実があるから賠償問題に発生するのです。
被害に遭ったという既成事実さえ作れば良いので、悪意的を持って歩行者同士の事故を引き起こそうとする人が存在していてもおかしくないでしょう。
運転をしない人であれば自動車運転中の当たり屋事故の当事者になる可能性はありませんが、歩行者同士となれば誰しもが遭遇する可能性があります。何かしらの対処方法を検討しておくか、賠償保険に加入するなどして対策しておくのが懸命です。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...