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「この道狭くなったな…」今の車は大きい?歴代カローラで見るボディサイズの変化
目次
- コンパクトカーでも3ナンバーな時代のカローラ
- 初代 10系・1966年(昭和41年)発売
- 2代目 20系・1970年(昭和45年)発売
- 3代目 30系・1974年(昭和49年)発売
- 4代目 70系・1979年(昭和54年)発売
- 5代目 80系・1983年(昭和58年)発売
- 6代目 90系・1987年(昭和62年)発売
- 7代目 100系・1991年(平成3年)発売
- 8代目 110系・1995年(平成7年)発売
- 9代目 120系・2000年(平成12年)発売
- 10代目(初代カローラアクシオ) 140系・2000年(平成18年)発売
- 11代目(2代目カローラアクシオ) 160系・2012年(平成24年)発売
- 12代目 210系・2019年(平成31年)発売
- 代を重ねるごとに長く広くなったカローラ
6代目 90系・1987年(昭和62年)発売
昭和最後のカローラとして1987年にデビューしたのが6代目カローラです。バブル景気真っ只中に登場したカローラは、当時ブームだった「ハイソカー」を意識した車となりました。
全長4,195mm、全幅1,655mm、全高1,365mmと、先代と比べると大きな変化はないものの、パワーウインドウや電動格納式ドアミラーの標準装備など、車格を超えた豪華な装備が人気に。1990年には車名別年間新車販売台数で、歴代最多の30万台超えを記録しました。
7代目 100系・1991年(平成3年)発売
バブル崩壊が始まった1991年に7代目カローラがデビュー。設計当時はバブルに沸いていたこともあり、金メッキ端子を用いた配線や亜鉛メッキ合金を用いた防錆鋼板を採用するなど、その作りはまさに高級車。
ボディサイズも全長4,270mm、全幅1,685mm、全高1,380mmに拡大され、見た目にもボリュームが出てきました。しかし、高級化を推し進めていても5ナンバー枠には留まっています。
8代目 110系・1995年(平成7年)発売
バブルが崩壊したあとに設計され、1995年にデビューした8代目カローラ。先代とは打って変わってコストダウンが求められ簡素な内外装になるなど、高級路線から一転して使い勝手重視のコンパクトセダンへと原点回帰。
基本的な構造は7代目カローラからキャリーオーバーとなっているため、ボディサイズも全長4,285mm、全幅1,690mm、全高1385mmで先代とほぼ変わらず。しかし、コストダウンによる内外装の簡素化によって、車重は最大50kgの軽量化を実現しました。
9代目 120系・2000年(平成12年)発売
2000年に発売された9代目カローラは、21世紀を迎えるにあたり先進的なデザインが与えられ、これまでのカローラとは一線を画すイメージチェンジを敢行。カローラの「若返り」を狙ったモデルとなっています。
全長と全幅は5ナンバー枠いっぱいまで伸ばされ、全高も先代から10cm近く拡大。全長4,365mm、全幅1,695mm、全高1,470mmと、ボディサイズの拡大により居住性が高められました。
10代目(初代カローラアクシオ) 140系・2000年(平成18年)発売
「カローラ」単体の車名は、120系で一度日本から消滅しました。後継に2006年発売のカローラアクシオが据えられ、カローラファミリーの日本向けセダンをこのアクシオが担うこととなります。
ボディサイズは先代モデル後期型の数値を継承していて、全長4,410mm、全幅1,695mm、全高1,460mmと、5ナンバーのコンパクトセダンサイズ。日本専用車種なだけあって、日本国内での使用に適したボディサイズとなっています。
11代目(2代目カローラアクシオ) 160系・2012年(平成24年)発売
2012年にデビューしたカローラで数えて11代目、アクシオで数えて2代目のモデルは、コンパクトカー「ヴィッツ」のプラットフォームを使用しています。全長4,360mm、全幅1,695mm、全高1,460mmと、全幅、全高は先代と同数値なものの、カローラ史上初めて全長が短縮されました。
2019年に「カローラ」単体の名前で12代目カローラが再び日本市場へ発売となりますが、12代目カローラが発売後もカローラアクシオは販売を継続。いまとなっては貴重な5ナンバーセダンとして、ビジネスシーンなどで活躍しています。
12代目 210系・2019年(平成31年)発売
現行のカローラは2019年に日本で発売開始となりました。グローバルモデルと同じTNGAのGA-Cプラットフォームを採用し、全長4,495mm、全幅1,745mm、全高1,435mmとついに3ナンバーサイズへと進化しています。
日本の大衆車としてデビューしたカローラのグローバル展開を進めていった結果、日本で乗るには大きすぎる車になってしまった…と感じるかもしれませんが、現行のカローラは日本向けにボディサイズを少し縮小。グローバルモデルと比較して、全長で135mm、全幅で45mm切り詰められています。
5ナンバーサイズには収まらなかったものの、「日本のカローラ」としてできる限り小さくしようとしたようです。
代を重ねるごとに長く広くなったカローラ
代 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) |
初代・10系 | 3,845 | 1,485 | 1,380 |
2代目・20系 | 3,945 | 1,505 | 1,375 |
3代目・30系 | 3,995 | 1,570 | 1,375 |
4代目・70系 | 4,050 | 1,610 | 1,385 |
5代目・80系 | 4,135 | 1,635 | 1,385 |
6代目・90系 | 4,195 | 1,655 | 1,365 |
7代目・100系 | 4,270 | 1,685 | 1,380 |
8代目・110系 | 4,285 | 1,690 | 1,385 |
9代目・120系 | 4,365 | 1,695 | 1,470 |
10代目・140系アクシオ | 4,410 | 1,695 | 1,460 |
11代目・160系アクシオ | 4,360 | 1,695 | 1,460 |
12代目・210系 | 4,495 | 1,745 | 1,435 |
歴代カローラのサイズを一覧してみると、代を重ねるごとに全長と全幅が大きくなっていったことがよく分かります。初代カローラから比較すると、全幅は26cm、全長では65cmも大きくなりました。
衝突安全性能を高めるためにボディが分厚くなっていき、その中で室内空間を広くするためにボディサイズ自体を拡大。この繰り返しで、今の車はどんどん大きくなっていきました。
いっぽう、内燃機関で走る車よりも部品点数が少なく済むバッテリーEV(BEV)が今後増えていくことが予想されます。燃料タンクやマフラーなどが必要ないため、BEVはフラットフロアの実現など、室内空間の自由度が高いです。
そのため、これまで拡大を続けていった車のボディサイズは、BEVの普及によって区切りがつくのではないでしょうか。
「大きくなった」と言われ続けているカローラもゆくゆくはBEVになる可能性はあります。「カローラが小さくなった」と言われることが、未来にはあるのかもしれません。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部 高山 志郎
- 平成元年生まれ、東京都出身。学生時代にモータースポーツ活動を開始し、大小さまざまな耐久レースへ参戦。優勝の経験も持つ。エンジニアとして複数の業界を渡りながら趣味で車やバイクに触れ続け、縁あって自動...