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トヨタの「TNGA」「e-TNGA」とは?採用車種と採用される理由

日本を代表する自動車メーカーであり、世界でも車好きに限らず多くの人々から支持を集めているトヨタ。近年販売されているトヨタの車種をチェックしていると、「TNGA」と呼ばれるキーワードを目にします。トヨタが取り組む「TNGA」を、採用される理由や使われている車種を交えて解説します。

トヨタの「TNGA」とは?

@Sergio Yoneda/stock.adobe.com

「もっといいクルマづくり」をコンセプトとした取り組みの総称

TNGAは、「Toyota New Global Architecture」の略称であり、トヨタが掲げる「もっといいクルマ」を実現するための改革・取り組みを表しています。

世界の自動車市場で認められる高い基本性能・商品力をそれぞれの車種に反映させるべく取り組んでいます。ボディの骨格からプラットフォーム(車台)、エンジンやトランスミッションハイブリッドシステムなどのパワーユニットを上手に組み合わせて開発させるのが特徴です。

「走る・曲がる・止まる」という車に欠かせない3つの要素を、高次元のレベルで実現することで誰にでも長く親しまれる車を作り上げています。

また、開発や生産に関しても、パーツを供給するサプライヤーや生産現場と連携して賢く車を作り上げるコンセプトを掲げて取り組んでいます。

無駄がなく、かつ品質に優れた車を作るのがTNGAのコンセプトです。

TNGAが採用される理由3つ

トヨタのTNGA技術で使用されている”ダイナミックフォースエンジン”イメージ画

近年トヨタが販売している車の魅力を高めているTNGA。何故、TNGAの理念がそれぞれのモデルへ取り入れられているのか、3つの理由をピックアップしてみました。

「製品軸カンパニー制」により個性的なクルマを生み出すため

1つ目の理由として、「製品軸カンパニー制」を取り入れたことが挙げられます。

トヨタはTNGAの取り組みを始めるまで、技術開発・生産・デザインなど機能ごとにわけて担当組織を構成しており、1つの車種を開発して世に送り出すまでの作業で足並みが揃わないのがネックとなっていました。

しかし、製品軸カンパニー制を取り入れることで車種ごとの開発が可能となり、統一した意識のもとで質感の高いモデルを世に送り出せるようになりました。例えば、コンパクトカーから高級ブランド「レクサス」、スポーツモデルを開発する「Gazoo Racing」などが挙げられます。

企画から開発、部品の調達、生産まで一貫して連携を図ると同時に、開発部門を車のジャンルごとに分割したことで、顧客のニーズにあったモデルを開発できるようになったのです。

ジャンルごとに用意されたプラットフォームで快適な走りを実現するため

2つ目の理由として、車の根底を支えるプラットフォームをジャンルごとに用意し、快適な走りを実現している点です。

コンパクトカーからセダン・ワゴン、ミニバンSUV、スポーツカーまで車の特性にあったプラットフォームを当てはめています。高剛性かつ軽量なプラットフォームを共有することで、コストを下げつつも高品質な車を作るのに貢献しています。

2015年に登場した4代目プリウスで初めて採用されて以降、TNGAのプラットフォームは7種類まで拡大しています。

  • GA-Bプラットフォーム(ヤリス・アクア など)
  • GA-Cプラットフォーム(カローラ・ヴォクシー など)
  • GA-Kプラットフォーム(カムリ・ハリアーなど)
  • GL-Fプラットフォーム(ランドクルーザー)
  • GA-Lプラットフォーム(クラウン)
  • GAプラットフォーム(グランエース)
  • e-TNGAプラットフォーム(bZ4X)

エンジン&ハイブリッドシステムの性能を向上させるため

3つ目の理由として、エンジンやハイブリッドシステムの性能向上により走行性能に磨きをかけている点が挙げられます。

トヨタが得意とするハイブリッドシステムは、コンパクトで軽量かつ発生エネルギーを有効活用できるのが強みです。エンジンを無駄に回さず、バッテリーから送られるエネルギーを有効活用するシステムとしたことで、レスポンスのよい加速を手に入れています。

ハイブリッド=燃費というイメージをもつ人が多いかもしれませんが、ガソリンやディーゼルなどエンジン単体の車にも引けをとらないスポーティな走りを味わえるようにもなりました。

また、エンジンにも最新の燃焼技術や可変制御システムを取り入れています。熱効率を高めたり、低回転から高回転域まで幅広くトルクを引き出せたりと、環境面での強みをもったエンジンは「ダイナミックフォース」と名づけられました。

世界トップレベルのハイブリッドシステムとエンジンにより、走りの快適さを実現しているのが、トヨタのTNGA採用車種の魅力の1つです。

TNGAの採用車は合計41車種

TNGAを採用したモデルは、トヨタ・レクサス合計で41車種に拡大しています。TNGAの取り組みが始まった当初はハイブリッドカーがメインとなっていましたが、近年はSUVやスポーツカーなど採用車種が増えているのは注目したいポイントです。

TNGA最初の採用車種はプリウス

トヨタ プリウス

TNGAが最初に取り入れられた車が、2015年に登場したプリウスの4代目・ZVW50系です。

1997年に次世代を担うハイブリッドカーとして誕生したプリウスは、2代目・3代目と燃費性能を向上し続け、他の車種にも影響を与えてきました。

4代目となるZVW50系では、燃費を追求するだけでなく、運転の楽しさ・高い安全性能にも着目しています。

駆動用モーターやバッテリーなど走りにかかわるメカニズムを徹底して見直しを行い、コンパクトかつ軽量な作りとなりました。加えて、エンジンやバッテリーなどの重心を下げて、走行安定性を高めています。

