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イグニッションコイルの交換時期と故障したときの症状まとめ!交換方法・費用も

イグニッションコイルが故障したときの症状

車の故障
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エンジンがかかりづらい

エンジンがかかりづらくなります。スタートボタンを押しているのに、いつもよりかかりが悪いなと感じた場合、イグニッションコイルの故障も考えられます。

具体的には、通常「キュルキュル、ブルルン」といったリズムでエンジンをかけることができますよね。しかし、イグニッションコイルが故障すると、「キュルキュル」の部分が長くなり、なかなかエンジンがかからないことがあります。

また、複数のイグニッションコイルが故障すれば、そもそもエンジンをかけることすらできなくなってしまうのです。バッテリーの電圧低下でも同じような症状がでるので注意しましょう。

加速がもたつく

加速のもたつきも、イグニッションコイルが原因である可能性が高いです。いつもはスムーズに加速している車で「アクセルを踏んでもなかなか加速しない」「時間差で加速が始まる」といった症状が現れたら、すぐに点検してもらいましょう。

アイドリングが安定しない

イグニッションコイルが故障すると、アイドリングが安定しなくなります。エンジンの動きが不規則なら、アイドリングが安定していない証拠です。また、エアコンなどを動かし少し負荷をかけるとエンジンが止まりそうになるなどの症状も現れます。

単体での症状の場合、原因がイグニッションコイルでないことも十分考えられます。そのため、ここで紹介している症状が出ているからといって、イグニッションコイルの故障だと決めつけず、まずはなにが悪いのか見つけることを最優先しましょう。

イグニッションコイルの故障かどうかを診断する方法

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上記で説明した症状が現れた場合でも、イグニッションコイルが原因でない可能性も十分考えられます。そのため、あまり車に詳しくない方でもイグニッションコイルの故障かどうかを簡単に診断する方法をご紹介します。

基本的にはプラグ故障と同じ症状が出る

イグニッションコイルの故障は、基本的にプラグの故障と同じです。これは、イグニッションコイルが壊れるとプラグが作動しなくなるからです。

例えば、バッテリーが上がるとヘッドライトが点灯しなくなりますよね。でもヘッドライトが壊れているわけではありません。バッテリーを新品に変えると、ヘッドライトは問題なく点灯するようになります。

イグニッションコイルとプラグも、バッテリーとヘッドライトと同じ関係性だと覚えておきましょう。そのため、上記で説明した3つの症状は、プラグの故障の場合も現れます。

つまり、本当にイグニッションコイルが原因でエンジン不調を起こしているかは、症状からでは判断できません。

1.エンジンをかけた状態でカプラーを外して診断する

まず何番のイグニッションコイルが故障しているのかを判断しなければなりません。判断方法は、エンジンをかけた状態でイグニッションコイルについているカプラーを外していくだけです。

もし、カプラーを外してもエンジンの動きが変わらなければ、外したイグニッションコイルが故障している可能性が高くなります。逆にカプラーを外して、アイドリングが弱々しくなるのであれば、外したイグニッションコイルは正常だと判断できます。

カプラーを外す理由は、強制的にイグニッションコイルの動きを止めるためです。カプラーをつけることでイグニッションコイルへ電気を流します。流す電気を止めるとイグニッションコイルの動きも止まるのは分かりますよね。

強制的にその方法を行うことで、どのイグニッションコイルが悪いのかを判断できるのです。

注意点としては、外したカプラーは必ず取り付けて次のカプラーを外さなければならない点です。全てのカプラーを外すとエンストしますし、正常なイグニッションコイルのカプラーを外した状態で確認しても、アイドリングが弱くなるのは当たり前だからです。

