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CX-30

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「マツダを骨まで愛してくれる2%のユーザー」に贈る最高のSUV!CX-30とは【推し車】

求めよ、さらば与えられん(マツダによる福音書?)

機械式立体駐車場へ収まる全高1,550mm以下をキープしており、ワイド&ローで精悍な印象

誤解を恐れずに言えば、マツダ CX-30とは「クルマなんて何だっていいよ」と言い出す人のためのクルマです。

ただし、その頭に「マツダじゃないんだったら」がついたり、最後に「マツダに乗れないんだったら」がついたりする人に限定した話。

戦前からオート三輪の名門で慣らしたとはいえ、四輪車は戦後の後発組、規模的には「日本を代表する」というより「広島を代表する」メーカーといえる程度ですが、かつての拡大路線も今は昔、今のマツダは「2%の人に愛され、求められればいい」と割り切っています。

マツダの世界シェアが2%くらいだそうですから、既にマツダ車が大好きな人、これからマツダ車に帰ってきたい人向けでも商売が成り立つよう努力してきた結果、悟りの境地に至ったと言えるでしょう。

CX-30は、そんな「マツダを骨まで愛してくれる2%のユーザー」に贈る、最高のSUVとして作られました。

家族でマツダを愛してくれるユーザーのため

このアングルだとルーフがテールへなだらかに下がるクーペルックに見えるが、「そう見えるように作った」のがポイント

マツダ車で最近よく出てくるキーワードに「第7世代」というものがあります。

第3世代以前は筆者もよく知らないのですが、第4世代がたぶん初代デミオから、第5世代には再生なったマツダの旗手として2002年に発売された初代アテンザから、「第6世代」はSKYAKTIVテクノロジーを初めて全面採用した、2012年発売の初代CX-5から。

そして第7世代は2019年5月発売のアクセラ改め、MAZDA3からを指し、CX-30はそれに続く第7世代2番手となります。

SKYACTIVテクノロジーとしても第2世代に入り、新型エンジン「SKYACTIV-X」や、クリーンディーゼルのソフトウェアップデート提供など、ハード/ソフト両面からの意欲的な話もありますが、まずはCX-30そのもののキャラクターです。

「4ドアセダンと5ドアファストバックからなるMAZDA3のSUV版であり、小さすぎるCX-3と、大きすぎるCX-5の中間モデルとして登場、その扱いやすさが人気となって、今や主力車種の1台」…というのが、大まかな認識だと思います。

しかし、プラットフォームや動力系など、中心技術やメカニズムこそMAZDA3と共通ですが、コンセプトはかなり異なり、CX-3とCX-5の中間でちょうどいいクルマ、というほど単純ではありません。

MAZDA3が「操る楽しみでドライバーに愛されるマツダ車」なのに対し、「カッコよさでご近所に差をつけ、快適性や使い勝手で家族に愛されるマツダ車」がCX-30なのです。

そんなにマツダを愛してくれているなら、応えましょう!

視界優先の横長ディスプレイ、ダッシュボード上部から柔らかく回り込み、包まれ感を与える内装など細部のデザインが凝っている

第6世代以降のマツダ車は、ロードスターとMX-30を除けば基本的にデザインテーマ「魂動」を採用、フロントグリルからヘッドライトへ伸びるメッキパーツの「シグネチャーウイング」を共通アイコンとしており、デザインの基本イメージは似通っています。

ただし、当然ながら走行性能や使い勝手は車格やジャンルで異なり、マツダが力を入れる一連の「CX」シリーズSUVでは、MAZDA2(旧4代目デミオ)ベースのCX-3だと荷物が載らず、MAZDA6(旧3代目アテンザ)ベースのCX-5はサイズが大きすぎ。

特に大きくてパワフルなCX-5は、都会でのフォーマルな用途からアウトドア・ギアまで多彩な用途へ応える一方、買い物などはコンパクトカーで済ませる主婦層など、大きなクルマの運転に恐怖感のあるドライバー向きではありません。

さらに、まだまだ数多い全高1,550mmを限度とする、タワーパーキングや機械式立体駐車場を使えないデメリットもあります。

それでもマツダ車に乗り続けたい!ああこういうクルマがあれば、またマツダ車に乗るのに、そういうクルマを出さないの?!愛しているマツダよお願い!というユーザーに応えたのがCX-30だと思えばいいでしょう。

駐車場を選ばず、後席の快適性も譲らず、それでもカッコイイ

テールゲートのブラックアウトスポイラーや、テールランプ周りの膨らみで寝かせたリアウインドウでクーペルックに見せている

2WDならともかく、4WDではウッカリ全高1,550mmを超えてしまうSUVもある中、CX-30は4WDでもしっかり1,540mmに収めて駐車場問題を解決、MAZDA3とは異なりルーフはしっかり後席頭上まで伸び、後席への乗車機会が多いファミリー層の使い勝手も万全。

しかしCX-30のスゴイところは、後席を含むファミリー層向けの快適性と、スポーティさを両立するデザインの工夫で、検討段階ではもちろん、単純にルーフを下げてスポーティに振るか、快適性優先でルーフを上げるかという二択が迫られました。

そこで妥協して中間的な案を採用したり、どちらかを切り捨てなかったのがポイントで、「テールランプユニット周りを膨らませ、リアウィンドウを寝かせれば、後席頭上までルーフを伸ばし快適性を確保しても、スポーティなデザインにできるじゃないか!」と提案。

いやちょっと待った!それだとテールゲート外板の形状が複雑すぎ、プレスで作れないぞ…という難問には、「じゃあ外板を樹脂にすればいい」で解決した結果、後半と樹脂部分の塗装合わせには苦労したものの、何も犠牲にしない「いいとこどり」が完成しました。

他にも、サイドウィンドウ下端のラインを伸ばしたり、フロントシートの肩部分をカット(昔と違い骨盤を受け止める設計なので、カットしても問題ない)して後席からの視界も確保するなど、乗車する全員の快適性や使い勝手に全く妥協しないのがスゴかったのです。

意外と壮年ユーザーにも愛される

テールランプ周りの複雑に膨らんだ造形は 鋼板だけなら量産が困難で、樹脂製外板を使うなど細部の工夫が満載

こうして、狙い通りに女性ユーザーやファミリー層に受け入れられたCX-30ですが、意外なことに、子育てが終わって落ち着いた壮年夫婦といった、高い年齢層のユーザーにもウケたそうです。

考えてみれば、年を取るほど老眼や反射神経の低下など、経験だけではカバーしきれない運転のハンデは増えますし、それでも気持ちいい走り、自由な外出を楽しもうと思えば、手頃なサイズでスポーティ、誰かを後席に乗せても不快な想いをさせないCX-30は最適でした。

もちろん、「火花点火制御圧縮着火(SPCCI)」という特殊な点火系を採用したSKYACTIV-Xエンジン、1.8リッタークリーンディーゼルSKYACTIV-D1.8へのソフトウェアアップデートプログラム、といった走りに関するアレコレは「マツダだから当然」です。

そうした、「マツダ愛に溢れた2%のユーザー」へ最高の満足度を提供する第7世代マツダ車は、CX-60などが続いており、これからも続々と登場します。

誰もかれもに気に入ってもらう必要はない、しかし愛してくれるユーザーにはとことん愛情で返すマツダ車は、かつてマツダディーラー以外でのリセールバリューが見込めなかった「マツダ地獄」から、マツダに乗っている限り幸せな「マツダ天国」へ変わったようです。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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