車体は、TNGAのコンセプトに沿って「環状構造」と呼ばれるフレームの作りが特徴です。ボディのねじれが生じたときの剛性を高めたほか、溶接をフレームの随所に細かく施したことで乗り心地がマイルドとなり、乗りやすい車へ進化を遂げています。

TNGAの理念が込められた4代目プリウスから、環境への優しさだけでなく走りの楽しさも感じ取れるでしょう。

コンパクトカーやSUV、スポーツカーへ車種展開を拡大

トヨタ ヤリス

TNGAを採用した車は、コンパクトカーやSUV、スポーツカーへ車種の展開を拡大しています。

4代目のプリウスが登場してから10年も経たないうちに、40車種以上にもTNGAの思想が採用されていることからもわかるでしょう。

TNGAを採用した主な車種をジャンルごとにピックアップしました。

  • コンパクト:ヤリス・アクア・ヤリスクロス
  • ミドル:カローラツーリング・カローラクロス・ノア
  • 大型:カムリ・クラウン・MIRAI・ランドクルーザー
  • スポーツカー:スープラ(GRスープラ)
  • レクサス:LC・LS・UX・LX

トヨタの販売戦略を支えるコンパクトカー「ヤリス」から、トヨタの乗用車を語るなら欠かせない高級車である「クラウン」、モータースポーツでもベース車両で活躍するスポーツカー「スープラ」などにTNGAが取り入れられています。

少し試乗しただけでも、TNGAが引き出す上質な乗り味を体感できて、いつの間にかトヨタ車のオーナーになっているというケースも多いようです。

BEVに採用される「e-TNGA」とは?

トヨタ「e-TNGA」のイメージ図

TNGAの新たな展開として取り組みが始まっているのが「e-TNGA」です。

近年ではBEV(電気自動車)が、欧州をはじめ、中国やアメリカなどの需要が高まっている地域で普及が進められています。トヨタは、TNGAの知見を生かしつつ、スバルやスズキ、ダイハツと手を組みBEV車種の企画・開発に取り組んでいます。

e-TNGAは、スバルと共同開発を進めてきたSUVタイプのBEVで使用しているプラットフォームを指しています。

車体前後に備わるモーターや運転席に座るドライバーなど、配置するパターンを固定。一方、ホイールベースやバッテリーの搭載容量、車体前後のオーバーハング(車輪の中心から車両の最前端もしくは最後方までの水平距離)は車種のタイプやジャンルに応じて変動させるという方法を取り入れています。

また、使用する駆動用モーターやモジュール(機能)を複数の種類から組み合わせることで、効率よく複数のモデル開発をできるのも特徴に挙げられます。

現状は、SUVタイプのBEVのみの展開となります。しかし、今後2030年までにBEV車両の世界販売台数で年間350万台を目指すと公表していることから、e-TNGAの理念を応用した車種が引き続き登場するでしょう。

e-TNGA採用モデルは合計2車種

e-TNGAを取り入れているモデルは合計で2車種です。トヨタとレクサス、それぞれのブランドで展開される予定となっています。

e-TNGAのプラットフォームや技術を取り入れたSUVタイプのBEVたちはどのような特徴をもっているのでしょうか。

bZ4X

「bZ4X」は、BEVの需要に対応すべく、近年人気の高いクロスオーバーSUVジャンルで挑戦してきたモデルです。

トランスアクスル・モーター・インバーターを一体化した点は、エネルギーを無駄にせず走行距離を伸ばすのに貢献します。1回の充電で走行可能となる距離は540kmから560km程度と、旅行へも出かけやすくなるほど長持ちするのが魅力です。

普通充電と急速充電の両方に対応しており、外出先でも充電がしやすいのが強み。急速充電なら40分から60分程度で走行用のエネルギーが回復する仕組みです。

初めてBEVを購入するなら、bZ4Xはおすすめの1台となるでしょう。

レクサス RZ

「レクサス RZ」は、レクサス初のBEVとなるモデルです。

「Lexus Driving Signature」により、ドライバーの求める動きに的確なレスポンスを見せてくれるのが強みです。バッテリーやモーターの配置を適切としたことで、抜群の走行性能を披露します。

新開発の4WDシステム「DIRECT4」とモーター「eAxle」が組み合わさったことにより、路面状況に応じて駆動力を細かく制御できて、快適なドライブを楽しめるBEVです。

今後もTNGAの理念が注ぎ込まれたモデルが登場する?

e-TNGAをはじめ、BEVモデルにもトヨタの新しい開発理念が注ぎ込まれた車が登場しています。グローバルの約7割が新車に切り替わっているのもあり、今後も、TNGAを用いた車種が生まれ続けるでしょう。

また、プリウスやクラウンなど、TNGAの採用が始まった初期の車種も、次世代へフルモデルチェンジされるかどうかも、注目したいポイントです。

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執筆者プロフィール
長谷川 優人
長谷川 優人
1990年生まれ。Webライターをメインに活動中。好きなジャンルはクルマとアニメ。愛車はインプレッサG4(GJ型)→レガシィB4(BL型)。スポーツカーが好きで常に中古車雑誌をチェックしている。アニメ作品の聖地巡...
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