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日産 スカイライン400R 試乗レポ「405馬力!ハイパワーは正義」
受注好調!「405馬力」は次元が違う
2019年7月16日に発表されたスカイラインは2つの大きな目玉がありました。ひとつは、高速道路でハンドルから手を離すことができる先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」、もうひとつは405馬力のV6 3.0Lエンジンを積んだ「400R」のデビューでした。自動運転とハイパワースポーツセダンという対極に位置する2つのモデルを同時に発表したことに「技術の日産」の意地を感じたのは筆者だけではないはず。
新型スカイライン ハイブリッド試乗レポ「技術の日産」ここにあり。
同年9月4日に日産が出したプレスリリースは“新型「スカイライン」の受注好調”のタイトルでした。このリリースでは、400Rが受注台数の半分を占めたこと、さらにその購買者の3割近くが40代以下と、セダンの平均購買年齢層が50代後半という状況では異例の人気の高さであることが書かれていました。
そういえば、453馬力のシボレー・カマロも30代以下の男性の購買者割合がとても高いという話をGMジャパン広報担当から訊いていたのを思い出しました。
【シボレー カマロSS 試乗記】普通のクルマでは悪口になるのが魅力に変わる7つのポイント
やはり令和時代になっても「ハイパワーは正義」なのです。
圧巻の走り。
日産スカイラインといえば、直列6気筒エンジンでしたが、新型スカイライン 400RはV型6気筒。直6に比べてエンジンがざっくり半分の長さになり効率も良いのがV6。伝統的な直6でなくて残念という声も漏れ聞こえますが、トータルバランスを考えるとV6の採用は賢明だといえるでしょう。
400Rのエンジンは2基のターボを搭載。タービンは大型化されず、通常モデルのV6ターボと同じものを採用。過給圧を極限まで高めた上、400R専用のターボ回転センサーを搭載してパワーを使い切る設計にし高出力化しています。高い過給で高温になる空気は、日産国内初の水冷式インタークーラーを装備。さらに電動VTCシステム(可変動弁システム。従来は油圧式)で燃費とレスポンスの向上を図っています。このパワーのひねり出し方は「技術の日産」といえるところでしょう。
400Rの駆動方式は、FR。男は黙って後輪駆動、という方はマイノリティーではないかと思います。4WDではなくFRでまとめてくるあたり、なかなかやってくれます、日産。
実際に乗ってみると、ハイパワーエンジンは否が応でも全身で感じることができます。エンジン回転数3,000以下では、猛獣を扱うような難しさを感じなかったところがなかなか。狭い交差点で人や自転車が多くても、アクセルワークは神経質にならずに済みます。
しかし、3,000回転を超えてくるとエンジンは「フォーーーーーー!」と吠えてきます。(いつもですが擬音の使い方が正しいのかどうか、編集部スタッフから懐疑的な意見がエスカレーションされてきていますが……)そういえば、最新のR35 GT-Rに試乗した(実質チョイ乗りでしたが)ときも3,000回転以下なら、おとなしい紳士の走りでしたが3,000回転を超えるとモンスターに変わりました。きちんと血筋を引いているのですね。
雨に濡れた高速道路と坂道で、意識せずやや強めにアクセルを踏み込んでしまったら、軽くおしりがブリィっとしました。きちんと制御が効いているのでカウンターを当てるような挙動ではありませんが、場面によっては、ちょっと恐る恐るアクセルを踏むという所作も、ハイパワーカーならではの乙な味。
スカイライン400Rは電子制御ショックアブソーバーを採用。峠などを走るとき車体のロールを抑え、荒れた路面では、その起伏に合わせて減衰力を調整します。
走行モードの切替があり、ノーマルモードでは硬過ぎない適度な乗り心地で躾の良いスポーツセダンに、スポーツモードにすれば文字通りの超絶スポーティーに切り替わります。普段はノーマルで十二分です。
燃費
WLTCモード燃費:10.0km/L
市街地モード:6.5km/L
郊外モード:10.6km/L
高速道路モード:12.5km/L
実燃費はほぼほぼカタログスペック通り、意識してアクセルコントロールし、ストップアンドゴーが少なければこれより良い数値がでました。ハイパワーにしてはまずまず良い数値。
きちんとセダン
全長 4,810mm、全幅 1,820mmでは都心部のパーキング・メーターではぎりぎり収まるサイズ。最小回転半径は5.6m。日本の道路事情では目一杯のサイズです。
1馬力=14,000円也
新型スカイライン 400R の新車車両本体価格は税込5,625,400円。これを405PSで割返した馬力あたり単価は、13,890円。これは400馬力超えの市販車では最も安い部類です。
モアパワーを求める方々、いかがですか?これは魅力的ではありませんか?カスタムショップも400Rにすでに注目しているところが増えているようです。400馬力に耐えられるトランスミッション、7速ATも信頼性が高いという記事を最近読みました。400Rを買ってから思い思いのカスタム、チューンナップを入れていくのは至高という方も少なくないようです。
「買っちゃえ!日産!」
試乗レポート・撮影・文:MOBY編集部 宇野 智
新型スカイライン ハイブリッド試乗レポ「技術の日産」ここにあり。
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本日の在庫数 1471台 平均価格 429万円 支払総額 30~8,252万円
- 執筆者プロフィール
- 宇野 智
- モーター・エヴァンジェリスト/ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー/エディター エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元MOBY編...