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発売時は「雰囲気は初代、コンセプトは3代目の再来」と話題になるも不発だったラグジュアリークーペ、5代目ホンダ プレリュード【推し車】
出力向上したエンジンやATTSなど、新技術は満載
初代から3代目までのコンセプトを集約した、「古くとも新しいラグジュアリークーペ」に回帰した5代目プレリュードですが、上級モデル用の2.2リッター直4DOHC VTECエンジンH22Aがリッター100馬力の220馬力へパワーアップするなどスポーツ路線もアリ。
ただし同じ2.2リッターエンジンでも135馬力の直4SOHC版F22Bを積む廉価グレード「Xi」を設定していたあたり、当時のホンダはオデッセイなどRVブームに追従しつつ、「形だけはカッコイイクーペ」をまだ作らねばと、旧来の思想から脱却できていなかったようです。
このようなグレード設定は、同じ形をした「本当のラグジュアリークーペ」のブランドを損ねてしまうので、SiRやタイプSなど、上級グレードがそれなりに力作だったことを思えば残念なことでした。
それでも上級グレードでは2代目以来伝統の4WS(4輪操舵)が設定されたり、後に4輪駆動力配分システムSH-AWDへ発展する、左右駆動力配分システム「ATTS」を最上級グレードの「SiR タイプS」(後にSiRが外れ「タイプS」)に設定。
パワフルなエンジン、優れた操縦性をもたらす駆動制御システム、豪華内装によって、スポーツからラグジュアリーまでこなすクーペとなったものの、結局は前評判だけで販売が振るわず、2000年9月に廃止されてしまいました。
モータースポーツでも活躍できるピュアスポーツならともかく、高級感といってもしょせんは大衆車レベルにとどまる国産ラグジュアリークーペの終焉でもありましたが、数年後に復活するという最新のプレリュードに果たして「居場所」はあるのか。
世界的にSUV人気の中、あえてのクーペで逆張りを仕掛けるホンダにとっては、また「注目は集めただけ」で終わらぬとよいのですが、なるべく多くのユーザーからの期待に応えられるクルマであることを、期待します。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...