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コンパクトカーに大排気量V6エンジン搭載したら高級車になる…はずだった車たち【推し車】
小さなボディにハイパワーエンジンを搭載した、コンパクトなホットモデルを作ろう…としたとき、メーカーがとる手法として主流になっているのは、実用域の動力性能と環境性能を両立した実用的なダウンサイジングターボ車を、制御違いで高性能化するというもの。
しかし、電子制御や運転支援技術が未熟だった時代では、安直なターボ化は燃費の悪さを招いたり、じゃじゃ馬的な乗りにくさの限定になったりと、一般向けと言い難い面もありました。
そのため、かつては自然吸気の大排気量エンジンを載せるという手法でコンパクトなホットモデルを生産するメーカーが多かったのです。
今回は、かつて存在した大排気量V6エンジン搭載コンパクトカー、それも少々変わりダネな3台を紹介します。
トヨタ ブレイドマスター(2006年)
当時はネッツ店扱いだった5ドアハッチバックの「オーリス」をベースに、リヤサスペンションを独立懸架のダブルウィッシュボーン式とするなどでプレミアムコンパクトとしてデビューしたのが、トヨタ店およびトヨペット店で販売されていた「ブレイドマスター」です。
排気量で税金がはね上がる日本。滅多なことでは大排気量・多気筒エンジンを積むコンパクトカーなぞ作らず、せいぜい1クラス上の高性能エンジンを積む程度だった日本車では唯一の、大排気量V6エンジン搭載コンパクト。
ライバルのフォルクスワーゲン ゴルフR32同様、アルファードやハリアー用の3.5リッターV6エンジンで280馬力を発揮しましたが、乗り味やブランド力で劣る車に税金が高額な大排気量車は全く馴染まず販売不振で、見かける事は非常に稀でした。
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本日の在庫数 30台 平均価格 75万円 支払総額 35~169万円
フォルクスワーゲン ゴルフIII VR6(1992年)
広い、安い、燃費がいい、走りもいいと世界中の小型車へ革命を起こしたFFコンパクト。ゴルフも代を重ねるごとにサイズアップで車格が上がり、アウトバーン(高速道路)で高性能高級車へ負けない走りが求められます。
そこでゴルフIII(3代目)からスポーツ性の高いGTIとは別に、 2.8リッターSOHC V6エンジンを搭載。スポーツ性の高いGTIとは別に、余裕ある高速巡航を得意としたGT的グレードがVR6です。
コンパクトなエンジンルームへ収めるべく3気筒エンジンを狭い感覚で互い違いに重ねたような「狭角V6エンジン」なのが特徴で、ゴルフIV(4代目)以降は3.2リッター化でR32と改名、ゴルフV(5代目)まで設定されます。
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本日の在庫数 701台 平均価格 208万円 支払総額 27~450万円
初代ルノー クリオ(ルーテシア)・ルノー・スポールV6(2000年)
大排気量V6エンジン搭載コンパクトといっても、ひときわ変わり種なのがルノー クリオ。日本名「ルーテシア」2代目の3リッターV6エンジン車で、なんとFFコンパクトの後席を潰してリヤミッドシップにエンジンを搭載した後輪駆動車です。
ルノーでは1980年代にもWRC(世界ラリー選手権)用のグループ4/グループBラリーマシンとして、FFの初代5(サンク)をミッドシップターボ化した「5ターボ」を市販しており、モータースポーツ用に同種の車を作るメーカーは他にもあります。
しかし、2000年代に入ってまでFF車ベースのミッドシップスポーツをセルフリメイク、市販してしまったのはルノーくらいなものです。
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本日の在庫数 174台 平均価格 141万円 支払総額 40~360万円
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...