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いすゞベレットの評価や実燃費・中古車価格|GT・GTRの性能【日本の名車】
目次
いすゞ ベレットとは?
和製アルファロメオと言われた名車
ベレット(BELLETT)とは、いすゞ自動車が1963年から1973年まで製造していた自動車です
。
デザイン・技術面共に、当時の最先端を行く自動車として誕生したベレットは、日本の自動車史におけるエポックメイキングな存在として、現在も高く評価されています。
「和製アルファロメオ」との異名も付けられたベレットの走行性能は、当時の国産自動車の中で群を抜いており、日産・スカイライン登場以前のサーキットで、ベレットに勝てる車両は存在しないと言われていました。
また、ベレットは日本初のGT(グランツーリスモ)をグレード名に設定した車種でもあります。
1964年に発売された通称「ベレG」ことベレットGTは、現在でも多くの愛好家がいる人気車種であり、オーナーズクラブも存在するほどです。
なお、ベレットという車名は当時のいすゞの上級車種「ベレル」に由来しており、ベレルの小型版を意味する造語となっています。
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本日の在庫数 15台 平均価格 296万円 本体価格 180~485万円
いすゞの歴史についてはこちら
いすゞ ベレットサルーン
初代いすゞ ベレット
いすゞ べレット サルーン

出典 : https://ja.wikipedia.org/
最初のベレットは、1963年(昭和38年)6月に発売されました。
ボディタイプは2ドアと4ドアのセダンで、駆動方式はFR(後輪駆動)を採用しています。
デザインするにあたっては、当時ヨーロッパが最先端を行っていた「工業デザイン」というものが重視されており、工場に迷惑のかからない生産性の高さを第一条件に据えています。
そのスタイリングは、日本車らしさを残しながらも、デザインに優れた外国車と比較しても遜色のない、卵の殻をモチーフとしたコンパクトで無駄のないデザインとなっています。
個人向け乗用車としての需要と、商業向けタクシーとしての需要の両方を見込んで開発されたべレットは、内外装に用意されたさまざまな要素を組み合わせることで、全24通りものモデルを選択することができました。
そのため、個人向けと商業向けという、一見相反する需要の両方に応えることができたのです。
パワートレインは1.3L、1.5L、1.6L、1.8Lの4種類のガソリンエンジンに、OHC、OHV、SOHC、DOHCの各種グレードをそれぞれ選択することができたほか、1.8Lのディーゼルエンジンもラインナップされていました。
1973年の排ガス規制により生産が終了された後は、1974年発売の後継車種「ベレットジェミニ(後のジェミニ)」に引き継ぐ形で販売が終了されました。
ベレット全体としての総生産台数は170,737台とされています。
いすゞ ベレットGT
いすゞ ベレット GT

出典 : https://ja.wikipedia.org/
1964年(昭和39年)4月、ベレット1500セダンをベースにしたスポーツクーペ「ベレット1600GT」が発売されました。通称「ベレG」の愛称で知られるベレットGTは、日本初のGTグレードが設定された自動車です。
なお、スカイラインGTの方が発売は早かったのですが、発表はベレットGTの方が先です。
ベレットよりも40mm車高が低く、路面追従性と高速巡航性能が向上しているベレットGTのエンジンには、ベレットの1.5Lエンジンをチューンナップした1.6Lエンジンが搭載されており、市販品のエンジンとしては、かなりのハイチューニングが施されたエンジンとなっています。
その最高速度は160km/hに到達し、GTの名に相応しい高速度での長距離ツーリングに適したスポーツクーペとして、現在も高い人気を誇っているのです。
総生産台数はベレット全体としての170,737台のうち、17,439台がベレットGTとされています。
いすゞ ベレットGTR/GT TypeR
いすゞ べレット GT Type R

1969年、ベレットシリーズの最高峰として誕生したのがベレットGT typeRです。
「ベレットGT-R」とも呼ばれますが、正式名称は前期型が「GTR」で、1970年のマイナーチェンジ後が「GT typeR」となっています。
1969年8月10日に開催された鈴鹿サーキット・12時間耐久レースにおいて、初戦で優勝を飾ったベレットGTXをプロトタイプとするベレットGT-Rは、同社の117クーペ用1.6Lエンジンを搭載し、サスペンションは強化スプリング、ブレーキにはサーボを追加するなどして、完全にサーキット仕様のハイスペックマシンに仕上がっています。
その最高速度は190km/hにも達し、当時の市販車としては異様なレベルの走行性能を持っていたベレットGT-R。
その総生産台数は約1,400台と言われており、現在も中古市場では高値で取引されています。
いすゞ ベレットは走行性のだけでなく燃費も良かった?

ベレットの燃費性能は、ガソリン車で18.0km/L、ディーゼル車で21.0km/Lというものでした。また、ベレットGT(ベレット1600GT)の燃費性能は17.5km/Lとなっています。
ベレットは優れた動力性能を持ちながら、当時の自動車としては非常に優れた燃費性能も持っていたのです。
これが実燃費となると、データが少なくなってしまい、あまり詳細な数値が得られません。しかし、一部では平均9~10km/L程度の燃費というデータも出ています。
現在の車と比較すると、さすがに燃費性能では敵わないようです。
映画「私のベレット」とは?
ベレットを語る上で欠かせないのが、1964年の映画「私のベレット」です。「私のベレット」は、いすゞがベレットの宣伝映画として製作した作品で、3篇のオムニバスドラマで構成されています。
この作品は、ただの宣伝映画にしては豪華なスタッフで製作されており、脚本監修は小津安二郎、監督・脚本は大島渚、音楽は「上を向いて歩こう」などの作曲で知られる中村八大が担当しています。
ただ、当時この作品がどのような形式で上映されたのかは分かっておらず、正確な上映時間も不明であり、そもそもなぜ宣伝映画をこのような形で製作したのかもはっきりと分かってません。
映画の内容も、本当にベレットの宣伝映画なのかと疑問が残るものであり、映画を観た人からの評価も賛否両論で、さまざまな考察がされています。
なお、この映画は1964年公開ととても古くDVD等の販売もされていないようです。視聴が困難な激レア映像で詳細をお伝えできないことが心苦しいですが、いすゞベレットを語るには欠かせない要素、ということで紹介させていただきました。
いすゞ ベレットの中古車価格は?
いすゞ ベレット GTR
いすゞ ベレット GTR

2017年2月現在、いすゞベレットの平均中古車価格は199.0万円となっています。生産終了からかなりの時間が経過していながらも、根強い人気を誇るいすゞベレットは中古車市場では高価格で取引されているようです。
また市場に出回っている台数が少なく、状態の良い車両がさらに限られていることも中古車価格高騰の原因でしょう。
いすゞ ベレットは日本車のエポックメイキング
いすゞ ベレットについて詳しく紹介してきました。
ベレットは当時の日本の自動車業界において、まったく新しい視点で誕生した革新的な車でした。美しく合理的なデザインは、今見ても古臭さを感じさせず、熱心な愛好家が多いというのも頷けます。
今日における日本車の繁栄には、ベレットのような革新的な車の存在が、大きく関係していることは間違いないでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...