あくまでも、故障していないプラグが正常に動いている状態で見る必要があります。外して取り付けて、この作業をを1個づつ繰り返すことを覚えておきましょう。

2.本当にイグニッションコイルの故障かを判断する

プラグの故障である可能性も高いため、次に本当にイグニッションコイルの故障なのかを判断する必要があります。

方法は先ほど故障だと判断したイグニッションコイルを取り外し、正常なイグニッションコイルの位置と入れ替えます。

例えば、1番のイグニッションコイルが故障していると判断した場合、1番を外し2番へ設置。そして、2番のイグニッションコイルを1番に設置します。

全ての気筒のカプラーをつけた状態で、1番、2番それぞれのカプラーを順番に外してみましょう。もし、1番のカプラーを外しても症状が変わらなければ、1番のプラグが壊れていることになります。

2番のカプラーを外しても症状が変わらなければ、イグニッションコイルの故障だと診断できます。こちらも先ほどと同様に、外したカプラーは取り付けて診断します。

また、イグニッションコイルを移動させる前に、故障しているであろうイグニッションコイルに印をつけておきましょう。そうすることで、どのイグニッションコイルだったか分からなくなるといった失敗を防げます。

ラチェットやメガネレンチなどの工具は必要ですが、診断方法を理解していればそんなに難しくはないでしょう。

イグニッションコイルの交換方法

イグニッションコイル
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イグニッションコイルの交換方法は、以下の手順で行います。

  1. イグニッションコイルのカプラーを外す
  2. イグニッションコイルを固定しているボルトを外す
  3. 新品に交換する
  4. 外した手順と逆の手順で元に戻す

作業自体の難易度は高くありません。ただ、車種によってはエンジンカバーを外さなければならないものや、エアエレメントを外すタイプなどがあります。

交換する際は、必ず作業スペースを確保しながら行いましょう。工具も入らない状態で作業すると、ボルトの頭をなめてしまい外せなくなってしまうかもしれません。

ただし、水平対向エンジンの場合、作業の難易度は高くなります。

イグニッションコイルの交換費用

お金と電卓
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イグニッションコイルの1本あたりの交換費用は、以下のように費用の幅が大きいです。

  • 工賃:1,000円~5,000円
  • 部品代:3,000円~1万5,000円

工賃に関しては、簡単に外せられる車種であれば安いですが、水平対向エンジンのように外す部品が多くなればその分工賃も高くなります。

また、プラグを外す際は、必ずイグニッションコイルも外すため、プラグの工賃も参考にできるでしょう。おそらくどの店でも、プラグ交換の工賃と同じような値段設定にしていると思います。

工賃がほぼ同じにも関わらず、プラグの交換と値段が大幅に違うのは、イグニッションコイルがプラグよりも高いからです。リビルト品や純正品、中古品、汎用品などで金額が変わります。

不具合には気づきやすいが、他の装置の故障の可能性も

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イグニッションコイルは、スパークプラグに電気を送る装置。電気を送ると同時に、12Vの電圧を2~3万Vにまで昇圧させます。

10万キロほどで交換が奨励されていますが、なかなか壊れないパーツでもあります。しかし、車種によっては壊れやすい車もあるので注意しましょう。

故障すればエンジンがかからなくなってしまうことも。もし、いつもよりエンジンの調子が悪いなと感じたら、イグニッションコイルも疑ってみましょう。

イグニッションコイルは10万キロ前後での交換が奨励されていますが、10万キロ以上問題なく使えることも珍しくありません。

故障するとチェックランプの点灯や、アイドリング不調など明らかに故障していることが分かる症状が現れます。

しかし、これらの症状は他の装置の故障である可能性も高く、該当しているからといってイグニッションコイルだと断言することはできません。

そのため、エンジン不調があらわれた場合、全ての可能性を視野に入れ故障診断する必要があります。自分では分からないのであれば、ディーラーや整備工場に相談しましょう。

イグニッションコイルの不調はエンジンの不調に直結します。そのため、日ごろから車の調子を見ながら運転することが大切です。

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執筆者プロフィール
山北吏(つかさ)
山北吏(つかさ)
1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...

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